『Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge』は、Oculus Quest、Quest 2向けに配信が開始された最新のVRアクション・アドベンチャーゲームだ。描かれるのは、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の中間のタイミングを舞台にしたストーリーとなる。
 

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 『スター・ウォーズ』のVRと言えばライトセーバーで戦う印象が強いが、本作の場合プレイヤーはしがないドロイド修理技術者。ブラスターやグレネード、ドロイドなど使えるものをすべて駆使して、凶悪なパイレーツとの戦いに臨むことになる。

 本記事では、VRゲームの最新作としてグラフィック面も非常にクオリティの高い仕上がりな、『Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge』のプレイレビューをお届けしよう。

『Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge』Oculus Storeページ

『スター・ウォーズ』の世界にトコトン没入できる操作性が魅力

 本作におけるプレイヤーは、ジェダイでも優秀なパイロットでもない、ただのドロイド修理技術者だ。物語は惑星バトゥーをメインに進んでいき、冒頭は宇宙船で積み荷のチェックをするところからスタートする。

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 宇宙船をはじめ、フィールド内は自由に散策できるようになっており、落ちている物を拾ったり、収集することも可能。コントローラーを手に見立て、道具をつかむVRでは定番の操作を駆使して先へ進んでいくことになる。

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取りたい物まで手を伸ばし、グリップを握るとアイテムを掴める。
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最初はゴーグルを装着するところから始まる。VR内でVRのようなものを被るのは、なんとも言えない奇妙な感覚だ。

 手の動作と合わせて、おもしろいと感じたのが手首についているデバイスの操作だ。デバイスには3つのボタンが付いており、それぞれのボタンを押すことで機能を発揮してくれる。

 つぎの目的地を示す矢印を出すナビ、通信相手のホログラムを映す機能、物体の情報を調べるスキャンと、近未来を感じさせるデバイスだ。VRゲームでこういったデバイスがあると、没入感を高めてくれるのがいいところ。自分の意思で、好きなタイミングで使用していくことで腕に馴染んでいき、次第に世界に溶け込んでいける。

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方向音痴には欠かせないナビ機能。
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『スター・ウォーズ』でよく見かけるホログラムが目の前で見られる!
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手をかざしてスキャンする動作もクセになる。

 腕のデバイスと合わせて冒険を手助けしてくれる、ツールの存在も本作の大きな魅力のひとつ。ツールは序盤に手に入る修理道具のようなもので、ボルトを回す・電気を流す・火を出すと3つの機能を備えている万能道具だ。

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 冒険の途中には閉じている扉や、道具が保管されているボックスなどが登場する。これらをツールを使って開けていく、修理技術者らしいシステムもプレイ中の醍醐味だ。

 ボルトを回す、バーナーで溶かすといったアクションを使って、アイテムをゲットしたり、先に進んでいくのが本作の基本となる。自身の手を動かし、ゲーム内に影響を及ぼす楽しさはVRならではだ。

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ケーブルをつなぎ直して扉を開けるなど、技術者らしいインタラクトも豊富。

落ちている物はなんでも使う敵との戦闘

 道具を使いながら宇宙船での仕事を進め、貨物を眺めていると本作で敵対することになる“グアヴィアン・デス・ギャング”が襲撃。リーダーの“ターラ・ラシン”に宇宙船はハイジャックされ、突如として銃撃戦に巻き込まれることになる。

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 プレイヤーはフォースを使えるジェダイではなく、ただの修理技術者。当然手元にライトセーバーもないので、相手と同じようなブラスターを使っての戦闘になる。

 戦闘は、お互いに遮蔽物に隠れつつ撃ち合うのが基本。相手が顔を出したタイミングや、移動する瞬間を狙ってブラスターを当てていく。戦闘の難度はノーマルでもそこそこ高く、突撃して銃を撃っているとすぐに倒されてしまった。

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 使用する銃はリロードの必要はないが、連射していると熱がこもり撃てなくなってしまう。そんな時はブラスターの上部に付いたレバーを引いて通気する、リロードに近いアクションが確認できた。

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 また、銃の弾薬という物も存在しないので、エネルギーが切れたら銃は使いものにならなくなってしまう。武器は使い捨てが基本で、倒した敵が落とした銃を拾いながら戦っていくことになる。

 武器以外では、敵の位置を知らせてくれるドロイドなど、サポート道具も使用可能。落ちている道具、ドロイドなどの道具を駆使して、なんとか敵の攻撃をかいくぐっていく。

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 そのほか、特徴的なアクションがHPの回復方法だ。敵に撃たれても自然回復はしないので、タイミングを見計らってアイテムを使う必要がある。このアイテムは手首に装着できるほか、ポーチ内で保管することも可能。使うときは手に持ち、グリップを握ると青い霧が噴射されて体力が回復していく。

 銃撃戦をしつつ、物陰に隠れて体力を回復する動作も没入感を高めるのに役立ってくれる。ボタンを押すよりも、トリガーやグリップを使う頻度が多いので、プレイするほどに没入感は高くなっていった。

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アイテムを使用すると内部の液体も減っていく。こういった細かな動きも見ていて楽しい。

 敵の攻撃をかいくぐり、脱出ポッドに乗って惑星バトゥーへ辿り着いたところから、本格的な冒険がスタートしていく。バトゥーの荒野に墜落した積み荷を巡ったギャングとの戦い、さまざまな種族との出会いなど、バトル・ストーリーどちらも見どころとなっている。

 ある程度進むとC-3POなどおなじみのキャラクターたちも登場するので、『スター・ウォーズ』ファンならとくに楽しめる作品になるだろう。

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 本作はグラフィックのレベルも高く、惑星バトゥーのロケーションもじっくり眺めていたくなるほど作り込まれている。道中ではアイテムが詰まったクレートや、収集物なども配置されており、戦闘だけでなく探索要素も豊富だ。

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 プレイ環境についても調整がしやすく、立ってプレイ、座ってプレイの選択や、移動方法もフリームーブとテレポートのふたつを使用できる。フリームーブはスティックを動かして通常の歩行をする形式。テレポートの場合は、移動したい場所を指定して瞬間移動する。

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 実際に数時間プレイしている限りでは、立ってプレイであればフリームーブをしても酔いはほとんどなかった。一方で、座った状態でフリームーブをすると筆者は少し酔いやすかったので、VR酔いを避けたい人は立ちながら遊ぶのがいいかもしれない。

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