剣と魔法のVRMMOにいざ参らん
『Zenith: The Last City』(以下、『Zenith』)は2022年1月28日にリリースされたVRMMOです。クラウドファンディングで約28万ドル(約3000万円)を調達しリリース直後には、多くのサーバーが定員オーバーとなり想定を上回る話題を呼びました。SteamVR(3090円)、Oculus Store(2990円)にて配信しています。
執筆時点においては、英語対応のみとなっていますが、SteamVR向けに有志の翻訳ツールなども配布されており、こうしたツールを活用することもできるでしょう。
『Zenith: The Last City』Steamサイト 『Zenith: The Last City』Oculus Storeサイト Meta Quest 2の購入はこちら (Amazon.co.jp)まず『Zenith』の世界設定などをご紹介しましょう。大災厄の再来を防ぐため、魔物たちと戦う王道の剣と魔法の世界を舞台としています。
その世界でプレイヤーはおもに剣で戦う“Blade Master(ブレードマスター)”、魔法で戦う“Essence Mage(エッセンスメイジ)”のどちらかの役職を選び、冒険へと出ることとなります。
役職にはそれぞれに追加のロール設定があり、そこで“攻撃型”や“援護型”などの属性を選べます。
“Blade Master”は、標準で両手に剣を持っている二刀流の剣士。
両手コントローラーを自由に動かすVRならではの楽しみかたができるのが魅力です。実際にコントローラを振る速度や当てるタイミングで攻撃力も変わってくるため、身体性を伴う操作感が楽しめます。
一方で、“Essence Mage”は魔法職。
コントローラーのグリップでチャージをしてから発射する魔法弾(遠距離攻撃)と、コントローラー操作と動きで発動する魔法スキルを組み合わせて戦います。
本当に他人がいる!プレイヤーどうしのつながりを実感したプレイ1日目
これまでオンラインマルチプレイなVRゲームとして『ソード・オブ・ガルガンチュア』や『Phasmophobia』がありましたが、最大4名程度。普段から『VRChat』などのソーシャルVRで数十人単位の人と交流を楽しんでいる筆者のようなユーザーからすると、ゲーム内で少人数としか交流できないのはもったいなく感じてしまいました。
もっといろんな人と遊びたいな。せっかくVRでゲームをするなら、友人とワイワイ遊んだり、なんならその空間上で新しい友人を作ったり、MMORPGみたいなことができるようにならないかな。などと、妄想をしていたころに現れたのがこのVRMMO『Zenith』です。
このゲームを語る上でまずお話したいのはアニメ化もされたライトノベル作品『ソードアート・オンライン』(『SAO』)です。
VRMMOを舞台に主人公が狂気のデスゲームを生き延びるといったストーリーで、筆者がVRに興味を持つきっかけとなりました。しかも、『SAO』のゲームが始まったとされる作中での暦は2022年で、『Zenith』が配信されたのも同じ2022年。なにか運命的なものを感じます。
『Zenith』の存在を知ったとき、「あの『SAO』みたいなVRMMOだ!」と胸が熱くなったものです。かくして、2022年1月28日のリリースと同時に『Zenith』の世界に飛び込みました。
※『SAO』を知らない方は下記関連記事をチェック。
キャラメイクをしていざゲームスタート。サービスが開始されて10分、本当にゲーム開始当初からログインすることができました。
筆者が入ったアジアサーバーには、英語・中国語・韓国語・日本語などさまざまな言語が入り乱れていました。どの声も初めて味わったVRMMOの体験をかみしめ、期待に溢れていました。
VRMMOならではの体験としてその場にいるほかのプレイヤーとの一期一会の交流があります。始めたばかりで、わからない操作方法をお互いに教えあう光景や、ジェスチャーや片言の英語で海外のプレイヤーと会話を交わす光景はとても新鮮に映りました。
実体験として、私がHPがゼロになってしまい死んでしまったときに、コンティニューのジェスチャーである手を合わせる動作を海外プレイヤーが身振り手振りで教えてくれました。
ソーシャルVRでのコミュニケーションは基本的に会話や交流そのものが目的ですが、VRMMOでは敵を倒したり、レベルを上げたりといった共通の目的があり、その場にいるプレイヤーみんながそれに向かってゲームを進めていきます。
そうして生まれる一体感とそこで生まれるコミュニケーションは、ソーシャルVRとはまた違った空気感でした。
また、モーションコントローラを使った身振り手振りでのコミュニケーションが取れるというのはこれまでのゲーム体験と大きく異なる部分です。すれ違いざまに手を振って挨拶をしたり、おじぎや手を合わせてお礼をしたりと、言語を問わずコミュニケーションが生まれやすい傾向にあると感じます。
※筆者がリリース日にプレイした配信はこちら
【最速プレイ】話題のVRMMORPG「Zenith: The Last City」をリリース同時実況!!【ついにSAOの世界到来か】
身体を動かすVRアクションの醍醐味が詰まってます
VRゲームにはさまざまな魅力がありますが、私は実際に身体を動かして遊べることがいちばんの魅力だと感じています。一人称視点で、リアルに手を動かせばプレイキャラクターの手も動くので、コミュニケーションやアクションがより実感の伴った体験になるのです。
アクションが楽しめる『Zenith』では、この身体を動かすプレイ体験の新鮮さは際立つでしょう。とくに魔法攻撃は、コントローラのグリップと動きで発動する魔法アクションなので、魔法使いになったかのような錯覚を覚えました。
最初のうちは発動方法に慣れずに誤爆してしまう場面もありましたが、それも含めてよく異世界ファンタジーにある魔法に慣れない異世界転生者気分で楽しめます。
慣れてくると思いのままに魔法を発動でき、通常攻撃をしつつ間合いを詰められたら一旦離れて魔法で距離を稼ぐ……といった動きもできるようになり、かなりアクションの幅が広がります。なおプレイ中は実際に手を振り回すので、コントローラーを机や壁にぶつけないように、プレイ前にしっかりとスペースを確保しましょう。
空を飛ぶのが楽しすぎて時間泥棒
また、ゲーム開始からデフォルト状態で空を飛べるというのもの『Zenith』の特徴の1つです。
高いところから意を決して飛び降りて、腕を広げると滑空できます。操作方法としては、コントローラーの角度で上昇・下降が体感的に行えるよう作り込まれています。これを楽しんでいるだけであっという間に時間が過ぎてしまいました。
なお、滑空中はスタミナを消費し、すべて使い果たすと問答無用で落下してしまいます。高さによってはHP全ロストもありえるので注意が必要です。ちょっとしたコツとしては、落下の直前に滑空を使えば落下ダメージを受けずに済むので、着地する際はスタミナを少し残しておくといいでしょう。
VRならではの操作感と、それゆえに生まれやすい一期一会のコミュニケーションや友人との協力プレイ。これが、『Zenith』最大の魅力です。
6月16日から大型アップデートも
そんなVRMMOの先駆けである『Zenith』ですが、2022年6月16日にはリリース以降最大の大型アップデート『The Celestial Throne』が配信されました。
Zenith Celestial Throne Release Trailer
最新アップデートでは、これまでの5つのエリアに加え、上空に浮かぶ敵城のような新エリア“Celestial Throne”が登場します。そのほか、それぞれ3つの4人パーティー用ダンジョンと、8人パーティー用レイド、20の新しいクエストも追加されるなど、新要素が多く追加されるとのことです。
トレイラーでは本作の醍醐味ともいえる滑空機能をふんだんに使用する様子が含まれており、VRならではの操作感を活かしたエリアとなっています。
『SAO』のフルダイブ型VRシステムみたいな技術はまだ先ですが、現実に手の届くレベルにまで来ているVRMMO『Zenith』。ちょっと未来のゲーム体験を試してみたい方は、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。
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