THQ Nordicより発売のプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC（Steam）向けソフト『MX vs ATV Legends』。
本作は、MX（モトクロスバイク）、ATV（バギー）、UTV（オフロード車両）を乗りこなし、広大な世界を舞台にしたオフロードレース競技に参加するタイトルだ。没入感を高める精密な操作、森林や山地、砂漠など雄大な自然の中をレースするスケールの大きさをはじめ、レースゲームファン必見の内容となっている。
今回、そんな『MX vs ATV Legends』のプレイステーション5版をプレイする機会を得たので、プレイレビューをお届けしていこう。
なお、『MX vs ATV Legends』はXbox Series X|S版とXbox One版がダウンロード専売で2022年6月28日発売、PC版も同じくダウンロード専売で6月29日発売、プレイステーション5版とプレイステーション4版がパッケージ版とダウンロード版で、7月7日発売となる。
圧倒的な没入感を与えるバイクの操縦
本作で操縦できるのは、MX（モトクロスバイク）、ATV（バギー）、UTV（オフロード車両）の3種類。スポーツカーといった自動車などはなく、コースもバイクでの走行に適した険しい場所が多く登場している。
基本的な操縦方法については、レースゲームのプレイ経験がある人なら迷うことはないだろう。プレイステーション5版だと、R2でアクセル、L2でブレーキ、R3、L3を押すことでギアチェンジができる。Lスティックを動かせば車体の向きを変えることができ、ハイスピードを出してから空中で3回転、ウィリー走行といったスタントアクションも実現可能。
これらの操縦の中で、レース中の没入感を高めてくれるのがバイク、ライダーの重心移動。本作ではLスティックでバイクの操縦をしつつ、Rスティックを動かすことでライダーの身体の向きも変えられる。
この操作がとにかく重要で、バイクと併せてライダーの身体も傾けることでカーブをスムーズに曲がれるようになるのだ。L、Rスティックを必要なぶんだけ傾け、減速せずにカーブを曲がり切ったときの絶妙な心地よさがレースのおもしろさを何倍にも引き上げてくれる。
カーブだけでなく、着地時の車体の向きなども丁寧に調整しなくてはならない。とくに高くジャンプした後は、着地の衝撃をできる限り少なくしないとスピードが落ちるだけでなく、ライダーが投げ飛ばされることも。
ギアチェンジやライダーの姿勢制御、着地時の衝撃緩和など、精密な操作により高度なレースが楽しめるのが『MX vs ATV Legends』の魅力。しかし、プレイを始めたばかりだとこれらの操縦は難しく感じる人もいるかもしれない。実際に筆者はプレイ当初は加減がわからず、何度もバイクから投げ飛ばされていた。
しかし、一度コツをつかむと自分でバイクを操縦している感覚が強くなり、圧倒的な没入感を与えてくれる。コントローラーを手にしながら、バイクのハンドルを握っていると錯覚するほどの心地いい操作性だ。うまく操作すればそのぶんスピードも上がるため、慣れれば慣れるほどレースが楽しくなる。
この気持ちよさは実際にプレイしてみないと伝わらないので、レースゲームやバイクが好きな人にはぜひ自分でプレイして実感してみてほしい。
キャリアモードでファンを増やして多彩なレースにチャレンジ！
本作のメインモードは、さまざまなレースに参加してファンや資金を稼いでいくキャリアモードだ。キャリアモードではプレイヤーがプロライダーとして、協議開催スケジュールに沿ってレースに参加していく。
最初のチュートリアルではMXを進めることになるが、後からATV、UTVのキャリアモードだけを進めてもオーケーだ。基本的な操作方法は変わらないが、ATVとUTVもそれぞれ魅力があるので、好きなマシンに乗ってレースに参加しよう。
ATVの操縦はほとんどバイクと変わらないが、四輪になったことでやや安定感が増している。ジャンプからの着地や急カーブでの転回など、高度なアクションでも振り落とされる心配がないため、バイクよりもやや操縦難度は低い。バイクでの操縦が難しく感じた人は、先にATVのキャリアを進めて操縦に慣れていくのもよさそうだ。
UTVはよりパワフルで、こちらはライダーの操縦（Rスティック）が要求されないぶんATV以上に操作が簡単だった。ギアチェンジもほぼオート任せで進めるため、のんびり走りたいときにはとくにオススメだ。
バイクと同じコースも走れるため、細い一本道で大量のUTVが衝突しながら進んだりと、UTVならではの光景を見られるのもポイント。多少横転したり、ひっくり返ったとしてもリカバリーの効くパワフルな機体なので、対戦相手にガンガンぶつかりながら1位を目指そう。
そして、これらの機体での操縦をより楽しくしてくれるのが、多彩なコースの数々だ。マシンの性能だけでなく、プレイヤーのテクニックが大きく影響するされるやり応えのあるコースが豊富に用意されている。カーブやジャンプに失敗すればすぐに失速するため、最後の最後まで油断はできない。
ジャンプポイントがいくつも用意されたスタジアムでのレース、山脈の中の洞窟を通って走る険しい道などコースのバリエーションも豊富だ。整備されていない道を走る大自然でのレースは、とくにやり応えを感じられた。
大自然でのレースは、同じコースを何周かするのではなく、崖を降りながら山を進んで山頂を目指したり、岩だらけの荒野を走ったりと目まぐるしく景色が変わるので退屈しない。ただ1位を目指すだけでなく、目的地にたどり着いたという達成感を得られるのがレースの魅力だ。
周囲の風景も含めてハイグラフィックスで描かれているため、走りながら景色を眺めているとそれだけで楽しめるだろう。
レースではないが、プレイヤーが自由に走って楽しめる場所も用意されているので、気分を晴らしたいときはただ走り続けるのもアリだ。
キャリアモードを進めると資金やファンだけでなく、新たなパーツを入手したりスポンサーがつくこともある。スポンサーも自由に選択可能で、自分の好きなようにキャリアを描いていくことが可能。
選んだスポンサーによって衣装やパーツなどが支給されるため、スポンサーのロゴを背負って華麗な走りを見せよう。
また、本作ではキャリアモードや各種対戦モードで活躍するライダーの服装や、バイクの外見なども自由にカスタマイズできる。
衣装やパーツはスポンサーがつくことで入手できるほか、資金を使うことで購入することも可能。レースで見事3位以内に入れば、表彰台でライダーの姿も大々的に映し出されるので、衣装にもこだわりたい。
そのほか、マシンはチューニングによって大幅な性能アップも可能だ。エンジンやタイヤ、シャーシなど各パーツを好きなようにチューニングして、自分好みのマシンに仕上げられる。
性能とは関係なく、シートやサスペンションの外見も変更できるのだが、これらのパーツには実際のオフロードマシンメーカー製の物も含まれていた。オフロードファンにはうれしい仕様なので、好きなようにバイクを改造してみよう。
キャリアモードを進めれば新しいコースはもちろんのこと、資金を貯めて新たなバイクやUTVを買ったりといくつもの楽しみが待っている。エキシビジョンモードで好きなレースをすぐに遊ぶこともできるので、好きなマシンを手に入れたらお気に入りのコースを走り回してもよさそうだ。
そのほか、本作にはフレンドといっしょにフリーライドをするモードや、最大16人でのオンラインレース、画面分割でのふたり対戦などマルチプレイ要素も充実している。マシン性能だけでなくプレイヤーの操縦が大きく影響する本作なら、マルチプレイで白熱したレースが楽しめるはずだ。
大自然の美しい景色、心地いいバイクの操縦など魅力が詰まったレースゲームに仕上がっているので、オフロードレースが好きな人には強くオススメしたい。
MX vs ATV Legends
- 発売元：THQ Nordic
- 開発元：Rainbow Studios
- 対応機種：プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC
- 発売日：
- Xbox Series X|S、Xbox One／2022年6月28日発売
- PC／2022年6月29日発売
- プレイステーション5、プレイステーション4／2022年7月7日発売
- 価格：
- Xbox Series X|S、Xbox One／5200円［税込］
- PC／5170円［税込］
- プレイステーション5、プレイステーション4／5170円［税込］
- ジャンル：レース
- CERO：12歳以上対象
- 備考：Xbox Series X|S、Xbox One、PCはダウンロード専売
