NCSOFTが2024年に全世界リリース予定のPC&コンソール向けの新作オープンワールドMMOTPS『Project LLL』。現実とは違う歴史をたどったSF世界を舞台に、シューティング×オープンワールド×MMOの3要素を融合するビックタイトルだ。
NCSOFTは『リネージュ』や『ブレイドアンドソウル』など、人気MMOを多数運営するオンラインゲーム企業。プレイ経験こそなくても、名前だけは聞いたことあるというゲームファンも多いだろう。
まだまだ情報の少ない『Project LLL』だが、2023年11月17日には最新のPVが公開。ゲームプレイやクリエイターの声を通じて、世界観や車両、ヘリ、ロボットといったビークルでの戦闘映像などがお披露目されている。
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2023年11月16日~19日に、韓国・釜山のBEXCOで開催された韓国最大のゲームショウ“G-STAR 2023”では、プレイアブルデモが出展。現地でのデモプレイを通じて本作の鱗片に触れてきた。なお、すべて韓国語のバージョンであったため、細かい点はわからないことはご了承いただきたい。
※記事後半の“スクリーンショット集”以前のゲーム画像や動画はスマートフォンで撮影しています。
※紹介する内容は開発中のもので、今後変更される可能性があります。
ディストピアな世界観がかっこいい
G-STAR 2023の中でも、最大規模のブースを構えていたNCSOFT。『Project LLL』エリアはその中の約1/3の広さ(他企業ブースひとつぶんくらい)を使った大規模なもので、本作の期待の高さがうかがえる。
今回のお目当てである試遊台は『Project LLL』エリアの2階にずらりと展開。その数はざっと50~60台ほど。また、MMOという性質上、試遊台がオンラインでつながっている模様。横1列の全員が同じエリアで遊べるようだった。
デモ版のプレイ時間は約15分。簡単なキャラクターメイキングを含むプロローグと、オープンワールドでの戦闘を体験できた。
ゲームの舞台となるのは、時系列の混迷によって壊滅した韓国・ソウルや10世紀のビザンティン帝国、さらには23世紀の未来などが混じり合う世界だ。デモ版オープニングムービーは静かな空間から幕を開ける。まさにディストピアと言わんばかりの不穏な空気が漂っているようだった。
言語能力の問題で会話の詳細こそ理解できないものの、演出の端々から物語を想像できた。ヒロイン(?)っぽい女性がなんでもない空間に仮想スクリーンを表示させたり、謎の建造物から“主人公を生成”したり、なんだったらヒロインっぽい女性の体に電子ノイズが走って“その場には存在しない人間”であることがほのめかされたり……。
兎にも角にも、とってもハイテクノロジーな世界であることをうかがわせる事象がつぎからつぎへと飛び込んでくるのだ。そのスピード感がおもしろい。
ムービーの途中には主人公の性別や外見、装備などを選択するキャラクターメイキングパートがある。今回は選択肢も少なく、簡易的なものであったが、本編ではもっと多くの選択肢が用意されることが予想される。
そして、キャラメイクを終えると、長方形の箱っぽい装置に入れられ、その箱が弾丸のように地面に空いた穴から射出! 空気を裂くように降下するとともに、いよいよゲームの本番が始まる。なんてかっこいい導入なんだ……。
広大な都市を戦場に戦友たちと戦う
空中で箱がパージされると操作可能に。
決められた出撃ポイントなどはなく、降下するキャラクターを操作しながら場所を定めて着地! ほかのプレイヤーたちもつぎつぎと着地し、周囲を取り囲む敵を射撃で掃討する光景が動き出す。めちゃくちゃテンションが上がる。
ある程度敵を倒して安全を確保したところで、いったん落ち着いて画面やシステムを確認することに。
基本の画面はTPS(3人称視点シューター)。銃のスコープを覗き込むと1人称視点のFPSに切り替わる。武器はメインウェポン2種とハンドガンの計3種類を装備。初期装備のメインウェポンはアサルトライフルとショットガンで、状況にあわせて切り替えたり、マップで拾った別の武器との交換もできるようだ。
ゲーム中にはいくつかの目標地点が設定されており、今回はその探索と制圧を目指す流れ。
すでに書いている通り、本作はオープンワールドタイプのゲームであり、30平方kmを超えるシームレスなマップが戦場となる。つまり、目標地点こそ指定されてものの、決められたルートはないため、右上のミニマップのアイコンからだいたいの位置を予測して、探索しながら道を開拓していくこととなった。
近代的な建物が立ち並ぶ都市は入り組み、ダンジョンのような様相を呈していた。建物と建物の間の路地を進むだけでなく、屋根に登ったり地下っぽいところを進んだりと、上下移動による立体感が奥行きを生み出す。まるで廃墟となった空間を探索するようで、移動中はわくわくの連続だった。
短時間のプレイだけでは敵の出現パターンは読み切れなかったが、どうやらランダムでポップする仕様のようだ。目標地点はもちろんのこと、探索中にありとあらゆる場所に出現する。
敵は人型だけどたぶん人でないナニカ。これといった特徴を持たない通常個体から盾や防具を持つ個体、やたら巨大な個体まで、多種多様な外見と能力で襲い掛かって来る。その度に迎撃し、ときには探索中の他プレイヤーと突発的な協力関係を築いて撃破していくのがたまらない。
行きずりのプレイヤーとの共闘は古きよきMMORPGにも共通する感覚だ。若いゲーマーからしたら斬新な体験かもしれない。
敵を倒したり目標を達成したりすると装備品がドロップ。各装備品にはレアリティが設定されているようで、よりスペックの高い武器をもとめて敵を倒していく、ハクスラ&トレハン的要素も楽しめそう。
装備は武器だけでなく、シュート、タクティカルギア、BCIという3種類のカテゴリも存在。時間の関係もあって今回は装備の詳細を調べることは難しかったが、前方にシールドを展開したり、敵の動きを阻害したりする装備は確認済みだ。グレネードのような投擲物もあった。ミサイルをぶっ放すような、戦術的に大きな変化を持たせる装備も用意されている模様。
これらは複数の選択肢からいつもで切り替え可能で、挑む敵や他プレイヤーの立ち回りにあわせて装備を考えるのも楽しそうだった。
約15分のプレイはあっという間で、最後は高層ビルを多数のミサイルが爆破してエンディング。PVで確認できたロボや車両をがんばって探してみたものの、辿り着けなかったのかそもそも配置されていなかったのか、見ることは叶わなかった。
しかしながら、見どころは多かった。近代的な街並みでの銃撃戦や探索はシンプルに魅力的。MMORPG的な他プレイヤーとの偶発的な出会いやそこから発生する出来事がおもしろく、本作の核となる部分を体験できたように思う。ユービーアイソフトの『The Division』的ともで言おうか。まだ全容が見えていないからこそなり期待したい点もあり、たとえばPvPなど、今回触れることができなかった要素も楽しみに正式サービスを待ちたい。
『Project LLL』は、2024年にPC/コンソール向けに全世界リリース予定だ。