“ゲームの試合状況を実況する”という仕事がある。昨今はゲーム実況を生業とするプロのキャスターも増えてきた。

 実況のプロとアマの違いはどこにあるのだろうか。ゲームキャスターの第一人者、岸大河氏にその疑問をぶつけると、

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
この記事は“第3回 全日本eスポーツ実況王決定戦”の提供でお送りします。

「プロの実況者には未来が見えています」

 
 とのこと。どういうことだ?

全日本eスポーツ実況王決定戦後にインタビュー

 2023年12月9日(土)、群馬県高崎市のGメッセ群馬で“第3回 全日本eスポーツ実況王決定戦”の決勝大会が開催された。

 実況王とは、簡単に言えば実況者の大会である。eスポーツシーンではもはや必要不可欠な“試合展開の実況中継”。その技術を競い、切磋琢磨するための目標としてスタートした大会だ。3回目の開催となった今回の競技タイトルはオンラインFPS『VALORANT』。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
予選を勝ち抜いた8人によるトーナメント戦が実施され、Doctor選手が三代目実況王の座を勝ち取った。

 非常におもしろい大会だったこともあり、大会終了後に感想を聞いてみようと話を持ち掛けてみたところ、審査員として参加したゲームキャスターの岸大河氏とトンピ?氏、放送作家の岐部昌幸氏が応じてくれた。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
左から、トンピ?氏、岐部昌幸氏、岸大河氏。群馬県知事が使う立派な部屋をお借りしてインタビュー。

 この流れで出てきたのが、冒頭の「未来が見えている」発言だ。実況者を志す皆さんにはもちろん、ゲーム実況への認識そのものが変わるかもしれない内容となっているので、多くのゲーマー諸兄にご一読いただきたい。

岸大河

『VALORANT』や『クラッシュ・ロワイヤル』などで公式リーグの日本語実況を務めるゲームキャスター。自身もeスポーツ選手からキャリアをスタートさせており、ゲームキャスター業界をけん引し続けている。文中では岸。

岐部昌幸

『ゲームセンターCX』や『勇者ああああ』など、テレビ番組も手掛ける放送作家。群馬県出身で、群馬県が振興するeスポーツイベントの一環である“実況王”では第1回でも審査員を務める。文中では岐部。

トンピ?

eスポーツの競技シーンに加えて、ゲーム関連のテレビ番組のMCとしても活躍。『フォートナイト』や『第五人格』といったタイトルの公式キャスターとして活動し、1000以上のイベントに出演してきた実績を持つ。文中ではトンピ?。

選手の実力は上がり続けているが……。

――大会審査、おつかれさまでした。まずは今回の大会の感想を伺えますか。

岐部本大会の第1回、立ち上げの際にいろいろなジャンルの方にお声がけされていたなかで私も呼んでいただいて、そのときから比べますと非常にレベルが高い大会になっていたと思います。そこまで今回のゲームに深く触れていない私でも、十分にゲームの魅力が伝わってきたと感じました。

――平均値は着実に上がり続けていますよね。種目が毎年変わりながらも、聞きやすさも全体的に上がっているように思います。

種目は初年度が『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、『LoL』)、2年目が『Apex Legends』、そして今回の3年目が『VALORANT』。初年度は予選では『VALORANT』も入っていたんですが、決勝は『LoL』だったんですよ。『VALORANT』で予選に参加した人も、決勝では『LoL』で実況しないといけないというルールでした。

――キャスターには広い知識が求められるでしょうから、複数タイトルでの実力を試すという初回のやり方も理解できます。とはいえ、『VALORANT』実況を得意とする人にとっては、「やっと来たか!」という気持ちだったかもしれません。

『LoL』はFPSとは実況の路線が違いますし、採点も難しいところでした。今回は僕には『VALORANT』の公式大会の実況者としての視点がありましたし、ほかの審査員の皆さんもそれぞれの視点がある。はっきりと立場が分かれていましたので、採点はしやすかったかと思います。

トンピ?採点で言うと、前回の第2回で審査員をやらせていただいたときは“どちらが上手かったか”というだけの投票制でした。今回はポイント制です。

――初年度の形式に戻りましたね。

トンピ?ポイントがはっきり見える形式で評価をするというのは、やはり重いなぁと感じました。自分の評価が正しいのか、誰にもわからない状態で採点することになりますし。とくに準々決勝で8人揃ってからはたいへんでした。熱い実況をする人もいれば冷静な人もいたり、本職のアナウンサーさんもいる。採点は楽ではなかったですけど、審査員としてやれることは精一杯やらせていただきました。

――実際に採点してみて、選手たちのレベルアップは感じられましたか。

先ほどお話にも出ていたとおり、だいぶ平均値が高くなっていたと感じました。そして出す問題もひねってきているのがおもしろい。

トンピ?特殊なシーンが多かったですね。そこでは決着がつかない中盤のラウンドだったり。

これまでは起承転結の中の、起と結は必ず問題に入れるとして、あとは承、転のどちらかから1問という形で、3シーンくらいが問題に含まれていたんですよ。ところが今回は起だけ、結だけの問題がありました。それを実況者としてどう表現するのか。仮に僕がやった場合、最初の3ラウンドだけと言われたらどう盛り上げるのか、考えさせられます。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論

――フィニッシュのシーンがあれば最後は確実に盛り上がりますよね。試合の流れを理解していれば組み立てやすいでしょうけど、それらを計算に入れられない。その瞬間の見せ方が重要になります。

そう。動画から状況を推測しないといけませんからね。(試合に使われた)あの動画、世に出ていないスクリム(練習試合)の模様を借りてきているのかな、たぶん。大会の動画なら大会用のUIがついているはずですから。

 バインド、ヘイヴン、サンセットの3マップが出ていましたけど、1-1にならないと3マップ目は出てこない。その表示のUIもありませんでしたし、やはりスクリムなんじゃないかな。2チームに許諾を取ったと言うことですから、スタッフさんの熱量もすごいですよ。よく通ったなぁ。

――なるほど。問題としても凝ったものになっていたと。

メンバーを見ると、Crest Gaming Zstに(比較的新しく入ったばかりの)HYUNMIN選手がいて。INSOMNIAのEma選手なんて高校生大会に出ている子です。パッチもひとつ前のバージョン、“Red Bull Home Ground”(2023年11月開催)があった後のものなので、(2023年12月現在から見て)直近で1ヵ月以内のスクリムではないかと推測できます。

――その最新に近い試合に対して、パッと見の瞬発力と判断力で言葉を出していくわけですよね。事前準備をしようがないから、すぐに語彙が尽きて同じ言葉をくり返しそうなものですが。

岐部盛り上げるワードなどは皆さん引き出しに持っているだろうとは思っています。たとえば決勝戦の長谷川さんは、細かいところではありますが、主語もちゃんと付いていて、すごく聞き取りやすかったですね。注目したというよりは、気付かされた点でした。

――あまり『VALORANT』に詳しくない岐部さんが聞いて分かったということは、大衆向けに伝えることに成功しているわけですよね。ゲーム実況は視聴者がゲームへの習熟度が高いことを想定して、知っている前提で進める場合も多いわけですが。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
長谷川優貴選手。各審査員の採点が平均的に高く、その安定した実力が伺えた。

岐部さんがおっしゃった“主語”というのは僕もすごく大事だと思っていまして。長谷川さんの準決勝でよかった点として、どっちに移動しているのがどっちのチームなのか、何をしようとしているのかが、実況で補足できていたんです。ほかの実況者にとっても参考になるはず。実況初心者目線でも公式目線でも、大事なポイントだと思います。

――誰が何をしているのか、主語がはっきりしていますね。日本語は主語を省略しがちな言語ですが、「視聴者はわかってくれるはず」と甘えなかった。

審査基準は人それぞれ。厳しい40点のライン

――全体の傾向として、岸さんは点数がけっこう渋かったですよね。

そうですね、厳しめに付けさせていただきました。VCT(VALORANT Champions Tour)を基準にして。ほかの審査員の方も自分の立場から採点すると思ったんですよ。たとえば岐部さんはより広い層に受け入れられることを重視するでしょうし、内田さんならアナウンサーらしい発声、トンピ?君はたぶんイベント全体を見た総合的な評価をするだろうと。僕は公式大会基準でゲーム理解度などを主軸に見ていました。

――お仕事としていっしょに実況できるかどうかを基準にしていたわけですね。

40点で国内の公式大会(Challengers Japan)で実況を任せられるかな、といった基準でした。40点越えは3回かな。長谷川選手に準決勝と決勝、決勝のDoctor選手は41点。ポイントは評価の絶対的な基準というわけでもないですけど。全体を振り返ると、決勝の長谷川選手のヘイヴンでの実況をいちばん高く評価したいかなと。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
素人が聞いても非常にわかりやすい実況だったように思う。もし次回があったら、岸大河氏が40点以上をつけるかどうかにも着目していただきたい。

この基準で45点を超えてくると国際大会レベルですね。ただ、そこに到達するにはゲーム理解度がなかなか追いつかないと思います。プロとの壁はこういうところにあるといいますか。(会場内でウォッチパーティーを担当していた)yueさんとは控え室で話しましたけど、「ここが見えていなかったよね」、「ここがもうちょっとほしかった」みたいに、話す内容はだいたい一緒でした。

――意見が一致するということは、1回見ただけでほぼすべての印象的なシーンを記憶していたということですか。

そうですね。今回出場した選手の皆さんの場合は、壇上で観た試合の内容をもう一度思い出して細かく言えるかとなると、難しいかもしれないと思います。

 試合の展開には理論があります。どういうエージェント(キャラ)が出て、何が放たれてこうなった、ということはその後どうなるのか。ゲーム理解度が高い人はその辺をほぼ把握しています。結果も想定して話すので、記憶と表現にも影響しますよね。そこが国際大会の公式キャスターとアマチュアの違いと言えるかと。

――極論を言うと、実力のある実況者は先の展開や未来が見えている……?

大げさに言うとそういうことかもしれません。プロには未来が見える。ただ、『VALORANT』は毎日のように試合があって、どんどん情報が更新されていきますからね。状況を理解して流れを想定するのはかなり難しいと思います。実際に、今大会の実況では“未来予測”は1回も出ませんでした。

――起きていることを伝える、文字通りの実況に終始したのがもったいなかった、ということでしょうか。

たとえば、つぎのラウンドでどうなりそうか、視聴者に伝えるのもいいですよね。攻撃側がこういうことを狙っているのに対して、防衛側はこれを狙っている。狙いがハマったらこうなります。いや、撃ち合いで勝ったからこうなるな、といった感じで。

 試合スタート時に頭の中で分岐点を設定していないと、言葉も詰まるしキルログしか読まないBOTになってしまうんです。それはもう実況というより読み上げですよね。AIに取って代わられてもおかしくない。

――AIならゲーム側と連携して、ダメージの数値も把握できるかもしれません。状況を伝えるだけならAIに分があるというのも理解できます。

あと、どうしても採点が低めになってしまったのは、どこで局面が変わったのかという“コア”が実況から欠落していることが多かったのも理由でした。なぜ勝ったのか、何がスーパープレイなのかが抜けていたんです。

トンピ?状況に応じて抑揚をつけるのはわかるんです。それも大事だけど、題材とされていた動画の中のクライマックスがどこなのか、わかりづらくなっていましたね。

すごいプレイに対しても盛り上がりを伝えるだけでなく、たとえば『VALORANT』に詳しくない岐部さんに対しても「これがすごいんだ」と伝わるように話すべきだったと思います。

――いまはストリーマーのブームもあって、ゲームを知らない人もゲーム実況を見ることが多いでしょうしね。

トンピ?岸さんの採点の厳しさやコメントを聞いた選手の皆さんが、もっと『VALORANT』というゲーム自体を見ようと、その場で意識が変わった気配はありました。意識し過ぎて、準決勝あたりからやや掛かり気味になっていた人もいたように感じましたけど。どの審査員から高評価をもらいたいかと考えると、選手側もどんな実況をすべきか判断に悩んだのかもしれません。

――そうですよね。岸さんの毎回の指摘は、怖いとまでは言いませんけど重かったですよ。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
岸審査委員長からのコメントは厳しくも的確だった。若手にはだいぶ怖いと思われていたのでは。

もうちょっと明るくいこうとは思っていたんですけどね(笑)。でも、皆さんまだまだ伸びますから、厳しくいこうかと。初代実況王のsyouryu君は、発声や合間についてこうした方がいいよとコメントしたら、決勝戦で克服して優勝しましたから。二代目実況王のわんず君も。2試合目あたりで叫びすぎていたところを指摘すると即座に直していたように思います。

トンピ?(第2回大会の)準決勝では逆に、対戦相手のabaraさんがやや掛かり気味になってしまい、叫びすぎちゃった場面もありました。

――そもそもキャスターさんからこういうお話を聞くのは珍しい気がします。

実況について語るようなことは、これまであまりなかったと思います。『VALORANT』の実況をするようになってからは、ほかの方の実況も気になるようになりました。何でこうしなかったんだろうとか、自分でも「ここが分解(分析)できなかった」とか。

――トンピ?さんとしては、ここまでの岸さんのお話を聞いてどう思われますか。

トンピ?『VALORANT』はそういうタイトルだと認識しているので、岸さんが仰ったことは完全に正しいと思います。言葉をアウトプットするだけなら、ChatGPTなどのAIでも完結できるようになってきている。自分はどちらかというと、ゲーム性よりは人や大きなステージをどう使っているかなど、人でしか体現できないエンタメ要素を打ち出している人への評価を高くしました。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論

――そうなると、今回とくに評価した選手は誰でしたか。

トンピ?GORIXさんですね。盛り上げ方や体で表現する部分に着目しました。予選の環境では、選手の中には台本を用意していた人もいたのではという見方もあって、リアルタイムで盛り上げの場を作り、抑揚を出していた点がよかったと思います。

――GORIXさんへの採点を見ると、トンピ?さん以外の審査員からの点数はやや低めで意見が分かれていましたね。

トンピ?前回の第2回大会のときは、誰が会場の一体感を作れるか、みたいなところを審査員側が評価基準にしていまして、オフラインイベントらしい実況解説が高く評価されたんです。そこで場を大いに盛り上げてくれたわんずさんが優勝となったわけです。

――前回は場を盛り上げるストリーマーの人も審査員に多かったですよね。

トンピ?審査員によってショーレース系大会の結果は大きく変わりますよね。今回は岸さんがいらっしゃいますので、自分は逆にこちら(盛り上げやエンタメ)方面に吹っ切ろうと思いまして、M-1で中川家さんが優勝したシーンを全部見て、評価者がなんと表現しているかを研究してきました。

 自分は『VALORANT』の実況キャスターではないけど、別のFPSタイトルなどの実況では公式キャスターとしても動いている身です。どこを評価するか自分の審査基準をはっきりさせて臨みました。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
GORIXさんは場を盛り上げるパワーを十二分に見せつけた。

第4回の変化に期待

――大会終わりの雑談くらいのノリで始めたつもりが、想定外に深い話を聞けている気がします。

トンピ?“実況王”ってめっちゃおもしろいんですよ。そして皆さんが思っているよりも重たいです。

――人によっては人生かかっているくらいの重さがある大会なんですよね。プロの皆さんにも同じ形式でやってほしい。

こちらとしても初めて見る動画なので、こういう表現をするんだと感心する場面も多かったですね。ここは拾うんだ、ここは外すんだといった取捨選択も頭の中で組み立てながら見ていたので、「ここはしゃべることがないから、言う必要がなくてもアビリティー名で間を埋めたかったのかな」といった部分もわかってくるわけですが、評価以外にも自分とは異なるという違和感もつねに感じていました。

岐部キャスターさんそれぞれの、流派みたいなものですかね。

そうですね、ほかのキャスターさんも自分と異なる手法に違和感を覚えると思います。競技シーンが濃密になりすぎて、公式キャスターがそれらを見すぎているというのも採点が厳しくなった理由に挙げられるかもしれません。

岐部岸さんの姿勢はまだまだ本大会に必要だと思います。まだ育っている段階の大会だからこそ、筋が通っていて厳しめのコメントを出していく。ぜひ今後も審査委員長を続けてほしいですね。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論

そこは来年の題材にもよると思いますよ。自分は『ストリートファイター6』だと予想していますが。

トンピ?僕も『スト6』だと思います。『鉄拳8』も出た後だから、格ゲーはあり得そう。

そうなると……、アナウンサーの皆さんが上位に来ますね。

トンピ?僕も菅野さん(テレビ信州の現役アナウンサー。今回の第3回実況王ではベスト4)に「来年の種目が『スト6』だったら優勝を狙えますよ」って言っちゃいましたからね。お仕事で格闘技の実況を経験しているとしたら、基礎が違うと思います。

 他ジャンルだと『グランツーリスモ』シリーズとかもあり得ますけど、いまのトレンドで言えば『スト6』や、これから隕石級のインパクトがある何かがあれば『鉄拳8』が来る可能性もありますね。

――種目次第で、出場選手にも大きな変化が出てきそうです。菅野さんは今のところ皆勤賞だから次回があったら参加するのかな、と思いますけど。

岐部菅野さんは毎年出場していく中で、連続出場者ならではのドラマを背負いつつありますね。

菅野さんはネタまじりで来ているところもありますけどね。あの人、実況でOooDaさん(※)のパクリをわざとらしく2回くらいやってますから。「達人の間合い」とか、「状況は五分だ」とか、事前に用意してきているんですよ。

※OooDa:『VALORANT』や『PUBG』など、多くのゲームで公式実況を務めるゲームキャスター。盛り上げのうまさや独特なワードセンスに定評がある。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論
現役アナウンサーの菅野直道選手。次回の種目が格ゲーかどうかはさておいても、エンターテイナーとしての面からも注目したいところ。

トンピ?菅野さんは菅野さんで、楽しんで参加されていますよね。もちろん優勝は目指すけど、自分の中での楽しみ方もあると言いますか。

壇上に立った瞬間、必ずネタまじりのMC始めるからなぁ。もはや風物詩。

――これはもう、第4回開催をぜひお願いしたい。大会がどうなるかはもちろん、実況者と界隈の1年後も気になります。

『VALORANT』プロの実況者には未来が見える。実況王の審査員が語る、日本語で伝えて盛り上げるeスポーツおしゃべり論

第3回全日本eスポーツ実況王決定戦

【ウォッチパーティー】 第三回全日本eスポーツ実況王決定戦