コーエーテクモゲームスは、2017年11月30日(木)発売予定の歴史シミュレーション『信長の野望・大志』について、新要素“志”システムの詳細情報を公開した。

以下は、メーカーリリースを引用して掲載

 当社は、歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズ最新作『信長の野望・大志』(Windows®/PlayStation®4/Nintendo Switch™/iOS/Android)につきまして、今作の大きな新要素である「志」システムによる各大名の違いとして「真田幸村」、「井伊直虎」、「今川義元」の各「志」におけるプレイ感の違いや、AIの違いに関しての最新情報を公開いたしました。

『信長の野望・大志』新要素“志”システムによる各大名の違いを紹介 真田幸村、井伊直虎、今川義元のプレイ感の違いとは_02

(1)真田幸村の志「日本一の兵」の特徴
 本作の新要素である「志」システムは、大名家の特性を際立たせ、その戦略に多様性を与えます。プレイヤーは、プレイする大名の特性を理解し、独自の戦略を練る必要があります。また敵大名も、NPC として「志」のもつ特性を利用しながら、それぞれ独自のAI が作用し、各々の価値判断の下に勢力の維持・拡大を行います。「志」を軸とした大名家ごとの違いをお楽しみいただけます。

 真田幸村も「志」として「日本一の兵」を有しており、「勇士絢爛(ゆうしけんらん)」「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」の2 つの特性を持っています。「日本一の兵」は、大坂の陣にて勇猛果敢な働きを評された逸話から生まれた言葉ですが、その特性も総じて、決戦において発揮されるものが多くなっております。
 本作における部隊同士がぶつかり合う「決戦」では、個々の部隊に士気があり、決戦の長期化や部隊へのダメージなどで、士気は減少し、消失すると部隊は潰走してしまうため、士気を維持しながら采配していく必要があります。また部隊を束ねる総大将の士気の減少や潰走には特に注意が必要であり、自勢力の戦況にも大きな影響を与えます。(本作では兵数を減らすだけでなく、戦況が圧倒的に不利になることでも敗北となります)

 そのような中でも幸村の部隊は、士気の自然回復や潰走部隊の戦線復帰も他勢力に比べ早いため、戦線の維持がしやすく、相手勢力よりも有利な戦運びができるでしょう。さらに、幸村自身の部隊が潰走した場合、一度だけ部隊の士気が全回復するという一発逆転の効果もあるため、戦況の悪化を土壇場で防ぐことができます。しかし、幸村の「志」の特性効果の1 つ「乾坤一擲」は、決戦に敗北すると戦意が大きく下がるというものであり、決戦での一度の敗北が、今後の戦で不利な状況を招きかねません。

 また、敵勢力に侵攻された場合にも強さを発揮するのが幸村の特徴で、自領内で行軍してきた敵部隊の兵糧の減少を大きくする効果により、長期の行軍を防ぐことができます。さらに自領内で決戦が発生すると、幸村の部隊は総じて防御力が上昇します。拠点が包囲されたときも反撃のダメージが大きくなるなど、真田の血筋ならではの見事な防衛戦を展開できるでしょう。ただし、幸村には「決戦に敗北すると戦意が大きく下がる」という欠点以外にも、「拠点の兵糧収入が減る」という内政面におけるマイナス要素があります。兵糧が少ないと、戦を仕掛けることもままならないため、どのように兵糧を確保していくか、プレイヤーの戦略が問われます。

 他にも真田家は幸村の父である昌幸、兄の信幸もそれぞれ固有の「志」をもっております。昌幸の志である「六文銭」は、外交面において強い効果をもったものが多く、信幸の志「真田の守神」は、内政面において発揮される特性となります。その一方で、「不惜身命」の志特性は、三人とも共通して所持しており、一族の繋がりも表現されています。

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志特性「勇士絢爛」には、大名部隊潰走時に一度だけ士気が全回復し、戦況が悪化しない効果がある。
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上田城築城の際に、縄張りについて語り合う昌幸と幸村のイベント。この経験が、後の真田丸構築に役立ったとも言われている。
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『信長の野望・大志』新要素“志”システムによる各大名の違いを紹介 真田幸村、井伊直虎、今川義元のプレイ感の違いとは_04
左側が本作『信長の野望・大志』の沼田城であり、右側が前作『創造』の時の沼田城。本作のマップでは、地形の勾配や城の作りなどがより精細になり、丘城や崖城とも呼ばれたこの沼田城も美しく描かれる。

真田幸村の志「日本一の兵」の特性および効果一覧

●特性:勇士絢爛
牢人の矜持:足軽の俸給が安くなる
真田忍軍:領内に入った敵の兵糧消費が増える
不退転:大名潰走時に一度士気が全回復し、戦況が悪化しない
根無し草:拠点の兵糧収入が減る

●特性:不惜身命
冥府渡:士気自然回復量が増え、潰走した部隊の復帰が早くなる
地の利:領内で決戦すると、部隊の防御力が上がる
真田丸:籠城戦で強攻に対する反撃が強くなる
乾坤一擲:決戦に敗北すると、戦意が大きく下がる

(2)井伊直虎の志「井の国」の特徴

 井伊直虎の志は「井の国」であり、「豪商援助」「名将の養育者」という2 つの特性が用意されています。特性効果として、内政面や外交面に秀でたものが多く、自勢力の地盤を固めるのが得意な大名といえるでしょう。
 内政では、まず拠点の人口が増えやすい、すなわち拠点で流民を獲得しやすいという特徴があります。本作では、流民は農民(または農兵)でも足軽でもない人口層を指しますが、彼らは農地が増えれば農民となり、金銭を毎月払えば足軽となるため、拠点の人口基盤の源となる存在です。流民が少ない拠点では、農民や足軽の数に限界があるため、領土の発展が滞ります。この点で、直虎は領内発展をさせやすいベースが整っている大名となります。また農業では寺のある拠点での兵糧収入が増加する、商業では自領内の商圏での金銭収入が増加するといった効果があり、他大名よりも大きな収入が見込めます。

 外交では、「同盟勢力が実行済みの方策を獲得でき、方策実行に必要な施策力も減少する」という「志」の効果があります。つまり、同盟勢力が多ければ多いほど有利になることを表します。(方策とは各勢力運営にボーナスをもたらす効果であり、評定における家臣の提言の採択で獲得できます)。

 しかし、直虎にもプラスの効果ばかりでなく、デメリットも存在します。まず外交においては、自勢力より大きな勢力との交渉は基本不利になりやすく、援軍要請などにおける条件交渉で大きな要望を突きつけられる可能性が高まります。また、軍事面において、「決戦」で敗北すると民忠が大きく下がってしまう効果もあります。本作では合戦の長期化や拠点の兵糧収入の低下などで民忠が下がるため、内政面での強化を得意とする分、しっかり富国強兵を行わなければなりません。

 史実でも井伊家の当主となり、お家を守ったという逸話がありますが、どのように豊かな国を作り、そして守っていくかが直虎をプレイする際のカギとなるでしょう。

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志特性「豪商援助」の効果によって、領内の商圏から得られる収入が多くなるため、他勢力から領地を切り取ることも一手。
志特性「豪商援助」には、自勢力より大きい相手との交渉が不利になるというデメリットも。
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井伊谷の全景。井伊家の領内には、直虎が出家したとされる「龍潭寺」が見える
内政向きの志効果を持っている直虎は、自ら他家への侵攻は積極的でなく、時にお家を守るため従属することも選ぶ

井伊直虎の志「井の国」の特性および効果一覧

●特性:豪商援助
龍潭寺の次郎法師:寺のある拠点の兵糧収入が増える
虎の守る谷:拠点の人口が増えやすくなる
徳政拒否:領内の商圏の金銭収入が増える
目付役:自勢力より大きい相手との交渉が不利になる

●特性:名将の養育者
竜宮小僧:評定で大名自らが発言できる
一粒種:一門武将の成長が早くなる
三河の庇護:同盟勢力が実行済みの方策を獲得でき方策実行に必要な施策力も減る
繋ぎの領主:決戦に敗北すると民忠が大きく下がる

(3)今川義元の志「独立独歩」の特徴

 今川義元は「独立独歩」という「志」をもっています。大兵力で戦うことを得意とする他大名と比べても珍しい特長があります。「志特性」は「今川仮名目録」と「公家招致」です。史実でも今川家が制定した分国法の名前に由来する、志特性「今川仮名目録」は、主に内政面において大兵力の調達を支援する働きがあります。効果の1 つ「寄親寄子制」は農兵が納める兵糧を増加させ、農兵の募兵速度を上げることができます。さらに同じく「守護不入の禁」の効果により、寺が周辺にある拠点は、より兵糧収入が増加するため、兵だけでなく軍事活動の基盤そのものを整えてくれます。
 また一方の「公家招致」は、その名の通り朝廷との関係で効果を発揮します。「朝廷外交」の効果で、朝廷の使者の来訪頻度を高めるとともに、彼らの要求に応えることで「滝口の武士」の効果が働き、周辺大名の心証が改善されます。そのため、他勢力の加勢や同盟での援軍を受けやすくなり、外からの兵力調達に繋げることができます。

 このように内と外から調達した兵力を決戦に投じることで、「海道一の弓取り」の効果である“敵より多い兵数で決戦すると部隊の攻撃力が上がる”という状態に結びつけることができ、戦争を有利に進めることができます。
 しかし、これら「志特性」のデメリットも決戦に表れてしまいます。決戦中は「輿の歩み」の効果により、部隊の進軍速度が遅くなるため、兵の展開が遅れてしまいます。また、決戦に一度敗退すると、各拠点の民忠は通常よりも大きく低下してしまいます。さらに、大兵数を率いることが持ち味の義元ですが、今回の合戦システム「行軍」での戦場選びにより、大兵数を収容しきれないような戦場での決戦に持ち込まれると、その持ち味も活かせないため、行軍時には注意が必要です。

 敵大名としての義元は、史実同様に上洛を目指し、まずは尾張を狙うでしょう。しかしシナリオ、または武田や北条との関係如何では、甲斐や相模など関東甲信の要衝をおさえに来る可能性もあります。史実では桶狭間にて死亡する義元ですが、もし史実ではない展開が起これば、東海最大の勢力として周辺勢力を飲み込むかもしれません。

『信長の野望・大志』新要素“志”システムによる各大名の違いを紹介 真田幸村、井伊直虎、今川義元のプレイ感の違いとは_10
『信長の野望・大志』新要素“志”システムによる各大名の違いを紹介 真田幸村、井伊直虎、今川義元のプレイ感の違いとは_12
志特性「公家招致」の効果によって、朝廷からの使者が来訪しやすくなる。朝廷の使者に対価を支払うことで、官位が手に入る。
志特性「今川仮名目録」の効果により、敵より多い兵数で合戦すると部隊の攻撃力が上がるため、広い戦場を選択するのが吉。
『信長の野望・大志』新要素“志”システムによる各大名の違いを紹介 真田幸村、井伊直虎、今川義元のプレイ感の違いとは_01
『信長の野望・大志』新要素“志”システムによる各大名の違いを紹介 真田幸村、井伊直虎、今川義元のプレイ感の違いとは_08
本作でも「桶狭間の戦い」のイベントは収録。史実の通り、桶狭間を戦場にして合戦することとなる。(本作は郡ごとに戦場が変化)
敵大名としての義元は上洛を目指す。東海道を通って近畿に向け進軍。上洛の途上にある国々に対して侵攻してくる傾向がある。

今川義元の志「独立独歩」の特性および効果一覧

●特性:今川仮名目録
寄親寄子制:農兵の納める兵糧が増え、農兵の募兵速度が上がる
海道一の弓取り:敵より多い兵数で決戦すると、部隊の攻撃力が上がる
守護不入の禁:寺・神社のある拠点の兵糧収入が増える
遠州錯乱:決戦に敗北すると民忠が大きく下がる

●特性:公家招致
朝廷外交:朝廷からの使者が来訪しやすくなる
滝口の武士:朝廷の要求に応じると他勢力の心証が上がる
公家下向:拠点の人口が増えやすくなる
輿の歩み:決戦で部隊の移動速度が下がる

(4)登場武将は2,000 名超! 今作描きおろし武将が多数登場

 今作での登場武将のうち、描きおろしの武将や姫たちも多く登場します。今回は真田幸村、本井伊直虎、今川義元のグラフィックなどをそれぞれ公開いたします。

(5)小山P&木股D による実況解説動画公開!

 本日11 月24 日(金)に小山プロデューサーと木股ディレクターが本作のゲームシステムをわかりやすく実況解説を行った動画を公開いたしました。今回は「外交」編、「決戦」編になりますのでぜひご覧ください。