2018年3月17日、東京都のディファ有明にて、コーエーテクモゲームスの開発チーム・オメガフォースの生誕20周年を記念したライブイベントが開催。『真・三國無双』や『戦国無双』、『討鬼伝』といったシリーズの楽曲が披露され、観客を熱狂させた。イベントの途中には最新作発表などのサプライズも。さらに、ステージにはオメガフォースの開発陣が登壇し、歴代タイトルの楽曲制作秘話についてトークを行った。本稿では、そんなイベントの模様をお届けする。

呂布のテーマで幕開け! 『無双OROCHI』シリーズ最新作も発表された“オメガフォース20周年記念ライブ”をリポート_01

 オメガフォースの名曲が数多く披露された今回のライブ。そんなイベントのスタートを飾ったのは、『真・三國無双』シリーズを象徴する楽曲『DYNASTY WARRIORS』だ。ステージの巨大スクリーンで『真・三國無双』の懐かしい映像が上映されるなか、観客たちは赤、青、緑のペンライトを振り、ライブを盛り上げていた。

 オープニングの演奏が終わると、イベントのMCを務める声優の竹本英史さん(『戦国無双』シリーズ 石田三成役、柴田勝家役)、伊藤かな恵さん(『真・三國無双』シリーズ 王元姫役)が登壇。『DYNASTY WARRIORS』は呂布のテーマ曲としても使われていることもあり、冒頭では竹本さんが「皆さんの逃げ回る姿が目に浮かびます(笑)」と話し、観客の心を掴んだ。

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 ふたりのあいさつが終わったところで、『真・三國無双』シリーズの楽曲からライブがスタート。『真・三國無双7』より『CYCLONIZED TYPHOON』(合肥の戦いの楽曲)、『真・三國無双5』より『SLASH THE DEMON』(虎牢関の戦いの楽曲)を始め、シリーズでもとくに人気が高いと言われている『真・三國無双2』の『ARENA』や、『真・三國無双4』の『GREAT RED SPIRIT』などが演奏された。さらに、今年2月に発売されたばかりの最新作『真・三國無双8』より『SLASH IT;THRASH ALL』も披露され、熱い曲の連続に観客が沸いた。また、楽曲の合間にはギター担当のMASA氏(『真・三國無双』シリーズのサウンドディレクター)からライブ準備の裏話が。初期の楽曲などは保存していたメディアが古く、データを取り出せなかったという、20年の歴史が感じられるエピソードを語った。

 トークパートでは、『真・三國無双』シリーズIPプロデューサーの鈴木亮浩氏がステージに登場し、MCのふたりとともに、シリーズの楽曲制作にまつわるトークを展開。『真・三國無双』は歴史ゲームというよりも、アクションゲームを作るという意識のもと楽曲を作っていったとのことで、中国風のテイストということも気にせず、ノリを大事にしたことを明かした。また、先日発売した『真・三國無双8』については「つぎのアップデートもすでに着手しています」と語り、「『真・三國無双』を『8』で終わらせるつもりはありません」と意気込みを述べた。

 続くライブパートは、『戦国無双』シリーズの楽曲が演奏。初代『戦国無双』から『姉川』と『川中島』、『戦国無双 猛将伝』より『忠勝のテーマ』と『小牧長久手』、『戦国無双2』より『手取川』、『戦国無双3』より『勝機』と、各合戦の楽曲を中心に6曲が披露。ここでは、尺八奏者の中村仁樹さんがバンドに加わり、『真・三國無双』シリーズの楽曲とは一味違う、美しい和の音色を奏でた。そして、本シリーズにまつわるトークでは、コーエーテクモゲームスの代表取締役社長であり、『戦国無双』シリーズのIPプロデューサーを務める鯉沼久史氏と、サウンドディレクターの吉松祥二郎氏が登壇。鯉沼氏によると、『戦国無双』はドラマパートも多く盛り込みたかったため、聴きやすく、かつ和のメロディーも入った曲にしてもらっていたとのことだ。

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 イベントが後半に差し掛かると、『討鬼伝』シリーズの楽曲作曲者であるノイジークロークの坂本英城氏が、ゲストキーボードとして登壇。過去に、『信長の野望・覇王伝』の遊びすぎで仕事がこなくなったなど、軽快なトークで会場を和ませる。楽曲演奏では、中村さんらとともに、『討鬼伝』より『鬼討ツモノ』、『ゴウエンマ』、『ヒノマガトリ』、『討鬼伝2』より『カシリ』、『烈火』の5曲を披露。ステージには、なんと15本もの笛が用意されていたそうで、『戦国無双』シリーズや『討鬼伝』シリーズにおける、和楽器の重要性がよくわかるステージとなった。そんな本シリーズの楽曲制作に関して、坂本氏によると、『討鬼伝』では人類の宿敵となる“鬼”の大きさや形、重さなどを考えて曲を作っていったとのこと。さらに、楽曲演奏後には、オメガフォースブランド長にして、『討鬼伝』シリーズIPプロデューサーの小笠原賢一氏も登場。小笠原氏からは、「『討鬼伝』シリーズについてはメンバーが新プロジェクトの準備をしており、それが終わり次第、『3』も準備していきたいと思っています」と驚きの発表が。この言葉に、客席は大いに沸いた。

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 『討鬼伝』の演奏パートが終わったところで、竹本さんから“つぎの曲で最後”とのアナウンスが。会場からは終幕を惜しむ声が上がったが、竹本さんが演奏楽曲を発表すると一転、大きな歓声が上がった。ここで披露されたのは、『真・三國無双3』の『THE WALL OF FATE』、『戦国無双4』の『戦神』、『討鬼伝』の『英雄ノ進撃』のメドレー。名曲の数々に、会場の熱はさらに上がっていく。そして、最後のメドレーが終わっても会場の手拍子が鳴り止むことはなく、観客席からはアンコールを望む声が。すると、巨大スクリーンに映像が流され、突如映し出されたのは『無双OROCHI3』のティザームービー! 加えて、同作が2018年発売であることも明かされ、大きな拍手と歓声が巻き上がった。さらに、ステージではアンコールに応えたバンドメンバーが再集結。『無双OROCHI3』の発売を記念して『無双OROCHI Z』より『THEME OF OROCHI -REBIRTH MIX-』が演奏されたほか、『戦国無双』の『花の都』、『真・三國無双6』の『CRUSH’EM ALL』も披露。すべての演奏が終わると、鳴り止まない拍手のなかでバンドメンバーが一礼し、イベントが締めくくられた。

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会場にはオメガフォース歴代タイトルの懐かしい展示や、最新作の巨大パネルも。
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