2021年11月25日(木)、カリプソメディアジャパンから発売されるプレイステーション5、プレイステーション4、PC用ダークファンタジー×タクティカルRPG『ディサイプルズ リベレーション』。

 今回、このタイトルの序盤を最速で先行プレイできる機会をいただけた。『ファイナルファンタジー タクティクス』など、タクティカルRPGを愛好してきた筆者には嬉しいことこのうえない。

『ディサイプルズ リベレーション』序盤の先行プレイレビュー。“選択”の重みが胸に突き刺さる、これこそが本当のダークファンタジー!
『ディサイプルズ リベレーション』序盤の先行プレイレビュー。“選択”の重みが胸に突き刺さる、これこそが本当のダークファンタジー!

 だがプレイ開始前に、その謳い文句には引っかかるものがあった。本作は“ダークファンタジー”だという。

 最近は“ダークファンタジー”、“ダークな世界観”、“ダークでハードな展開”など、どうもゲームやアニメでダークの大安売りが過ぎると思う。

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人死にが多い陰惨とした世界なら、それだけでダークなのだろうか。
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凄惨な戦争や痛々しい流血表現さえあれば、ダークでハードなのだろうか。

 今回の場合も、やっぱりファッション的なダークなのではなかろうか……などと甘く見つつ、本作のプレイを始めてみたわけだが。

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開始後1分ちょっとで、なんかすごい選択肢が出た。

 ダークファンタジーの世界。その本質は、世界観設定や凄惨な演出などによるものではない。本作は、そのことを改めて教えてくれるスパルタな教科書だった。

 “選択”だ。選択とその結果、その積み重ねこそが、ダークファンタジーをダークたらしめ、名作とする最大の要因だったのだ。

『ディサイプルズ リベレーション』序盤の先行プレイレビュー。“選択”の重みが胸に突き刺さる、これこそが本当のダークファンタジー!
畳みかけるような選択の連続と、その結果が重くのしかかってくる。そう、今の状況は「お前が招いたこと」なのだ。

 今回のレビューでは本作の序盤、“寡婦の平原”での最初の物語を終えるところまでを紹介していく。筆者が本作にのめり込んでいった過程とその魅力の正体、ならびにシステム面の紹介もしていくぞ。

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道を進むなら、選択からは逃げられない

 まずは本作の世界観を紹介しよう。本作の舞台となる黄昏の世界“ネヴェンダール”は、第九紀“再誕期”のただなかにあり、混沌と不安定、さまざまな勢力の思惑が渦巻く世界だ。

 そんな世界でとある運命と力を背負って生まれたひとりの女傭兵・アヴィアンナは、相棒のオライオンとともにこの世界の変革と行く末を決める、重大な役割を果たしていくことになる。

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 ゲームのチュートリアル的な位置づけにあたる開始直後の部分では、ふたりは“ハイファーザー”という神を信仰するとある神官を暗殺する依頼を請け負い、下水道から拠点に侵入していく。

 この世界に君臨する強大な帝国を、内側から実質的に支配するハイファーザーの信徒たちと、彼らの戦力組織“ヴェイル”。その実態は神の名のもとに、残忍な粛正や拷問も平然と行なう恐ろしい連中だ。

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ちなみに記事冒頭で紹介した衝撃的な選択肢の場面だが、相棒のオライオンに話をよく聞くと別の選択肢も出てくる。情報収集は大事だ。
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選択肢の横についているマークで、その選択肢を選ぶとどのような方向に話が向かっていくのかがある程度分かる。

 いざ神官に対面するも罠にはまり、ふたりは窮地に陥る。そのとき、アヴィアンナは謎の力に目覚めて転移のポータルを開き、ふたりは未知の領域に眠っていた聖天使の都“イリアン”へと転送される。

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 以降、ふたりはこのイリアンを拠点とし、新たな故郷として栄えさせるべく、世界各地で冒険をくり広げていく。

 この世界では“帝国”、“エルフ同盟”、“不死者の群れ”、“悪魔の軍団”という四大勢力が幅を利かせており、イリアンの存続のためには各勢力との関係性を決めなくてはならない。冒険のなかでアヴィアンナたち(=プレイヤー)はさまざまな選択をし、各勢力との関係を決定づけていくことになる。

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アンデッドの勢力といった人外の存在とも、選択次第では手を組むことができる。

 ここからはどの勢力の地域に向かうかを、プレイヤーの手に委ねられる。筆者はまずは味方として、戦力になってくれそうな傭兵王の国の連中を引き入れようと“寡婦の平原”を目指した。

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説明文的にも、まずはここに向かうのが無難に思えた。
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フィールドでは自由に動き回って、隅々まで探索が可能だ。あとで説明する、仲間の雇用や強化などに必要な各種資源のほか、敵も待ち構えている。
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えっ。

 傭兵王は倒され、この国はそこに入りこんだヴェイル(帝国)が実質支配していた。それに異を唱える反乱軍とヴェイルとの、内戦がくり広げられているのだという。

 えらいところに来てしまったなぁと思いつつ、とりあえずは自由に行動できることを活かして国中を回ってみることに。

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本作の通常戦闘はシンボルエンカウント(フィールド上にいる敵に接触すると戦闘が始まる)形式なので、走り回り続けても敵にさえ触れなければ戦闘は起きない。じつに探索しやすい。
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その辺でドラゴンが寝ていたりしたが、ビビリな筆者は話しかけずスルーした。探せば探すだけ、とんでもないものが出てくる。

 資源を拾ったり宝箱から装備を入手したり、なかなかに探索自体も楽しい。そうして走り回っていたところ、サブクエストを持っているらしきNPCを見かけたので話しかけてみた。

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こちらのウーズ氏、兵士の格好をしているが正体はただの農民。

 話を聞いてみるとこの農民、城のヴェイルと反乱軍、両方から食料を納めるように迫られ、板挟み状態になっているという。許せんなぁと思った筆者は、どっちの徴税人もこらしめてやる選択肢をとった。

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英雄的な行動として、あくまで善意で選択した。それは間違いなかった。

 ところが、だ。両方の徴税人をこらしめてから戻ってみると……。

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 ウーズは反乱軍の下衆な連中の手により、こと切れていた。

 それが筆者が選んだ選択に対する、反乱軍の報復行為だったのかは定かではない。筆者のせいとは断言できないはずだ。それでも「彼が助かる選択肢もあったはずだ」と、気持ちが沈んだ。

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無論、そんな下衆どもは許すことなくすぐさません滅した。だが、気分は晴れない。

 これなのだ。本作の“ダークファンタジー”としての本質は。

 プレイヤーが自分で“選択”したことで、如実な結果が返ってくる。もし、別の選択をしたらもっといい結果があったのではないだろうかと、心を蝕んでくる。

 もし、選択肢もない一本道のシナリオで、この農民がこと切れていたとしたら、それは完全に他人事だ。プレイヤーにとってはなんということもない、暗い世界観を示す演出のひとつに過ぎなかった。反乱軍にここまで嫌悪感を抱くこともなかっただろう。

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なにげない会話の選択肢であっても、だれかを煽って死に急がせたりする可能性がある。そう考えると、すべての選択肢がめちゃくちゃ重い。

 本作ではこんな選択肢が、ほぼすべての会話シーンで連続して挟まってくる。選択の場面がない会話のほうが珍しいくらいの頻度だ。そんな無数の選択肢が、すべて物語の展開に関わってくる可能性がある。

 本作の選択肢は、マルチエンディングや敵対・同盟勢力を決定づけるだけの要素ではない。プレイヤーを物語の当事者にし、責任から逃がさない恐ろしく重い鎖なのだ。

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正直、このあと反乱軍のリーダーと出会った際には、衝動的に戦闘をしかけようかとも思った。だが、それでまたなにかを背負うことになる可能性を考えると、保留せざるを得なかった。

 反乱軍に悪印象を持ったこの事件のあと、筆者はメインクエストを進める中で、ハイファーザーの信徒でありながら清い信仰を貫く女神官・コリサンドと出会い仲間にした。

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 このコリサンドにもフィールドを探索していると出てくるサブクエストがあり、その中で見せた彼女の献身的な態度に筆者は胸を打たれた。この人、根っからの善人だ。

 正直、このサブクエストを見つけて受ける“選択”をしていなければ、筆者にとってコリサンドはわりと世間知らずな理想論者に過ぎなかった。

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選択肢と筆者の心情が、完全に一致した瞬間。

 そしてサブクエストや探索をこなしつつも、物語を進める。コリサンドのおかげで信頼を得たアヴィアンナたちは、ヘイル城で傭兵王の代わりに国を支配するヴェイルの指揮官に面会できた。

 だが、そこに反乱軍が総力戦で攻め込んでくる。ヴェイルか反乱軍か、どちらがこの国を支配するのかが決まる瀬戸際が迫る。

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 オライオンは、この機に乗じてヴェイルの軍勢を奇襲することを提案。逆にコリサンドは、反乱軍を倒すことを提案してくる。

 アヴィアンナ(=筆者)に、選択が迫られた。ここで筆者が選んだのは……反乱軍を滅ぼす道だった

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 正直なところふだんの筆者そのままなら、自分を陥れたことがあるヴェイルに敵対していく道を選んだと思う。

 だが、農民ウーズの件で反乱軍の実態を知り、さらによく思っているコリサンドからの口添えもあったため、一時的にだがヴェイルに協力することにしたのだ。

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 落雷が降り注ぐ激しい戦場を制し、ヴェイル側にも多大な犠牲を出しつつも、反乱軍を壊滅させた。

 正直、やはり気は重い。筆者の選択により、この国は今後、狂信者たちの温床になりかねないのだ。

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少なくとも、コリサンドという素晴らしい仲間は得られた。それだけでも満足すべきなのだろうか……。

 こうした“選択の結果がつぎの選択にも影響を与えていく”という部分もまた、本作の魅力にして、ダークファンタジーそのものの魅力のひとつだろう。

 客観的ではなく、主観的な選択を。そして、自分の選択で起きた結果を甘んじて受け入れ、考え方を変えていく。ゲームやアニメ、映画などメディアを問わず、ダークファンタジーの名作と称される作品には、こういった主人公の選択と葛藤が必ずある。

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こんな事例を味わったあとだと、細かなサブクエストひとつも見逃せなくなってしまった。そうして筆者は、本作の物語に没頭していくのだった……。

 平原での最初の物語はここまで。このあとも新たな地に向かい、アヴィアンナはさまざまな出会いと別れ、そしてさらなる選択を重ねていくことになる。

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戦闘など、他の面でも一手の選択が重い

 ここまで解説したように、本作ではストーリー面の魅力が際立っている。しかしそれに負けず劣らず、戦闘やイリアンの都が持つ要素もまた奥深い。

 まずは戦闘システムについて解説していこう。本作の戦闘はターン制のシミュレーションゲーム形式で、六角形のヘクス(マス目)にユニットを配置し、行動順に従って1回ずつ行動させていくオーソドックスなタイプだ。

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あとで解説する“側面攻撃”の要素を除けばユニットの前後の概念はないので、ユニットの背面を守らないと! といった面倒な要素はない。

 ユニットは“前衛”と“後衛”に配置する。どれだけのユニットを配置できるかは、アヴィアンナのレベルに応じて増えていく“指導力”次第だ。

 なお戦闘の勝敗条件についてだが、前衛のユニットが全滅すると、そちら側の敗北となる。前衛が全滅すると後衛が前に飛び出す、といったことはない。

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後衛に配置したユニットは自動で行動し、固有の特殊能力で前衛ユニットをサポートする。

 ターンごとに各ユニットがどんな行動を取れるかについても、分かりやすいシステムが用意されている。各ユニットはターンが回ってくるごとに特定の種類の“アクションポイント”を得られ、その種類ごとにできることが大きく異なってくる。

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 たとえば主人公のアヴィアンナは、青のアクションポイントとオレンジのアクションポイントを毎ターン得られる。青のポイントは移動にしか使えないが、オレンジのポイントは移動か攻撃のどちらか好きなほうに使えるので、2回移動して大きく回り込んだり、移動後に1回攻撃したりと、行動パターンを選ぶことができるわけだ。

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ほかの例としては、オライオンやコリサンドはオレンジのアクションポイントふたつを毎ターン得られるため、移動しなければ2回攻撃が可能となる。

 さらに、このアクションポイントを使わずにそのユニットのターンを終了すると、体力(アヴィアンナのみ呪文に使用するリソースである“マナ”も)が少し回復する。行動せずに回復に専念する、という行動もアリなわけだ。

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とくにアヴィアンナはアクションポイントの管理が重要。優秀なユニットなので前線で暴れさせたいが、呪文を使うためにはポイントを使わず、マナの回復に努める必要も出てくる。

 行動の概念がこの通り分かりやすいシステムではあるが、レベルが同じなら敵と味方の同名ユニットに能力の差がほとんどないという、きびしい面もある。アヴィアンナやオライオン、コリサンドといったネームドユニットはそれらより多少は強力だが、数の差を覆せるほどのものではない。

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アヴィアンナはさまざまな装備と、攻撃力や防御力などにボーナスを与える“情念の欠片”を装備でき、さらに多彩な呪文を使いこなす。
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そんなアヴィアンナも、多人数に囲まれればあっと言う間に倒されてしまう。なお、戦闘中に倒れたユニットは蘇生せずに戦闘終了を迎えると消失してしまう。
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オライオンやコリサンドといった仲間は、武器と情念の欠片のみ装備可能。ほかの通常ユニットは情念の欠片しか装備できないため、敵と比べて大きく強化することは難しい。

 敵は突出したこちらのユニットを、的確に集中攻撃してくる。序盤の戦闘では、単体の体力を大きく回復できる呪文を持つアヴィアンナが味方の生命線になる。

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アヴィアンナを回復役にすれば、序盤の戦闘はかなり安定する。あとから仲間になるユニットに合わせて、プレイヤーが選んだ役割へと移行させていこう。

 こうして前線が安定してきたら、つぎに“側面攻撃”を狙っていきたい。本作の戦闘では、敵をほかの味方ユニットとともに挟み込んだ状態で攻撃すると、側面攻撃のダメージボーナスが発生するのだ。

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このように逆サイドに味方がいる状態だと、より大きなダメージを与えられる。

 ユニットの行動順を把握すれば、この側面攻撃を連続で狙うことも簡単だ。うまく連続で決まると、非常に気持ちいい。

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連続側面攻撃の例を挙げよう。まずこの配置で、アヴィアンナ(A)が攻撃すると、側面攻撃で大ダメージ。
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続いて行動順が回ってくる(画面上の一覧で行動順は確認可能)兵士Bが、左上に移動して攻撃。事前に配置しておいた、兵士Cとの側面攻撃が成立。
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最後に兵士Cが攻撃し、兵士Bとの側面攻撃でトドメ!

 側面攻撃を狙うだけでなく、各ユニットが持つ独自のアビリティ(攻撃手段)を駆使して戦うのがまた楽しい。リアルタイムストラテジーではないため、じっくり考えて一手を打つことができるが、間違えれば集中攻撃であっさりやられたりもする。この一手の重さは、ストーリーの選択肢にも通じるところがある。

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オライオンはアビリティで姿を消すことができ、敵の目を逃れられる。この状態で攻撃すると絶大なダメージを与えられるので、強敵攻略の要となるはずだ。
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敵ユニットも多彩で、強烈な範囲攻撃や状態異常攻撃を放ってきたりと油断ならない。

 こうした戦闘をより奥深くしてくれるのが、イリアンの都で可能な各種行動だ。イリアンには戦闘中でなければ、どのフィールドにいる状態からでも戻ることができる。

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 イリアンにはクエストで設計図を手に入れることで、さまざまな建造物を建てられる。その建物に応じた新たなユニットを雇用したり、装備を強化したりと、建物ごとにさまざまなことが可能だ。

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 今回のプレイでは序盤ということで、ここでの選択はほぼなかったが、将来的にはどの建物を建てるかを選び、自分だけのプレイスタイルを確立していくことになる。

 その辺の奥深さについては、また別の機会があれば大いに語らせていただきたいところだ。

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装備の強化や、アヴィアンナが使える呪文を増やす“呪文の研究”など、イリアンでできる準備は多岐に渡る。これらを駆使することで、さらに戦闘時の選択肢や戦略が広がっていくのだ。
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フィールドの各地で見つけた資源の生産地から時間経過とともに集まって来る資源も、このイリアンで回収できる。これらの資源で、より多くのユニットを雇い、レベルアップさせていこう。

 また、今回の序盤のプレイであまり突き詰められなかった部分としては、アヴィアンナの“スキルツリー”も挙げられる。

 アヴィアンナはレベルアップするごとにスキルポイントを獲得でき、このスキルツリーに割り振ることでより各種能力を強化できる。ポイントの獲得量に対してスキル獲得の幅がかなり広いため、貴重なポイントをどう割り振るかの“選択”もまた重要になる。

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筆者はアヴィアンナを回復役として運用しているため、序盤ではマナ効率関係のスキルを重点的に強化した。
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同じ名前の装備でも能力値が異なったりもするため、本作ではスキルともども、アヴィアンナの成長選択の幅が非常に広い。

 以上のように今回の序盤プレイでは、ストーリーにおける選択と結果の積み重ね、そして戦闘周りの分かりやすくもしっかりと奥深いシステムという、本作の大きな2点の魅力を堪能できた。

 ストーリーと戦闘の両方で、ひとつひとつの重く大事な“選択”をしていくことがおもしろさであり、同時にそれらはまるでプレイヤーを底なしの沼へと沈め、口の中に嫌な味を広げる、そんな重りのようにも感じられる。これぞダークファンタジーの真骨頂、並みのRPGでは味わえない貴重なプレイ感覚だ。

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唐突に、そして連続して畳みかけられるさまざまな出会いと選択肢の嵐。つぎつぎと現れる、人外のモンスターも含む強力な敵。プレイヤーに逃げ場はなく、飽きているヒマもない。

 平坦で一本道な、まるで他人事のようなストーリーのRPGに飽き飽きし、RPGの大作を待ち望んでいるプレイヤーも多いことだろう。そんなプレイヤー諸兄にひとつの“選択”として、本作をぜひ提示したいところだ。

 なお、2021年10月2日(土)、10月3日(日)の2日間に渡って放送されるWeb生放送“ファミ通x電撃 秋のゲーム大運動会〜つかみとれ、新作ゲーム情報!!〜"で、『ディサイプルズ リベレーション』の日本語版プレイ動画が先行お披露目される。今回の紹介とあわせて、本作が気になった人はこちらも要チェックだ。

“ファミ通x電撃 秋のゲーム大運動会〜つかみとれ、新作ゲーム情報!!〜”特設サイト

※カリプソメディアジャパン『ディサイプルズ リベレーション』は10月2日(土)16:40から放送開始予定

ディサイプルズ リベレーション

  • 対応機種:プレイステーション5、プレイステーション4
  • 発売日:2021年11月25日発売予定
  • 発売元:カリプソメディアジャパン
  • 価格:プレイステーション5版、プレイステーション4版/7678円[税込]、PC版/4398円[税込]
  • ※価格はパッケージ/ダウンロード版共通
  • ※PC版は2021年11月25日より日本語対応開始
  • ジャンル:ダークファンタジーxタクティカルRPG
  • プレイ人数:オフライン1人 /オンライン1~2人
  • 言語仕様:字幕(日本語/英語)、音声(英語)
  • CERO:D(17歳以上対象)
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