マイクを通してピカチュウとコミュニケーション

 1998年(平成10年)12月12日は、ニンテンドウ64用『ピカチュウげんきでちゅう』が発売された日。本日で発売から25周年を迎えたことになる。

 『ピカチュウげんきでちゅう』は、任天堂から発売された対話ゲーム。世界初となる音声認識システム(VRS)を用いたテレビゲームということもあって、未来を感じさせるテクノロジーに多くのゲームファンが衝撃を受けたのではないだろうか。

『ピカチュウげんきでちゅう』が発売25周年。世界で初めて音声認識システムを利用した画期的な対話ゲーム。ピカチュウのリアクションに癒やされた【今日は何の日?】

 現代では「OK Google」や「Hey Siri」といった具合に音声認識機能をかなり日常的に使用するようになったが、当時のゲームに似たものは一切なく、とにかく新しくて革命的に思えたものだった。

 同様に音声認識を使った作品としては『シーマン 〜禁断のペット〜』(1999年7月29日発売)も有名だが、筆者のような昔からのゲームファンには発売が早かった『ピカチュウげんきでちゅう』のほうがよりなじみ深いものがある。個人的にはプレイステーション2の『オペレーターズサイド』(2003年1月30日発売)も加えて、3大音声認識型ゲームといった印象だ。

 本作の目的はピカチュウと友だちとなり、交流しながらどんどん仲よくなっていくこと。何と言っても画期的だったのは、コミュケーションはすべて自身の“声”で行う点になるだろう。付属のヘッドセットを使用して画面上のピカチュウに話しかけると、言葉を認識してさまざまなリアクションを見せてくれるのがじつにかわいらしかった。

『ピカチュウげんきでちゅう』が発売25周年。世界で初めて音声認識システムを利用した画期的な対話ゲーム。ピカチュウのリアクションに癒やされた【今日は何の日?】
NINTENDO64 VRS(音声認識システム)とマイク。

 「ピカチュウ!」と叫べば呼びかけに気づいて近くまで走ってきてくれたり、「かわいい」と言えば照れた表情を見せたり。わざと悪口を言えばプンプン怒ってみせたりと、話しかける言葉に応じてリアクションは千差万別。アニメ版と同じ大谷育江さんの声でしゃべるのもニクイところだ。

 大人でも愛らしさに癒やされたくらいなのだから、ピカチュウが大好きなお子さまたちはきっと大興奮だったに違いない。技術的な問題なのか言葉が認識されにくくて「ピカチュ?」と何度返されても、ピカチュウ相手だから仕方ないと許せてしまうのもよかった。

『ピカチュウげんきでちゅう』が発売25周年。世界で初めて音声認識システムを利用した画期的な対話ゲーム。ピカチュウのリアクションに癒やされた【今日は何の日?】

 いっしょに遊びに行ける場所には“トキワのもり”や“モエギそうげん”、“スオウじま”など、多種多様な景色が堪能できるロケーションが盛りだくさん。いろいろなイベントが用意されていたうえに、フシギダネやゼニガメを始めとする、ほかのポケモンたちとの出会いもあってワクワクしたはずだ。スイカ割りや釣りなどのミニゲームも楽しめたし、大いに盛り上がったんじゃないだろうか。ピカチュウと仲よくなれれば主人公の家でいっしょに暮らせるようになるのもうれしかった。

 強面の俳優、綿引勝彦さんが本作のテレビコマーシャルに出演していて、何ともミスマッチかつコミカルな姿を見せてくれていたのも印象に残っているんじゃないかな。

 また、最近では俳優の大和田伸也さんが、ご自身のYou Tubeチャンネル“大和田伸也の隠れ家”で『ピカチュウげんきでちゅう』を実況プレイしていたのも記憶に新しいところだ。

これまでの今日は何の日?