2021年2月9日より、DMM GAMESでリリースされた『ミナシゴノシゴト』。本作は、大魔王“災禍”に敗北し、大陸の半分が消滅した“ニルヴァーナ”にて、魔王を打ち倒す勇者の資質を持つ少女“ミナシゴ”を育成して世界に平和を取り戻すRPGです。
プレイヤーは黒騎士として、英雄や戦争そのものを擬人化した孤児のヒロイン“ミナシゴ”を部隊に編成し、神話や史実の“戦場”を擬人化した戦神を召喚して敵と戦うことに……。
本稿では、そんなダークファンタジーRPGのプレイレビューをお届けします。
“戦争”や“戦場”を擬人化したキャラクターが登場
昨今、さまざまなものが擬人化して登場するゲームはありますが、英雄はまだしも、“戦争”や“戦場”そのものの擬人化は珍しいのではないでしょうか。多くの英雄と呼ばれる人物には活躍した戦場というものがあるわけで。いままで焦点を当てられていなかったのは盲点でしたね。
戦場だけではなく“孤児と英雄”も擬人化されています。擬人化というより、実際にはその人物の肩書きだったり、名前の一部を組み合わせたキャラクターみたいですね。孤児、ということで、キャラクターは“ミナシゴ”と呼ばれ、孤児院にて生活しています。
珍しいものを擬人化していますが、身も蓋もない言いかたをすれば、登場するキャラクターに魅力があれば何の擬人化であろうとありだと思います。
ゲームの流れとしては、クエストをクリアーすると解放されるストーリーを進めていくというもの。肝心のストーリーは、絶望に包まれた世界が舞台ということもあり、物語序盤からキャラクターが襲われて重傷を負ってしまうなど、少し重めな印象を受けました。しかし、物語はしっかりと作り込まれていますし、戦場を擬人化した“戦神”をミナシゴが倒していき、未来へと立ち向かっていく姿は応援したくなります……!
また、緊張感のある戦闘や物語の合間に挟まれる、いわゆる日常パートのときには、束の間の休息を楽しむミナシゴたちの姿を見ることもできます。
戦闘はシンプル、演出はド派手
戦闘はオーソドックスなコマンドバトル。操作も簡単で、ターンごとにキャラクターの行動を決めると、あとはキャラクターが自動で動いてくれます。ただ、キャラクターに装備されている武器によって威力や攻撃範囲、使用回数が決まっているので、強い攻撃を選べばいいというわけではありません。
最初に1ターンの行動をすべて決めてしまうので、そのターンの行動順を考えて狙う敵や、強力な攻撃を使用するタイミングも考える必要がありますね。
また、攻撃をくり返すことで、“BG”というゲージがたまってそのキャラクターの専用の“ブレイブスキル”が使用できるようになります。必殺技のようなもので、効果が強力なだけではなく演出も派手。いろいろなキャラクターの“ブレイブスキル”を見てみたくなりますし、プレイする際には注目してみてください。
ちなみに攻撃ごとに異なる演出を見られるのですが、戦闘のテンポを速めたいときはスキップすることも可能です。
戦争の化身とも言うべき“戦神”は、召喚することもできます。“ブレイブスキル”以上の演出と威力での攻撃が可能で、戦況をひっくり返すことも。この演出も一度は見てみてください。
また、戦神は参戦時に敵全体に強力な攻撃をくり出します。参戦後も、強力なスキルやアビリティでミナシゴたちをサポートしてくれる心強い味方です。
戦闘を行うクエスト自体も一度クリア―してしまえば、自動で周回したり、スキップできるようになるので便利です。
戦闘自体はシンプルで、どうすればいいかわからない、ということはないと思います。当然のように、ストーリーを進めるにつれて戦う敵も強くなっていくのですが、わりと早い段階から難度が上がるのを感じました。戦闘を有利に運ぶためには、序盤からミナシゴたちをガンガン育成したほうがいいかもしれません。
複数の方法で効率よく育成
育成の中心となるのは“強化”、“限界突破”、“攻撃強化”、“覚醒”の4つ。そのうち、“強化”はミナシゴのレベルを上げるもので、“限界突破”はレベル上限の開放、“攻撃強化”は通常攻撃の威力を強化するというもの。
どれも特定のアイテムを使って育成しますが、難しいものではないので、一度プレイすればすぐに理解できるはずです。
最後の“覚醒”は、専用武器を解放するというもの。キャラクターの強化というよりは、装備品を強化してステータスをあげるというものです。強化していけば、ステータス以外に“ブレイブスキル”も強化できるので、できるだけ早めに解放していきたいですね。
ミナシゴの意外な一面が見れるかも
本作では、前述したように孤児と英雄が擬人化されて“ミナシゴ”として登場します。せっかくたくさんのミナシゴが登場するので、その中からお気に入りのミナシゴを見つけてプレイすると、より本作を楽しめるのではないでしょうか。
お気に入りのキャラクターを見つけたプレイヤーのために、ホーム画面に登場するキャラクターを変更することもできます。設定できるのは所持している“ミナシゴ”と“戦神”に限られますが、6人まで設定できるので、ひとりに選べないというプレイヤーでも安心ですね。
もちろんひとりだけを設定してもいいですし、キャラクターを自動で切り替えないようにもできるので、好みに合わせて選択できます。
設定したキャラクターは、ホーム画面に表示されるたびにいろいろ話してくれますし、クリックすればよりたくさんの会話を楽しめます。楽しいあまり、ひとつの作品に推しはひとりと決めている筆者ですが、ほかのキャラクターの話も聞きたくなってしまい、うれしい悲鳴を上げてしまいました。
それだけではなく、キャラクターのレベルを上げればそのキャラクターのことを深く知れるキャラクターストーリーが解放されます。キャラクターストーリーにも“娘の部屋”、“娘の寝室”、“娘の日記”といくつか種類があり、最初から解放されている“娘の部屋”の1話以外はそのキャラクターのレベルを上げることで解放されていきます。
今回のプレイでは、レベルを上げきれず“娘の部屋”の1話しか見ることができませんでしたが、つぎはどんなストーリーが楽しめるか気になります。とくに“娘の寝室”とはどんな内容なのでしょうか……!? 推しキャラを全力で育成して、これらを解放してみたいですね。
戦場の擬人化という斬新な要素が組み込まれた『ミナシゴノシゴト』。ド派手なバトル演出が魅力ですが、ゲームシステム自体はわかりやすいものなので、気負わずにすんなりプレイできるのもいいところだと思います。前述のとおり、絵柄のイメージに反して意外と重めのストーリーが展開するので、それ系が好きな方にもオススメです。
キャラクターのことを深掘りするキャラクターストーリーの種類も豊富なうえ、解放の条件も難しくないのでキャラクターを目当てにしている人でも楽しめるはず。
今回のプレイではすべてのコンテンツを遊びきれたとはいえませんが、もっと遊んでみたくなるゲームであることは間違いないですね。