タブレット界で一大勢力となっているAmazon Fireシリーズ。その最新モデルとして登場した『Fire Max 11』のレビューをお届けします。

 価格は本体のみで64GBモデルが34980円[税込]、128GBモデルが39980円[税込]。スタイラスペン付きで3万8980円[税込]~、スタイラスペン+キーボードカバー付きなら4万7980円[税込]~となっています。

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『Fire Max 11』レビュー

ペン入力はちょっと反応が遅いけど実用性は十分

『Fire Max 11』レビュー。ペン入力やキーボードカバー、スペックや使い勝手をチェック

 Made for Amazon認定スタイラスペンは、ペアリングが不要で、筆圧検知は4096段階。スタイラスペンペンを使っているときは指で画面に触れてもタッチ認識しないパームリジェクション機能も備えています。

 乾電池式でペン後部のカバーを外し、単4電池1本を入れたら即操作可能となります。Fire Max 11にスタイラスペンを近づけると認識して、ペン操作のチュートリアルが始まります。

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 Amazonアプリストアからインストールできる無料ペイントソフトのMediBang Paintを使ってみました。iPad + Apple Pencil環境と比べると、わずかにレスポンスの遅れを感じます。筆者は普段から液タブを使ってイラストを描いているような身ではないためにあまり気になりませんでしたが、速筆な絵師の方だと違和感を覚えるかもしれません。

『Fire Max 11』レビュー。ペン入力やキーボードカバー、スペックや使い勝手をチェック

 Fire Max 11に最初からインストールされているピクチャーの編集機能を用いて文字を書いてみました。こちらもペンを動かすと、やや後から線が描かれる感じ。でも、緻密な描写をするわけではないので個人的には気になりませんでした。

『Fire Max 11』レビュー。ペン入力やキーボードカバー、スペックや使い勝手をチェック
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なおスタイラスペンにはマグネットが入っており、Fire Max 11の側部または下部につけて持ち歩けますよ。

映像のクオリティーが高く見やすいが音質は……

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 11インチという画面サイズとなったFire Max 11は、Primeビデオなどで映像を見るデバイスとしても適しています。スマートフォンの画面とは段違い。Fireシリーズの他モデルと比較しても、ダイナミックさを感じます。

 運びやすいサイズ感でもあります。また重量は本体のみで490g。片手で持つとやや重く感じるものの、両手で持つにはちょうどよし。

 ディスプレイパネル解像度は2000×1200ピクセルです。バッテリー容量は7500mAh。試しにパネル輝度は100パーセント、自動低消費電力モードをOFFにしてPrimeビデオで動画を再生したところ、5時間で90パーセントほどのバッテリー容量を消費しました。最大14時間使えるという公称のバッテリーライフとは差がありますが、短いとは感じません。

 映像の品質は良好です。色にじみはなく、全域にわたってシャープな描写。YouTubeなど画質設定が可能なアプリであれば、2000×1200ピクセルの解像度が活かせる2160p以上の解像度のコンテンツも再生できます。
 
 リフレッシュレートは非公開ですが、30fpsのように見えますね。スポーツの試合など、動きの激しいコンテンツはやや苦手といえそうです。

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 アルミフレームで覆われた筐体の上部にDolby Atmos対応のデュアルステレオスピーカーを内蔵。横位置で見ているときに映像の音声は大きく広がる……のですが、低音域が弱い。映像内の役者の声を引き立てようとしているのか、高域を強調しているセッティングとなっています。
 
 喋り声が中心となるニュースやバラエティのコンテンツを見ているぶんにはいいのですが、楽器の音が入ると低域不足と高域のピークが目立ってしまう。フルボリュームでの再生は音が割れているという印象があるのでおすすめしません。

キーボードのタイプ感は良好! 良好!

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 Fire Max 11のキーボードカバーは、本体背面につけるカバーと、下部につけるキーボードカバーの組み合わせ。背面のカバーは自立させるためのスタンドともなります。

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 背面カバーとキーボードカバーもマグネットで固定されます。磁力は強すぎず、弱すぎず。普通に使っているぶんには外れにくいし、手で引っ張れば簡単に外れます。

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 11インチサイズとなったこともあり、キーのレイアウトは余裕があります。さすがに右下に位置するカーソルキーは小サイズですが、押しにくいという印象はありません。キーストロークの深さも許容範囲。やや柔らかめの打鍵感で、長文を入力しても疲れにくい。レポート作成用にも使いたくなりますね。

リーズナブルな万能機として頼れる存在

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 スペック面では通信はWi-Fi6に対応し最大2.2Ghzでのワイヤレス接続が可能になった。CPUは4GBのRAMオクタコアプロセッサを搭載。Fire HD 10 Plus比で約50%高速化が実現されているとのこと。

 なおFire Max 11の処理能力をGeekBench 5で計測すると、シングルコアスコアが855、マルチコアスコアが1904でした。同価格帯のAndroidタブレットよりは良好。遅い・重い、という印象を払拭させるパワーがあります。

 それでも現行のiPad Air(シングルコアスコアが1676、マルチコアスコアが5946)と比較すると、大きな差があります。生産性の高さを、現実のペンで描くようなハイレスポンスを求めるのであれば、高価なデバイスを手に入れたほうがいいかもしれません。

 800万画素フロント/リアカメラが装備されておりZoomなどのオンラインミーティングもOK。動画も電子書籍も見やすく、デジタルコンテンツを接種したくなるディスプレイも持っている。Zoomしながらブラウザ等を操作すると重さを感じますが、基本的にシングルタスクで使うなら十分なCPU性能も持ちます。

 あらためて記しますが、スタイラスペン付きで3万8980円[税込]~、スタイラスペン+キーボードカバー付きなら4万7980円[税込]~という価格は、かなりリーズナブル。オプションが多いAndroidタブレットやChromeBookなどのライバルと比較しても魅力が多い、リーズナブルな万能タブレットですね。

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