ユービーアイソフトより2021年9月16日に発売予定のPS4、PS5、Xbox One、Xbox Series X|S、PC向けタイトル『レインボーシックス エクストラクション』(以下、『エクストラクション』)。
そんな本作を先行してプレイする機会を得たので、そこで判明した本作の詳細をお届けする。なお、プレイしたのは開発中ビルドで、製品版とは仕様が異なる可能性がある点にご留意いただきたい。
『エクストラクション』はソロ、ふたり、または3人のスクワッドでプレイするPvEタイプの FPS。同社のタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』(以下、『R6S』)のオペレーターが本作にも登場し、彼らを操作してエイリアンが蔓延る“サブゾーン”でさまざまな目標の達成を目指していく。
プレイインプレッションに入る前に、『R6S』がどんなゲームなのかを説明をしておこう。『R6S』は、攻撃側と防衛側の5人組2チームに分かれて戦うPvPタイプのFPS 。プレイヤーは攻撃側と防衛側に割り当てられたオペレーターを選択し、仲間と連携を取りながら屋内戦で敵のせん滅、または目標の達成を目指していく。各オペレーターに特殊な固有アビリティが用意されていたり、マップに破壊可能な壁やオブジェクトがあったりなど、戦術の自由度の高さが大きな魅力だ。また、eスポーツの世界大会やプロリーグが定期的に開催されており、つねに大きな賑わいを見せているのも特徴のひとつ。
“アウトブレイク”から飛躍的な進化を遂げたゲーム性
『R6S』では過去に、感染者の排除や感染源である寄生虫の根を破壊する“アウトブレイク”という期間限定のCo-opモードイベントを開催していた。これが本作の原型とも言えるモードで、いつもと違ったゲーム性にユーザーからの評価も高く、イベントの復刻を望む声も多かった。そんなイベントを1本の大作に昇華させたのが『エクストラクション』だ。
プレイ動画
プレイヤーはソロまたは最大3人のスクワッドを組んで、地球外生命体のエイリアン“アーキエン”が蔓延るマップでの探索・戦闘を行う。マップは3つのサブゾーンというエリアで構成されており、各サブゾーンには下記にあるいずれかのメイン目標が設定されている。そのメイン目標をこなし、回収地点からの脱出を目指すのがおもなゲームの流れとなる。
■今回のプレイで確認できたメイン目標
- 行方不明(敵に拘束されたオペレーターを救出する)
- シャットダウン(爆薬を目標まで運ぶ)
- 破壊(爆薬を防衛する)
- 駆除(エリートターゲットを倒す)
- 標本(エリートターゲットを捕獲する)
- 救出(目標を回収地点まで運ぶ)
- シリアルスキャン(複数のエリアを確保する)
- 汚染除去(汚染されたネストを破壊する)
- 三角測量(ステーションを起動する)
これらのメイン目標を成功させなくてもゲームオーバーにはならず、つぎのサブゾーンに進むことが可能。また回収地点はすべてのサブゾーンに用意されており、プレイヤーは戦況に応じて、つぎの閉鎖ゾーンに進むのか、それとも諦めて脱出するのかを選択できる。
メイン目標の達成を目指す過程でプレイヤーの障害となるのが、サブゾーンに蔓延るアーキエンと呼ばれるエイリアンだ。仲間を呼ぶ者、プレイヤーに特攻して自爆する者、毒ガスを散布する者、透明になる者など、その種類はさまざまで、基本的にプレイヤーを視認したり、銃声が聞こえたりすると襲ってくる。そのため、本作の銃にはデフォルトでサプレッサーが装着されている。
操作性はまんま『レインボーシックス シージ』だが、ゲーム性はややシビア!?
画面内のUIは異なるものの、しゃがむ(伏せる)、銃を構える、リーン(上半身を左右に傾けて撃つ方法)、固有アビリティを使うなど、あらゆる操作が『R6S』と同じように設定されている。経験者であれば『R6S』と同じ感覚で遊べるのはうれしい点だ。また、チュートリアルモードに加え、画面内のUIには操作ボタン・キーが常時表示されるうえに、フレンドリーファイアもないため、『R6S』をプレイしたことがない人や、FPSの経験がない人でもかなり遊びやすくなっている。
ゲーム性のほうはややシビアで、体力の管理がとにかく重要になってくる。本作のオペレーターの基本体力は自動回復せず、治療キットや固有アビリティによる回復もあくまで一時的に体力が増加するだけなので、戦闘中に基本体力を元に戻す術がないのだ。しかも回復するための治療キットは、マップ内のどこかに設置されているものの、それを回収しに行く途中で敵と交戦して戦闘不能にというパターンも少なくない。さらにアイテムは個人の所有物となるので、全員が満遍なく回復できないのもシビアさに拍車を掛けている。そのため、一度態勢が崩れると立て直すのが難しい印象を受けた。
オペレーターの体力がゼロになると敵に捕まり、作戦失敗(ゲームオーバー)となる。捕まったオペレーターは、次回のプレイで救出しないと再度使用することができない。マルチプレイの場合は、1度だけダウン状態となり、味方による蘇生が可能だが、2度目は戦闘不能となる。戦闘不能となった仲間は、ほかの仲間が担いで回収地点に連れて行かなければならず、かなり緊張感のある仕様となっている。背負っている最中はハンドガンしか使えないので、もうひとりの仲間の援護が必要不可欠だ。ちなみに回収地点に連れて行かずに放置すると、ソロのときと同様に次回のプレイで救出しなければならない。
『R6S』にはない幅広い選択肢
ややシビアなゲーム性だからこそ、オペレーターや装備の選択が攻略のカギを握っている。今回の先行プレイでは、ALIB(アリバイ)、ELA(エラ)、DOC(ドク)、SLEDGE(スレッジ)、PULSE(パルス)、VIGIL(ビジル)、HIBANA(ヒバナ)、FINKA(フィンカ)、LION(ライオン)の9人が選択可能だった。各オペレーターの固有アビリティの効果は『R6S』と概ね同様だが、対エイリアン用に一部パワーアップしているものもある。これらのアビリティは常時使用可能なタイプ、回数制、リチャージ式(クールタイム制)の3つに分けられ、回数制のアビリティはマップ内に配置されているアイテム“アビリティリチャージ”で回復しなければならない。
固有アビリティが常時使用可能なオペレーター
固有アビリティが回数制のオペレーター
固有アビリティがリチャージ式のオペレーター
回数制のアビリティは強力だが、アビリティリチャージに依存するため、メンバー全員がそのタイプのオペレーターにしてしまうと、思うようにアビリティが使えないことも。そういった部分を考慮しながらオペレーターを選んでいくのも重要なポイントだ。
固有アビリティのほかに各オペレーターにはメイン・サブウェポン、爆薬、ギアが用意されており、ロードアウトを自由にカスタマイズできるようになっている。メイン・サブウェポンは『R6S』で各オペレーターが使用しているウェポンに加えて、本作独自のウェポンがいくつか追加されている。たとえば、ALIBではライトマシンガンのALDA5.56(『R6S』でMAESTROが使用)、SLEDGEではセミオートアサルトライフルのAR33(『R6S』でTHATCHERやFLORESが使用)などが確認できた。
使用できる爆薬は全オペレーター共通で、スモークグレネード、インパクトグレネード、スタングレネード、フラググレネード、クレイモアの5種類が用意されている。接近戦なら敵の視界・聴覚を奪えるスモークやスタン、遠距離戦が主体なら怯ませられるインパクトや大ダメージが狙えるフラグなど、立ち回りに応じて使い分けられる。ギアは本作独自の装備要素で、偵察ドローン、ボディアーマー、弾薬バッグ、爆薬ハーネスといったものが選択可能だった。
このようにオペレーターが装備できるウェポン、爆薬、ギアの選択肢は幅が広く、自身またはチームメイトのオペレーターや立ち回りに応じて、臨機応変に使い分けられる点が新鮮だった。
敵を倒す爽快感と奥深い戦略性の融合がすばらしい!
群がるアーキエンを銃や爆薬、固有アビリティでつぎつぎとせん滅していく爽快感は『R6S』では味わえない気持ちよさがあった。武器の選択肢の幅も広く、ショットガン、アサルトライフル、ライトマシンガン、サブマシンガンなど、自分のプレイスタイルにあったウェポンを選べるのもうれしい点だ。
その一方で、体力管理が難しいというシビアさのおかげで、緊張感が生まれ、自ずと戦略を立てたくなるようなゲームバランスに仕上がっているのも大きな魅力であり、驚きのポイントだった。固有アビリティの特徴を把握し、オペレーターを使い分ける楽しさや、爆薬とギアを組み合わせた多彩な戦法、チームメンバーとの連携など、より深い戦略性を味わうことができた。そして、何よりほかのプレイヤーと協力して困難に立ち向かい、突破できたときの達成感はひとしお。
『R6S』のプレイヤーであれば、本編とはひと味もふた味も違った新鮮さとおもしろさを感じられるはず。懇切丁寧なチュートリアルとわかりやすいUIのおかげで、『R6S』プレイヤーのみならず、幅広い層のプレイヤーが気軽に遊べるようになっている点も大きなポイントだ。
『レインボーシックス エクストラクション』はFPSや『R6S』が好きなプレイヤーほど、爽快感のある戦闘と奥深い戦略性にハマるはず! とくに『R6S』で開催されていたイベント“アウトブレイク”が大好きだった人にはぜひとも遊んでほしいタイトルだ。また、今回のプレイでは、一部のオペレーターやマップしか体験できなかったが、それでも十分なやり応えがあった。製品版ではさらなるオペレーターやマップが登場するのだろうか? いまからワクワクが止まらない!