MERJ Mediaは、ブレイクダンスをテーマにしたゲーム『Floor Kids』を、Nintendo Switch、プレイステーション4、PCで2018年5月に日本向けに配信する。なお本作は今週末14・15日に東京・浅草橋で行われるインディーゲームイベント“Tokyo Sandbox”に出展され、試遊できる予定だ。
さて今回、MERJ Mediaとローカライズおよびパブリッシング支援を行っている架け橋ゲームズの厚意により、PC日本語版のプログラムを提供してもらったので、その内容をご紹介しよう。
本作は基本的には、ビートに合わせてボタンを押していく音ゲーの一種となる。しかし“譜面”的なものは存在せず、どう踊るかは完全にプレイヤーの自由。正解のない即興性を重視した内容となっている。
メインのダンスムーブは、大きく分けて“アップロック”(立ち技)、“ダウンロック”(しゃがみ技)、“パワームーブ”(回転技)、“フリーズ”(静止技)の4つあり、キャラクターごとに各カテゴリー4種類の技(つまり合計16)を持っている。
それほど複雑なコマンド入力も必要なく、例えばアップロックなら立っている状態でビートに合わせてA/B/X/Y(Switch版の場合)を押せば、それぞれのボタンに対応した技を繰り出す。
もちろん、高得点を狙うにはある程度のコツが必要で、観客のリクエストに応えた技を出したり、各ダンサーが持つコンボムーブを決めたり、時折ポーズを決めて変化を加えたり、同じ技をあまり繰り返さずにフレッシュな展開に持ち込むことで、それぞれボーナスがついてくる。
また各ダンサーには、「アップロックが得意」「パワームーブが得意」といった特徴があり、それによって得点も異なってくる。高評価を得られれば、次第に追加のダンサーやダンススポットがアンロックされていくという寸法だ。ちなみに、ムーブの確認やコンボの練習をしたい人のために、専用モードも用意されている。
とまぁ、ゲームシステムにあまり縛られずにブレイクダンスの楽しみを味わえる、絶妙な緩さがいい感じな本作。ローカルのマルチプレイモードではダンスバトル(対戦)も楽しめる。
そんな本作の雰囲気に大きく貢献しているのが、確実に“踊れるビート”になっている楽曲と、あえて下書きの線を残したラフなスタイルの手描きアニメーション。曲は、世界的ブレイクビーツアーティスト/DJのKid Koalaによるオリジナル曲を40曲以上収録している。
そもそも『Floor Kids』はゲームになる前の前身となるプロジェクトがあり、Kid KoalaのビートとアニメーターのJonJonによるグラフィックを組み合わせたショートフィルム版『Floor Kids』が2007年ごろに公開されている。
そして、このショートフィルム版をゲーム化するためのアイデアが思いついたKid Koalaが自ら主導して進めたのがゲーム版『Floor Kids』なんである。
実はMERJという母体自体も、プログラマーとして参加することになったMike Wozniewski、Kid KoalaことEric San、プロデューサーのRyhna Thompson、JonJonことJonathan Ngの頭文字を組み合わせた、本作のために作られた合同ベンチャーだったりする。
というわけで本作におけるKid Koalaは、よくある“楽曲提供のために呼ばれてきたミュージシャン”ではなく、ブレイクビーツ愛を注ぎ込むメインクリエイターそのものなのだ。
イベント出展なども実際に本人が関わっており、気合入りまくり。先週ボストンで行われたゲームイベント“PAX EAST 2018”にも出展スタッフとして参加しており、「日本で出せるのはスゴい嬉しいんだよね。バッチリ紹介しといて!」と言われたのでこのようにお伝えした次第。この手の音楽やカルチャーが好きな人なら間違いない内容になっていると思うので、リリースの際はぜひチェックしてみて欲しい。