スクウェア・エニックスからプレイステーション4/プレイステーション5、Xbox One/Xbox Series X、Steam向けに、今冬の発売が予定されている『OUTRIDERS(アウトライダーズ)』。本作は自由度の高い協力プレイとダークで奥深い世界観が特徴のCOOPシューターゲームで、未知の惑星エノクに満ちるエネルギー、そこから授かる超能力で超進化した戦闘を楽しめる。開発は『ギアーズ オブ ウォー:ジャッジメント』などを手掛けたスタジオPeople Can Flyが担当。その『OUTRIDERS』のメディア向け体験会が行われ、以下ではそのプレイリポートをお届けする。

 試遊は海外版のもので、本稿で使用している画像や動画も海外版の開発中のものであるため、日本の製品版とは表現に差異がある可能性がありますのでご了承ください。

 体験プレイで触れられたのは、本作の冒頭。そこでまずは、本作のザックリとしたストーリーを説明しよう。

 西暦2076年、人類は新天地を求めて移民船で地球を後にする。目指したのは、地球に近い環境の惑星エノク。到達には地球から約80年かかる距離にある。移民船に乗った主人公たちは、冷凍睡眠ポッドを活用し、ようやくエノクにたどり着いた。

 エノクに到着してみてわかったのが、この星は時空が歪み、電磁嵐が頻発する場所だったということ。星の調査に乗り出した先遣隊“アウトライダーズ”は、調査中に謎の信号をキャッチするも、その発信源に辿り着くことができず壊滅。主人公を含む生存者は、冷凍睡眠ポッドに封印された。

そしてさらに30年が経過する。電磁嵐のおかげで移民たちの持ち込んだ電子機器は使えなくなり、文明レベルは衰退。残されたエノクの入植者たちは、資源を巡り内紛をくり広げていた。そんな状況下で目覚めた主人公たちだが、彼らは磁気嵐の影響か、不思議な力を身につけていた……。

 これが本作のプロローグに当たる物語だ。

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 まずはキャラクタークリエイトとクラス選択から。クリエイトできるキャラクターは洋ゲーらしく、男女問わず濃い感じ(笑)。

 もっとも重要な選択になるのがクラスだ。本作にはそれぞれ特徴の異なる超人的スキルが備わった以下の4つのクラスが存在する。

炎を操るパイロマンサー

炎を自在に操るスキルを持つクラス。圧倒的な火力を誇り、多数の敵を一度に攻撃できる範囲攻撃を複数持つ。

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パイロマンサー

タンクタイプのデバステーター

大地の力を操るスキルを持つクラス。全クラス中、最大の体力と防御力を持つ。最前線で敵の攻撃を一身に受けて味方を守るタンクタイプで、守備系のスキルも複数持つ。

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デバステーター

時間と空間を操るトリッキーなトリックスター

時空操作系のスキルを持つクラス。ヒット&アウェイを得意とし、全クラス随一の移動性能を誇る。敵の足を止め、味方に攻撃のチャンスを用意する

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トリックマスター

サポート系のテクノマンサー

テクノロジーと超常の力を併せを持つ遠距離支援クラス。タレットや機雷を設置し、味方をサポートする。防御力は低いがスキル次第では非常に高い火力を誇る。

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テクノマンサー

 以上、4つのクラスからいずれかを選んでプレイすることになる。今回はトリックスターで遊んでみることにした。

 クラスを選ぶうえで念頭においておきたいのは、本作では物語の途中でクラスチェンジができないということ。その代わり、キャラクター自体は6人作れるので、それぞれのクラスで1キャラクターを作り、残りのふたりの枠に「性別を変えるなどして、もう一度遊びたいクラス」を選ぶ……的なことはできる。
 
 入手した装備品はクラスに関係なく取り出せる“装備品ボックス”があり、フィールドなどで入手した高性能な装備品をそこに預け、ほかのクラスで遊び始めたときに、取り出すことも可能だ。複数のクラスで遊びたい人にとってはうれしい機能だろう。

 さて、30年ぶりに冷凍睡眠ポッドから目覚め、睡眠中に(なぜか)備わったスーパーパワー(つまり、本作のスキル)にもまだ慣れていない主人公。そんなところからゲームは始まる。

 操作はL2トリガーで構えて、R2トリガーで射撃を行う、というこの手のシューティングのお馴染みのもの。一般的なTPSの要領で順調に敵を倒していくと、隣にいたスタッフさんが「ちなみに本作には体力回復アイテムがないんですよ」なんて言い始める。マジかよ!? すでに敵からダメージを受けているんですけど!? TPSは好きだけど、そんなに得意じゃないんですけど!?

  だが、よくよく聞けば、スキルを使って敵を倒すことで体力を回復できるということらしい。それはつまり、自然とクラスの特徴を活かしたプレイが求められるということ。たえば“トリックスター”なら、近距離で倒すことでライフを回復する。なるほど、よく考えられている。

 今回、選択したトリックスターはスキルのレンジは狭め。敵に接近してL1ボタンのブレードで斬りつけるスキルで攻撃しつつ、敵の攻撃に対しては少し距離を取り銃撃するというヒット&アウェイ的な立ち回りがベスト。そしてレベルが上がると、トリックスターの魅力のひとつとも言える、自分を中心としたドーム型の範囲内に入った敵をスローモーションにできる“スロートラップ”スキルも発動できるように。どれくらいスローかと言うと、銃の弾が見えるくらい(映画『マトリックス』のようなイメージだと思っていただければ)。

※一部表記に誤りがあったため、修正しました(9/28 23:30)

 

『Outriders』トリックスター プレイ動画

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手から放たれるブレードのような衝撃波をヒットさせると……
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その衝撃波で(?)、一瞬にして敵が骨だけの姿に! うーん洋ゲーっぽい!

 スキルのリキャストは時間の経過が必要になるが、数十秒といった程度なので、ガンガン使っていける。しかも、スキルはスキルツリーによって強化でき、威力を高めるのはもちろん、リキャスト時間を短縮したり、新たなスキルを入手することもできる。スキルツリーは分岐が多く、同じクラスであってもプレイヤーの好みで個性が出そう。

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スキル“スロートラップ”内にいる者が自分以外はスローに!
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 さらに、強力な銃や防具などを購入&強化したり、敵からドロップしたり宝箱からレアな武器や防具などを入手しながらキャラクターを強くして進めていくという、RPG感覚でプレイできる。しかも、さまざまな武器や装備にも特殊能力が付いており、スキルなどと組み合わせることで、自分だけのキャラクターを作れるとのこと。

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スキルの分岐は細かく分かれており、ルートによっては同じクラスでも性能はかなり変わりそう。スキルポイントはいつでも振り直せるため、さまざまなスキルを試すことも可能とのこと。

 ミッションで入手できる装備品は難易度が高ければ高いほど、いいモノが出やすくなる。難易度は敵を倒した経験値が一定値に達するたびに上限が解放されていき、最大で15段階も用意されている。ただし、高難度のミッションは協力プレイ前提、と言ってもいいくらいの難度だそう。ちなみに、難易度はゲーム中にいつでも変えられるので、「協力プレイをしたいから上げる」、「ソロプレイに戻すから下げる」といったこともが可能。システム的にも状況に応じて難易度を変えることは推奨されているっぽいので、気の向くままに変えていくといいだろう。

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レア武器などを入手てカッコイイ見た目にしたい!

 今回はゲーム開始から序盤1時間程度のところをプレイできたのだが、TPSがメインかと思いきや、クラスごとのスキルの特徴を活かした、アクションゲームにも近い感覚の作品だと言うことを感じた。加えて、キャラクターを強化していくRPGだったり、レアで高性能な装備品を求めてミッションに挑むハクスラ(ハック&スラッシュ)的な楽しみもあったり、シューターが得意ではない人も楽しめる作品になっている。

しかも、物語もしっかり描かれており、カットシーンも見どころ満載だった。「主人公がコールドスリープで眠っているあいだに生存者たちが資源を巡って内紛を引き起こす」といった設定だとか、「久々に目覚めたけど人生にすれ違いが生じて、かつての友人とギクシャクする」なんて描写もあり、そもそも「主人公はなんで超能力を持っちゃったの?」みたいな大きな謎もあり、先が気になる。

 日本で発売されることが先月決まったばかりのタイトルなので、この手のゲームがお好きな方は、ぜひ今後の動向に注目していただきたい。

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協力プレイも楽しそう。