2023年3月30日、コーエーテクモゲームスより発売されるNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、PC(Steam)向け競馬シミュレーションゲーム『ウイニングポスト10』。

 プレイヤーはオーナーブリーダー(馬主兼生産者)となって“愛馬とともに歴史を紡ぐロマン”を追体験していく。その最新作となる本作では、グラフィックや演出を一新し、リアルとゲーム表現を融合、レースシーンの臨場感が大幅にアップしている。さらに“馬の個性”や“競馬の歴史”を表現する新システム“ウマーソナリティ”および“史実調教”を搭載。さまざまな面からリアルを追求した競馬世界が楽しめる。

 本記事では、同作のプレイレビューをお届けする。

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リアリティーを追求したシリーズ最新作。シナリオは7つ!

 シリーズ30周年を迎えた競馬シミュレーション『ウイニングポスト』。競馬ゲームは数あれど、その最大の特徴と言えばシミュレーションゲームらしいデータ、設定の細かさだろう。現在では、中央競馬に限れば現実とほぼ同様の番組(レース)編成(※祝日絡みなどの週3回開催は実装されていない)、国内外の豊富な繁殖馬(種牡馬+繁殖牝馬)、調教師に騎手と、初めてプレイするとそのボリュームに圧倒される。

 プレイしていれば、自然と条件戦や特別レースにも詳しくなって、リアルで競馬を楽しむときにものすごく役に立つ。逆もまたしかりで、リアルで競馬をたしなんでいる人にはゲーム内で再現されている要素があまりに多くて、事あるごとにそのリアリティーが“刺さる”のである。

 そして本作では、ビジュアル面やシステム面でもさらなるリアリティーの強化が行われている。3Dモデルが一新され、レース中のカメラワークはテレビの競馬中継を超えた視点(その名も“ドラマチックカメラ”!)が楽しめるようになっているほか、競走馬の内面的な“個性”に着目した新システム“ウマーソナリティ”や日本の競馬史におけるさまざまな技術革新も“史実調教”という形で実装されているのだ。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます
『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます

 とは言え、ゲームの流れそのものは従来の『ウイニングポスト』シリーズと変わらない。強いて言えば、ウマーソナリティを活用しようとするとちょっとプレイ時間が長くなるくらいであろうか。

 前置きが長くなったが、そろそろゲームプレイの紹介に入ろう。本作で選択可能なシナリオ(開始年)は7つ。2024年(未来が舞台となる仮想シナリオ)以外は史実馬との戦いとなる。

 今回は前作『ウイニングポスト9 2022』で追加された最古の開始年がさらに3年さかのぼり、1973年開始の新シナリオが登場している。稀代のアイドルホース、ハイセイコーが活躍し“第1次競馬ブーム”を巻き起こした時代である。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます

 そのほかは

  • “皇帝”シンボリルドルフがクラシック三冠を達成した1984年
  • メジロマックイーンが飛躍した1991年
  • スペシャルウィーク、グラスワンダーなど“黄金世代”が活躍した1998年
  • ディープインパクトが日本競馬を席巻した2005年
  • オルフェーヴルやジェンティルドンナなど覇者たちが競演した2012年
  • 未来の競馬史が描かれる2024年

といったシナリオが用意されている。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます
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 本作では、シナリオ選択時にカーソルを合わせるだけで説明のナレーションが流れるようになった。おかげでどういう時代なのかがわかりやすい。個人的には、ライバルが比較的手薄な1973年、1991年あたりが初心者にはオススメかなと思う。1984年、1998年、2005年の古馬戦線も戦いやすくはあるが、すぐに下の世代のスーパーホースが台頭してきて泣かされるハメになるので、ゲームに慣れるまではなかなかたいへんだ。

ウマーソナリティの活用で一流馬が超一流馬に

 ゲームが始まると、まずは3歳か古馬、いずれかの現役馬を1頭有償で譲ってもらえる。いずれも史実で活躍した馬なので、選ぶ前に史実ではどんな戦績を収めたのかを調べてみるといいかもしれない。

 筆者は1973年シナリオで開始して、3歳馬のイチフジイサミを選択。史実では天皇賞(春)やオールカマー、日本短波賞(現在のラジオNIKKEI賞)と3つの重賞を勝利している。同期にはハイセイコー、タケホープといった怪物たちがいるので、古馬になってからが勝負である。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます

 初戦までは何もできることはなく、しばらくはチュートリアルのような感じでゲームは進む。話題の新要素、史実調教もすぐに実行可能になった。これは条件を満たすともらえるもので、一度入手したら何回でも使用できるが、毎月決められた回数(最初は1回)しか使えず、同じ史実調教を同時に複数の馬に実行することはできない模様。能力の成長や、大成功時に馬との信頼も深まるなどメリットが大きく、かなり使い勝手がいいという印象である。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます

 3歳馬か古馬かで変わってくるが、3歳馬なら共同通信杯が初戦となる。そして残念ながら2着に敗れ、さっそく無敗の三冠馬への道が潰えた。初戦で難易度NORMALだろうが容赦なく負かしてくるのが『ウイニングポスト』なのである。ちなみに、史実では1973年当時は“グレード制”はまだ導入されていなかったが、ゲームでの番組は2023年の最新版が採用されている。

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 初戦が終わると、自分でレースや騎手の選択ができるようになる。そこからは遠慮なく調教師に口出ししまくることに。勝てそうなレースに、勝てそうな騎手を乗せて出すのだ。経営が軌道に乗るまでは、若手を育てるなんて悠長なことは言っていられない。

 それでトップジョッキーたちを物色していると、それぞれ“得意ウマソナ”なる能力を持っていることに気付いた。ウマソナ=ウマーソナリティは今回の新要素でもあるし、ちょっと注意しておきたい……というわけで、イチフジイサミのマイナスウマソナである“詰めが甘い”が得意で、プラスウマソナの“剛腕○”にも対応している美浦の佐川俊夫騎手を起用してみることにした。

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 短所をカバーしつつ長所を伸ばす、完璧な采配である(自画自賛)。さらに、いきなり強力すぎるライバルたちとぶつけては勝てるレースも勝てず、成長に繋がらないということで、極力強敵を避けて通るチキン戦術でレース選びをすることにした。

 まずは賞金稼ぎでリステッド競走のすみれSに出て、勝てなさそうな皐月賞はスキップ。青葉賞→日本ダービーというローテーションで挑んだのである。残念ながらダービーは2着に終わったものの、すみれSと青葉賞は目論見通り勝利でき、うまく経験を積ませることができた。しかも、勝利時に新たな“特性”もゲット。

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 特性はレース時に発揮されるスキルのようなもので、あればあるほど有利に働く。また、本作では敗戦しても経験は獲得できるが、格下のレースでも勝利したほうが経験の獲得幅は大きいので、それを狙っていくのが定石となる。

 リアルでも、大レースで惜敗続きの馬よりも裏ローテで連勝を重ねてきた馬のほうが強そうに感じるし、実際勝つことが多い。そんなところにもリアリティーを感じながらゲームを進めていった。

 また、史実調教では馬の特徴やウマソナに合わせたメニューを選んであげることで“大成功”しやすくなるのだが、大成功すると能力はたくさん上がるし信頼度もアップする。1回あたりではそんなに大きな差にはならないが、積み重ねていくと徐々に効果が感じられるようになる。

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 秋はハイセイコー&タケホープを避けて神戸新聞杯から始動。その後の菊花賞は3着に惜敗してしまったが、神戸新聞杯とその直後のアルゼンチン共和国杯に勝利して経験を重ね、着実にイチフジイサミの能力を上げていく。そして2年目に僕の我慢は実を結び、一気に飛躍していくことになる。

 春は天皇賞に敗れたものの、日経賞、鳴尾記念と勝てそうな重賞を勝ち、宝塚記念は2着。すると、秋にはようやくハイセイコー&タケホープも衰えてきたのかついに天皇賞でGI初制覇に成功する。さらにジャパンCも勝ってGI2連勝。馬は成長、資金もドバドバ、ついに春が来た。最終的には5歳まで走ってGI7勝である。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます
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 さらに、初年度に2歳馬としてもらったタカエノカオリも“甘えん坊”のウマソナや異常に狭い適性距離(1600~1800メートル)にできるだけ配慮したローテーションを組んで対応した結果、なんとデビューから連勝を重ね阪神JF、桜花賞、NHKマイルC、マイルCSなどマイルGIをつぎつぎと勝つことに成功する。

 タカエノカオリはもともとスピード能力はCしかなく、GIでギリギリ勝負できるかどうかというクラスの馬なのだが、レース選択と育てかたがうまくいったおかげで、4歳いっぱいで引退するまでにGI7勝という超名馬に育った。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます
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 愛馬に寄り添ったレースや騎手選び、史実調教を続けていくと、最終的には能力もハッキリと上がる。以下は3歳冬と5歳冬のイチフジイサミ。左下のチャートのオレンジ色が成長した部分である。手塩にかけて育てた成果がこれだけ出てくれると、じつに気持ちがいい。愛着もひとしおだ。

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 また、勝利すると“コースポ”で記事になったりランキングに入ったりする。それらを眺めて「ムフフ」とほくそ笑むのも本作の醍醐味である。

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迫力のレースシーン。“勝ち確”演出はある!?

 また、本作ではビジュアル面が大幅に進化している。馬や競馬場の3Dモデルが一新され、さらにレース中の視点に“ドラマチックカメラ”が追加された。メイン画面での牧場の光景も作り直されていて、シリーズファンには驚きをもって迎えられているという。

 まずはレースシーンから。従来とは異なり、1頭1頭毛色だけでなく大きさや動きが微妙に変わっている。また、筋肉の動きやたてがみ、尻尾のなびきかたもダイナミックで(物理演算を入れているらしい)、かなりテレビの競馬中継に近づいていると言っていい。

 一方で、新視点としてドラマチックカメラが導入されている。基本的には従来の実況カメラに、場面によって寄りやアオリ、止め画のような演出が入ることとなる。最後の直線でスパートを開始した愛馬に“寄り”の画が出てくると「これは勝ち確!」と思ってしまいそうになるが、じつは関係ないらしく、無情にも負けたりする。

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 ドラマチックカメラ発動の条件は、距離や特定の条件(スパートを開始する、など)を満たすことらしい。とくに寄り、アオリの視点は、本来ならカメラが入り込めない角度で描かれていて、リアルを超えた表現と言える。

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 なお、特別な視点になってもレースの進行が止まることはないので、レース時間自体は通常通りということになる。とにかく迫力があって、さすがに毎回毎回観るのは飽きるが“ここ一番”のレースで観戦すると、気分は盛り上がる。

序盤はこの馬を買え!

 また、話は戻って、3月になると他牧場の繁殖牝馬や幼駒を購入可能になる。その際、リストに“お守り”マークがついた馬は史実で大活躍した馬、もしくは大活躍する馬を産む可能性がある馬を示している。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます

 お守りの価値は虹>金>銀>銅>緑の順番で高い。序盤で金のお守りつきの馬を手に入れると、GIをバンバン勝ってくれてプレイが一気にラクになるので、狙っていきたいところだ。

 1973年開始シナリオでは、

<繁殖牝馬>
1973年3月に購入する場合

  • (金)ソシアルバターフライ → 1973年4月にトウショウボーイを産む
  • (金)ワカクモ → 1973年4月にテンポイントを産む
  • (金)ダーリングヒメ → 1973年4月にグリーングラスを産む
  • (銀)ダイニトモコ → 1973年4月にテイタニヤを産む

1973年5月以降に購入する場合

  • シル → 1974年4月にマルゼンスキーを産む

<幼駒>
1973年に購入する場合

  • (金)カブラヤオー
  • (金)テスコガビー

 あたりの馬がオススメ。1頭選ぶのであれば、目先の収入重視ならカブラヤオー、将来性も考えるならTTG(トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス)のいずれか、もしくは種牡馬としても絶大な収入が期待できるマルゼンスキーを押さえておくのもありかもしれない。

『ウイニングポスト10』レビュー。ウマーソナリティの導入で、愛馬を手塩にかけて育てる楽しみが倍々に! 序盤のプレイのコツも教えます
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 なお、本作では体験版のセーブデータがあると特典として金のお守り1個をもらえる。さらに前作『ウイニングポスト9』シリーズのデータがあると金、銀、銅、緑のお守りが3個ずつもらえるといった特典もある(体験版との重複可)。これらがあるとないとで序盤の難易度が天と地ほど変わってくるので、是が非でも入手しておきたい。

 お守りについては、大きなレースを勝ったり、年末に表彰されたり、好成績を残して引退後に殿堂入りしたりすると入手できる。ゲームが軌道に乗って、活躍馬を同時に3頭も4頭も持てるようになると一気に稼げるようになるので、あまり出し惜しみせずに使っていくといい。

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 また、5月には種付けができるようになる(5月に失敗した場合には6月にリトライ可能)。『ウイニングポスト』シリーズは、つねに最新の配合理論を取り入れるようになっていて、古くは“ニックス”、今回ではアーモンドアイの初仔(父エピファネイア)で注目された“母系インブリード”という要素が実装されている。配合を考えるこの時期は、血統マニアにはたまらないひとときとなるだろう。

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 種付けの際、総合評価に☆マークがついた配合からは史実馬が誕生する。ただし、史実馬でも必ずしもスーパーホースになるわけではないので、もっと有望な配合理論(評価Aとか爆発力30以上とか……)が組める場合はそちらを優先したほうがいいこともある。

 ほかにも、8月1週には幼駒セール、10月1週には繁殖牝馬セール、12月3週には海外トレーニングセール(海外産の幼駒を購入可能)と、有力馬を入手するチャンスとなるセール(セリ)が開催される。もっとも、序盤では資金に限りがあるので、高騰しがちなこれらのセールにはあまり積極的に参加する必要はないかもしれない。

 初期馬で稼いだ資金は、おもに牧場の強化に使うことになる。

 牧場にはさまざまな施設があり、ひとつひとつはそれほど大きな効果はないが、最大まで強化したり、スタッフを配置することで効果を感じられるようになる。ウマーソナリティや史実調教と同じである。

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 施設建設には資金も期間も大量にかかるので、数年では難しい要素だが、少しずつでも牧場が充実していくのを見ているのは楽しい。また、いつのまにか牧場長も成長していたりして、時間が掛かるぶん感動も大きい。

 そのほか、実績を重ねていくと新たな史実調教が手に入ったり、知人が増えたり絆が深まったりと、ひんぱんにイベントが起こっていく。『ウイニングポスト』は何十年もプレイを重ねていくことが前提のゲームだが、飽きさせない工夫がそこかしこに盛り込まれているのがうれしい。10年くらいプレイすれば、海外牧場の設立や結婚などもできるようになる。

 優秀な馬を買ったり牧場施設を充実させるなど、やることは山ほどあるが、何をするにも先立つもの=お金が必要なのは現実と同じ。きびしい資金ぐりと向きあいつつ、ロマンを追い求めていく。そんなリアルな競馬ライフを『ウイニングポスト10』で楽しんでほしい。

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