『龍が如く7外伝』“桐生一馬”という男の生き様を振り返る。本作をより楽しむための知識や背景を解説＆判明している情報をおさらい

　セガから2023年11月9日に発売予定の『龍が如く7外伝 名を消した男』（PS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC（Steam）対応）。『龍が如く7外伝 名を消した男』では、伝説の元極道・桐生一馬のこれまで明かされていなかった空白期間が描かれる。そんな作品の理解度を深めるには、桐生の身やその周辺で起きた出来事を知っておくことが重要だ。そこで本記事では、本作の背景にまつわる知識を解説していく。

『龍が如く7外伝』を10倍楽しむためのバックボーンを解説！

バックボーン1 桐生一馬という男の生き様を振り返る

　シリーズ主人公として『龍6』までの作品に登場し、本作の主人公を務める桐生一馬。かつて桐生は、東城会直系堂島組に所属し、“堂島の龍”のふたつ名を持っていた。喧嘩はめっぽう強いが義理人情に厚い、古きよき極道。それが桐生だった。

　しかし、同じ養護施設で育ち、ともに“堂島組”に所属していた錦山彰が渡世の親である堂島宗兵を殺した瞬間から、桐生の人生は激動する。錦山の“親殺し”の罪を背負い刑期を終えた後、桐生は東城会の“消えた100億事件”に巻き込まれる。事件解決のため一時は東城会四代目会長を引き受けるも、すぐに引退。以来、元極道という身分ながら、裏社会の人間たちが巻き起こす多数の事件を、真っ直ぐな想いと拳で解決に導いてきた。そんな経緯から、桐生は裏社会で“伝説の龍”として知られていく。

　桐生は、そんな自身の存在が、親子のような絆で結ばれた少女・澤村遥の未来を曇らせることに気付き、一時姿を消したことも。しかし、極道としての因縁としがらみはどこまでも桐生や遥を追いかけてくる。『龍6』でのふたりは、周囲の人間を守るためにあがき、過去を振り払おうとする中で、広島の極道組織・陽銘連合会の陰謀に巻き込まれてしまう。

　その結果、かつて日本のフィクサーとして暗躍した政財界の重鎮・大道寺稔と、広島の裏社会の癒着の歴史をかぎつけた桐生。彼は大道寺に沈黙を強いられる身となる。警察組織すら動かす大道寺一派を敵に回せば、桐生ひとりでは遥たちを守りきれないだろう。そこで桐生は大道寺一派に、ある密約を持ち掛けた。それは、“桐生一馬の死”……。桐生は自身の死を偽装して完全な沈黙を保証することと引き換えに、遥たちに手出ししないと約束させたのだ。

バックボーン2 『龍が如く』の世界に登場する組織を知る

　桐生はこれまでにさまざまな事件を解決してきたが、それと同時に裏社会の勢力図も大きく変化してきた。ここでは、現段階で公開されている情報を頼りに、本作に何らかの影響を及ぼすことは間違いないと思われる、いくつかの組織について解説していく。これらを踏まえて本作のあらすじを読めば、新しい“ナニカ”が見えてくるかも？

東城会

　かつては30000人にも及ぶ構成員を抱え、神室町を牛耳っていた関東最大の極道組織。しかし、いくつかの事件で人もカネも失われ、国の締め付けもきびしくなり組織として弱体化。極道の行く末を案じた結果、六代目会長の堂島大吾は『龍7』で東城会を解散することを決めている。

近江連合

　東の東城会に匹敵する、関西の巨大極道組織。一部の勢力は1980年代から関東進出を狙っており、近江連合全体としても、東城会とは大抗争をくり広げたことがある。過去には、郷田仁、郷田龍司というカリスマが近江連合を牽引していたが、近年は八代目近江連合若頭を務める渡瀬勝が実権を握る。国による極道への締め付けがきびしくなり、思うように動けなくなったことは東城会と同様だ。

　ただし、東城会ほどは弱体化しておらず、2017年には東城会の拠点である神室町にまで進出した。しかし、これは東城会の堂島大吾と渡瀬勝の画策によるもので、その後両組織とも解散している。本作で描かれるのは解散前の話だ。

渡瀬組

　近江連合直参渡瀬組は、八代目近江連合若頭も務める、渡瀬勝が組長の組織。近江連合から“関西の龍”こと郷田龍司がいなくなった2010年代ごろからは、近江連合の武を担う組として活躍してきた。

　渡瀬はかなりの武闘派極道であり、関西最強の男として知られた人物。武闘派ながら頭が切れ、義理人情に厚いこともあり、近江連合の新たなカリスマとして若頭まで出世した。なお、本作時点では渡瀬は刑務所に収監中。

鬼仁会

　鬼仁会は、1980年代に近江連合を支えた極道組織。当時会長を務めていたのは西谷誉という男だ。西谷の器量は相当なものだが、とにかく己の欲望に忠実で、まさにトラブルメーカー。しかし、西谷に惚れた組員たちの支持によって、鬼仁会は組織としての命脈を保ってきた。

　なお、彼の強烈な個性は、若き真島吾朗に大きな影響を与えている。1990年代に入って以降、鬼仁会がどうなったかはこれまで語られていない。

大道寺一派

　すでに死去した大道寺稔の息がかかった者たちで構成された組織。旧帝国海軍将校を経て政財界に入った大道寺は、その才覚を使って、自身とつながりのある人物が有利になる法案をいくつも押し進めてきた。同時にそれが巨額のカネを生み出し、いつしか昭和のフィクサーとしてすさまじい権力を持つようになった。

　そんな大道寺の意思を精神的支柱とするのが大道寺一派という組織。大道寺の死後も闇の組織としての活動は続いている様子だ。かつて“尾道の秘密”を暴いた桐生は、大道寺一派の力を使ってその死を偽装。さらに、同組織のエージェントとして働いていることが、『龍が如く7外伝』のファーストトレーラーにより判明した。

バックボーン3 現段階で判明している『龍7外伝』の物語

　大前提として、本作は『龍6』で存在を消した桐生が『龍7』で同作主人公の春日一番の前に姿を現すまでのあいだ、何をしていたかがわかる作品となっている。その前知識に加え、現時点で明らかになっているあらすじは以下の通り。桐生の新たな生き様はもちろん、彼が裏社会の呪縛から逃れられるかという点についても注目していきたい！

あらすじ

　「浄龍」のコードネームを与えられ、大道寺一派のエージェントとなった桐生は、任務として横浜港の金塊密輸取引現場へ駆り出される。

　それは、大道寺の小遣い稼ぎに過ぎない、ごく簡単な任務のはずだった。

　東城会四代目にまでのぼりつめた元極道ゆえ、大道寺のエージェントの中でも浮いた存在になっていた桐生は、周囲にひかえる同僚たちのからのやっかんだ挑発に、なかば捨て鉢に力を振るってしまう。

　桐生が人生に感じる空虚は、ますます色濃いものになっていくばかりだった。

　そんな中……現れたのは謎の一団。

　外部の者が誰ひとり知るはずのなかった取引は中止を余儀なくされ、混乱のさなか、奇遇にも謎の一団は桐生一馬の生存を嗅ぎつけてしまったようだった。

　そのまま現場から姿を消した彼らを放っておくわけにはいかない。かくして世を捨てたはずの桐生一馬は、ふたたび裏社会の渦中へ足を踏み入れていくのだった……

バックボーン4 『龍7外伝』に登場する人物について深掘り

　詳細はまだ明らかにされていないが、本作に登場し、桐生の人生に関わることになる5人の重要人物たち。彼らのプロフィールが更新され、ほんの少しだけ彼らの背景やパーソナリティー、物語への関わりかたが見えてくるようになったので、チェックしておこう。

獅子堂獅康生（ししどうこうせい）

　八代目近江連合の跡目・渡瀬勝が率いる渡瀬組は、最強の武闘派集団。その若頭補佐である獅子堂は、恐怖で周囲を圧倒し、人を従わせることに長けた男だ。剛腕にものを言わせ、相手の生死に頓着せず凶器を振るう。

「俺に勝ちたいんやったら、殺さな終わらんで。タマの取り合いにルールなんぞありゃせんのや!!」

鶴野裕樹（つるのゆうき）

　渡瀬組のナンバー2である若頭の鶴野は、その忠誠心だけでなく、執拗な粘り強さと緻密な計画性、大胆な実行力で組長不在の渡瀬組を支えている。鶴野が二重三重に張り巡らせた罠は、確実に桐生への包囲網を狭めていく……。

「なんぼとぼけたって無駄やで。俺は命じられた仕事を完了させるだけや。」

赤目（あかめ）

　大阪は蒼天堀を根城にするなんでも屋の女性。裏社会にも通じており、街中にくまなく張り巡らされた“赤目ネットワーク”で、どんな些細な情報も見逃さない。特定の人物を“とある場所”に導く、窓口としての役割も担っている。

「ほんまジョーリューはウチがおらんと何もできんなぁ。」

三代目 西谷誉（さんだいめ にしたにほまれ）

　異例のスピードで鬼仁会会長を継いだ若き極道。西谷誉の名も継ぐだけあって妖艶な外見とは裏腹に激しい狂気を秘めており、強者との命のやり取りを何より好むという破壊的な衝動を持っている。近江連合の幹部としては、渡瀬と並び立つほどの実力者。

「お前の名前はそんなんじゃねえだろぉ？……お前は、死んだはずの男だ。」

花輪喜平（はなわきへい）

　大道寺一派の管理者であり、いまの桐生一馬にとっては唯一と言える外の世界との接点。桐生に対してはあくまでエージェントの管理者として接する態度に徹しており、血の通った交流はない。かつて“伝説の極道”と称された桐生に対してもひるむことなく、小言を言える。

「次の仕事が入りました。“コードネーム浄龍”としてのね。」