いまから34年前の1986年(昭和61年)9月26日は、ファミリリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト『悪魔城ドラキュラ』が発売された日。

 『悪魔城ドラキュラ』は、コナミ(当時)から発売された2Dアクションゲーム。現在でも続く人気シリーズの記念すべき1作目で、海外では『キャッスルヴァニア』の名前で知られている。プレイヤーは主人公シモン・ベルモンドとなって、邪悪な祈りによって復活を果たした魔王ドラキュラを討つため、単身古城へと乗り込んでいく。“メトロイドヴァニア”というゲーム用語の流行で近年では探索型アクションのイメージが強いかもしれないが、初代作品は純然たるステージクリアー型のアクションゲームとなっている。

初代『悪魔城ドラキュラ』がFCディスクシステムで発売された日。ムチを振るうアクションが爽快で魅力的なゴシックホラー2Dアクション

 本作の魅力は、やはりシモンが振るう武器“ムチ”だろう。当時のアクションゲームの攻撃手段と言えば、もっぱら飛び道具。もしくは『イー・アル・カンフー』のように蹴る殴る。振るう武器ならオーソドックスに剣という場合が多かったが、『悪魔城ドラキュラ』では世にも珍しいムチを扱っていたのがじつに新鮮だった。飛び道具ほど離れて攻撃できるわけではないものの、素手のように超接近する必要もない。剣よりややリーチがあるような絶妙な距離感で戦えるのが楽しく、気持ちいい。何よりシュバッとムチを振るう姿がかっこいいのだ。80年代の人気映画『インディ・ジョーンズ』シリーズで主人公がムチを華麗に使いこなしていたので、若干のあこがれもあったかもしれない。筆者などは、紐状のものがあれば、すかさず振り回していた恥ずかしい記憶もある。

 当時はホラー映画ブームが長く続いていたこともあり、ゴシックホラーな世界観に惹きつけられたユーザーも多かったのではないだろうか。怪しい古城を舞台にした雰囲気もバッチリだが、登場するボスもイカしていてメデューサやミイラ男、死神など、いかにも“モンスター”といった定番どころがズラリ。BGMのファンも多く、筆者もステージ1の音楽ならいまでも口ずさめるくらい聴き込んだ。

初代『悪魔城ドラキュラ』がFCディスクシステムで発売された日。ムチを振るうアクションが爽快で魅力的なゴシックホラー2Dアクション

 いやらしいと言えば、主人公がダメージを受けたときのノックバックが忘れられない。シモンは敵の攻撃を受けると「ヴッ」などと声を発して後方へ弾き飛ばされるのだが、そのせいで穴に落下してしまうといった悲劇も日常茶飯事。この仕様が本作の難度を上げていると言っても過言ではなく、何度も苦い思いをしたのは筆者だけではないはずだ。

 以降、本作はシリーズ化。探索の要素は2作目の『ドラキュラII 呪いの封印』で早くもしているが、本格化するのは『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』から。こちらも初代作品に負けず劣らずの傑作なので、ファンも多いのではないだろうか。シリーズは2Dステージクリアー型アクションと2D探索型アクション、さらには『悪魔城ドラキュラ黙示録』のような3Dアクションという3つのジャンルに分かれ、進化していった。

 2017年には、なんとNetflixでアニメ化。『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』のタイトルで現在シーズン3まで配信されている。なかなかに見応えある作品でシーズン4の制作も決定しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

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