ゲーム内容も開発現場も、完全に限界を超えています!
バンダイナムコエンターテインメントより、2017年2月2日に発売される『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4 ROAD TO BORUTO』(以下、『RTB』)。本作は、バンダイナムコエンターテインメントとサイバーコネクトツーがタッグを組んで贈る『ナルティメットストーム』シリーズの最新作だ。世界累計出荷本数が200万本を超える大ヒットとなった忍道対戦アクションバトル『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4』(以下、『ストーム4』)に、ナルトの息子ボルトを主人公として描く映画『BORUTO-NARUTO THE MOVIE-』をベースにした新モードや新キャラクターを加えた、究極のタイトルとなる。
人気シリーズの最新作というだけではなく、約14年にわたって支持され続けてきた『ナルティメット』シリーズの集大成となる本作。それだけに、開発陣も特別な想いを持って開発に臨んでいるはずだ。そこで本稿では、『RTB』開発陣にインタビューを実施。本作の詳細情報や、開発にかける想い、熾烈な開発現場の裏話まで、たっぷりと語っていただいた。
中河美穂氏(写真中央、文中は中河)
サイバーコネクトツー 代表取締役
松山 洋氏(写真右、文中は松山)
サイバーコネクトツー プロデューサー
西川裕貴氏(写真左、文中は西川)
※本記事は、週刊ファミ通2016年12月28日号(2016年12月15日発売)に掲載された記事に加筆したものです。
ユーザーの要望に応えた新モード“ボルト伝”
――そもそも『RTB』の企画は、いつごろからスタートしたのでしょうか?
松山 前作『ストーム4』の開発が終わってからですね。
中河 『ストーム4』では、初回特典のプレイアブルキャラクターにボルトとサラダを入れさせていただいたのですが、その反響がとても大きくて。映画自体に対しても、お客様から非常にいい反響があったんですね。そんな中で、サイバーコネクトツー(以下、CC2)さんと、どちらからともなく企画が立ち上がりました。
――『RTB』の販売形態は、DLCアップデートパックあり、全部入りの通常版もありと、ユーザーにとってうれしい形ですよね。このような形態に決めた理由を教えてください。
中河 『ストーム4』のときのお話ですが、発売後に、アンケートなどいろいろな形でユーザーさんの声を見ていたところ、「追加で入れてほしいキャラクターはこれです!」などといったご要望がとても多かったんです。
――なるほど。『ストーム4』をもっと楽しみたいというユーザーが多いのですね。実際、『ストーム4』のDLCが発表されたときには、非常に大きな反響がありました。
中河 はい。発表した瞬間から、「ずっと待っていました」というようなお声をたくさんいただきました。今回は、新しいものをこれだけたっぷり詰め込んだ内容になりましたが、やはり『ストーム4』を楽しんでいただいたユーザーの皆さんにもたくさん遊んでいただきたいな、と考えて、検討した結果、このような形になりました。
――『ストーム4』の開発はいろいろと試行錯誤もあり、たいへんだったとお聞きしていますが、今回はいかがでしたか?
松山 『ストーム4』では、PS4タイトルの開発が初めてということもあり、お客様にも、関係各所にもご迷惑をおかけしてしまいました。でも1本経験したことで、ノウハウも蓄積されています。ですので今回は、演出面や絵作りなどはもちろん、すべての面で、胸を張って、『NARUTO-ナルト-』ゲーム1作目の開発開始から約15年の集大成と言えるものになりました。
――『ストーム4』のユーザーからは、いろいろな意見も寄せられたことと思いますが、それは『RTB』に反映されていますか?
松山 新モードの“ボルト伝”は、ストーリーモードとアドベンチャーモードを同時に遊びたい、という声に応えたものですね。ただ、今回は根本的なシステムには手を入れていません。というのは、だいたい新システムを入れると、賛否両論になるもので、気に入ってくれる方もいれば、「前のシステムのほうがよかった、もとに戻してほしい」と要望する方も出てくるんです。でも『ストーム4』では、「これはいい!」という声ばかりで。また、従来の『ストーム4』のプレイヤーと、『RTB』を購入した方とが対戦できなくなってしまってはいけないということもあって、根本的なシステムは『ストーム4』から引き継いでいます。もちろん、新しいキャラクターを追加したり、よりキレイに、迫力が増すように、といったことはしていますよ。
――なるほど。バトルについては、かなり極めている人も多いでしょうし、急にシステムが激変したら困ってしまいますよね。
松山 オンライン対戦を極めている人は、やっぱりいらっしゃいますからね。弊社でも、社内でトーナメント戦をやったりしていますし、強いスタッフがたくさんいるのですが、お客様と戦うと、まあ勝てないです(笑)。たまに、10回のうち2回くらい勝てたりしますが、「これはお客様が気を使って勝たせてくれたんじゃないか?」と感じたりするくらい(苦笑)。
中河 『ストーム3』のころまでは、勝てていたんですけどね……。
松山 そう、あのころまでは、ウチのスタッフもボチボチ勝てていたんだけどなぁ。いまはもう無理ですね。
中河 『レボリューション』ぐらいからですかね。もうユーザーさんが本当に強くなって、歯が立たなくなってしまいました。
――でも、開発チームの猛者でも歯が立たないくらいまでやり込んでもらえるなんて、うれしいことですよね。
松山 そうですね。それに、シリーズを重ねるにつれて、やれることが増えたぶん、必勝法がなくなってきた、というのもあるでしょうね。対戦アクションとして公平性のあるシステムをきちんと作ることができたからこそ、結果的に皆さんに長く遊んでもらえているのではないかと思います。