いまから20年前の2002年4月25日は、日本で初代Xbox用FPS『Halo(ヘイロー)』がマイクロソフトより発売された日。

 舞台は遙かなる未来となる2500年代、プレイヤーはUNSC(国連宇宙司令部)の兵士マスターチーフとなり、エイリアン軍であるコヴナントとの戦いに身を投じることになる。いまやゲームジャンルとしてすっかりおなじみとなったFPS(一人称視点シューティング)の1タイトルとしてリリースされた『Halo』。当時はそこまでFPSというジャンルは知られておらず、『Halo』はまさに家庭用ゲーム機におけるFPSの嚆矢とも言える存在。『Halo』によってデファクトスタンダード(事実上の標準)となったシステムが多数存在している。FPS界の『スター・ウォーズ』的な存在と言えるのだ。

初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】

 まずは操作形態の確立。左スティックで移動、右スティックで視点操作、右トリガーで射撃という、現在の家庭用ゲーム機における標準的な操作を採用したのだ。当時はそもそも家庭用ゲーム機でのFPSが少なく(『DOOM』などの移植作やニンテンドウ64の『ゴールデンアイ 007』ぐらい)、FPSはパソコン用ゲームで、マウスとキーボードにて遊ぶもの、という感じだった。

 もうひとつはライフシステム。自動回復するエネルギーシールドとアイテムで回復するライフの2段階があり、窮地に陥っても安全な場所で身を隠してシールドを回復し、難所を突破……という戦いかたが可能になった。それ以前の作品はアイテムでアーマーを回復するものが多く(『Quake』とか)、シールド(ライフ)の自動回復をゲームシステムにうまく取り込み、プレイヤーの緊張感を損なうことなくストレスを減少させるシステムの確立に成功した。

初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】
初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】

 また、重厚なストーリーと最強の映像美を、FPSでも楽しめることを決定づけたのも本作。FPSで重厚なストーリーを体験させることは『Half-Life』が開拓したものだが、それを家庭用ゲーム機でより多くの人に知らしめたのは本作だろう。もちろん、物語を演出する壮大なBGMや迫力ある効果音なども忘れてはならない。

初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】
初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】

 大人数でのマルチプレイが楽しいということも示してくれた。本作は画面分割に加え、システムリンク(LAN)によるオフラインでのマルチプレイに対応。最大16人での対戦が楽しめたのだ。

 FPSの対戦については、本作と言うよりは、当時の日本マイクロソフトが本作を利用し、FPSというジャンル自体の盛り上げや知名度の向上に大きく貢献したと思う。日本大会を何度も開催し、その模様はファミ通を始め多くのニュースメディアで取り上げられ、一般の人にも露出する機会が増えた。

 ちなみに「オンライン対戦じゃないの?」と思う人がいるかもしれないが、当時はオンラインサービスXbox Live開始前で、本作も当然未対応。続編の『Halo 2』より、晴れてオンラインプレイに対応したのだ。

初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】
初代『Halo』が日本発売20周年。家庭用ゲーム機にFPSを定着させた、いまなお続くXboxを代表するシリーズ【今日は何の日?】

 このように1作目から高い完成度を誇った『Halo』は世界的に大ヒットし、続編やスピンオフも多数登場。RTSというまったく別ジャンルの『Halo Wars』や、小説やアニメなど、さまざまなメディアへと展開する一大シリーズへと成長したのはご存じの通り。ちなみに近い話ではスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮でドラマ化が実現。日本では2022年5月4日よりU-NEXTで配信される予定だ。

 そんな初代『Halo』、じつは大本となる海外版は2001年の11月15日、日本語版の約半年前にリリース。タイトルも『Halo: Combat Evolved』とサブタイトルが付いていた。2003年にはパソコンに移植され、ここからは日本でも『Halo: Combat Evolved』という名称でリリースされている。

 最新のハードでは、WindowsおよびXbox Oneにてリリースされている『Halo: The Master Chief Collection』にリマスター版が収録。こちらはナンバリングが『Halo 4』までの4作品と、スピンオフ『Halo 3: ODST』および『Halo:Reach』がセットになったお得な作品だ。『Halo: The Master Chief Collection』はXbox Game Passにも入っている。また、PCでは『Halo: Combat Evolved Anniversary』として単品でもリリースされている。当時遊んだプレイヤーや、未体験だけれど気になる人は、ぜひ遊んでみてはいかがだろうか。

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