映画を見る前に知っておくとより楽しめるポイントをピックアップ

 2002年に公開された映画『バイオハザード』は、それまでゲームの映画化はヒットしないという定説を覆し、世界的大ヒットを記録してシリーズ化。いっぽう、原作となったゲームの『バイオハザード』も20年の歴史を持つ人気シリーズで、サバイバルアクションゲームの金字塔として、多くの人々を魅了し続けてきた。
 そんな歴史と伝統、そして圧倒的人気を誇る『バイオハザード』だが、映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』(2016年12月23日世界最速公開)とゲーム『バイオハザード7 レジデント イービル』(2017年1月24日発売)がほぼ同時期に登場するなど、年末年始は『バイオハザード』旋風が世界を席巻する! そこで、この現象に乗り遅れないためにも知っておくべき重要なキーワードや、映画とゲームの共通点などをまとめて紹介。この情報を知れば、『バイオハザード』をより深く楽しむことができるはずだ。

映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』をより楽しむためのポイントをファミ通が全力で大紹介!_01
※本稿では、ゲームでの基本的な設定部分については、ゲーム版『バイオハザード』の第1作から第6作までのナンバリング作品を元にしています。また、映画とゲームのタイトルについては以下のように略称で掲載しています。
映画:『バイオハザード』=『映画1』、『バイオハザードII アポカリプス』=『映画2』、『バイオハザードIII』=『映画3』、『バイオハザードIV アフターライフ』=『映画4』、『バイオハザードV リトリビューション』=『映画5』
ゲーム:『バイオハザード』=『バイオ1』、『バイオハザード2』=『バイオ2』、『バイオハザード3 LAST ESCAPE』=『バイオ3』、『バイオハザード4』=『バイオ4』、『バイオハザード5』=『バイオ5』、『バイオハザード6』=『バイオ6』

すべてはアリスの目覚めから始まった!

 映画シリーズの主人公にして、その存在自体に最大の謎を含んでいるキャラクター、アリス。アンブレラ社の特殊工作員として、秘密研究施設・ハイブの入り口の警護を担当していたことから、ウイルス流出事件に巻き込まれてしまうことに。自身も感染するものの、T-ウイルスへの適合をみせ、結果的に人知を超えた特殊能力を得る。しかし、そのためにアンブレラ社に研究対象として追われ続けることに。事件以前の記憶に関しては、未だ失ったままとされているが……。
 映画シリーズの主役で、ゲームには登場しないオリジナルキャラクターのためか、その素性には多くの秘密が残されている。完結編となる『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、これまで謎とされていた“アンブレラ社の陰謀”、“T-ウイルスの開発”に加え、“アリス誕生”に関する秘密が、ついに明かされることになる!

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▲映画オリジナルキャラクターながら鮮烈な印象を与えてくれたヒロイン。いまや『バイオハザード』と言えばアリスとも言っても過言ではないほどの存在感を示している。最終作『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、長らく秘密のベールに包まれていたアリス誕生の秘密が、ついに明かされることに!!

POINT1:まずは映画とゲームの共通キーワードを理解しておこう

 映画とゲームの『バイオハザード』は、ウイルスを利用して生物兵器を開発する企業と、そのウイルスが流出したことによって起こる壊滅的な“バイオハザード”被害が発生するという、ゲームの基本設定部分は踏襲されたものとなっている。ここからは、映画とゲームに共通するキーワードをピックアップして紹介。

バイオハザード
 細菌やウイルスなどによる、生物災害を指す言葉で、自然界で発生するものから、人為的に作り出されたものまで、さまざまなケースが想定される。映画やゲームの『バイオハザード』でも、ウイルスによる生物災害が発端となり、危機的状況に陥る人々の活躍が描かれている。
 ちなみに、海外版の映画、ゲームの原題は『Resident Evil』で、意味を直訳するとResident=“居住者”、Evil=悪。『バイオ1』の舞台となった洋館を指して、“そこに潜む恐怖”といった意味合いを持ったものと考えられる。2017年1月24日に発売されるゲーム、『バイオハザード7 レジデント イービル』(海外版は『RESIDENT EVILL biohazard』)で、初めてダブルミーニングタイトル(生物災害、そこに潜む恐怖)が実現している。

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アンブレラ社
 ヨーロッパに本拠を置き、人類の明るい未来のために日々新薬の開発に取り組んでいる国際的規模の製薬会社。社名の由来は、人々の健康を庇護する傘から取られている。ただし、その裏では極秘裏に生物世紀の研究・開発を推し進めており、結果的に人類を滅亡の危機に陥れてしまうことになるのだが……。『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、同社の真の目的がついに明かされる!?
 ゲームにおけるアンブレラ社も映画と同様、製薬会社を隠れ蓑に裏で生物兵器の開発を進めていたが、ラクーンシティ壊滅後にウイルス漏洩の責任を追及され、後に廃業に追い込まれている。

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T-ウィルス
 早老症や筋ジストロフィーといった、消耗性疾患を改善することを目的に作り出されたウイルスで、ジェームス・マーカス博士の手によって作り出された。発見当初は、あらゆる病気に効果的な万能薬と思われていたが、適合しない者を死に至らしめた後、その細胞を蘇らせ凶暴化させるという恐るべき副作用を備えていた。しかし、アンブレラ社はこのウイルスを使って、さらなる恐ろしい計画の実行を画策することに……。
 ゲームでは、“始祖ウイルス”をベースに作り出された変異ウイルスで、映画と同じように感染力が非常に高く、感染者は意志や痛覚を失い、本能にしたがって動くアンデッド状態になってしまう。また、人間や犬以外の動物や昆虫、植物などにも感染し、凶暴なクリーチャーと化していた。

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ラクーンシティ
 アメリカ合衆国の中西部に位置する、周囲を森林地帯に囲まれた都市。街の産業の大部分にアンブレラ社が関わりを持つことになり、事実上アンブレラ社の企業城下町となっている。『映画2』のウイルス流出事件によって街は壊滅的ダメージを受け、事態の収拾を図ったアンブレラ社の手によって爆撃されたことにより街そのものは壊滅してしまう。しかし、生存者のジルたちの証言もむなしく、市の壊滅は原子力発電所のメルトダウンによるものとされ、ウィルス蔓延の事実ともにもみ消されてしまった。『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、すべての物語が始まった地として、ラクーンシティにアリスが舞い戻ることになるのだが、そこで一体どのような事実が明かされるのだろうか……。

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S.T.A.R.S.
 特異な犯罪や凶悪事件に対処するためにラクーン市警察に設置されたラクーン市警察の特殊部隊で、Special Tactics And Rescue Service(特殊戦術・救助部隊)の略称。アンブレラ社を始めとする民間企業からの資金援助も受けており、通常の公的機関とは性質が異なっている。『映画1』にはS.T.A.R.S.のメンバーが登場するが、全員映画オリジナルのキャラクターで構成。『映画2』で初めてゲームに登場したS.T.A.R.S.所属隊員として、ジル・バレンタインが登場する。
 ゲームでは、ジルのほかにクリス・レッドフィールドやバリー・バートンらが隊員として所属しており、アルバート・ウェスカーが隊長を務めていたが、1998年にラクーンシティで起こったウイルス州出事件でほとんどのメンバーが殉職。ラクーンシティ壊滅とともに、隊の存在も事実上消滅となってしまった。

POINT2:映画版オリジナルキャラクター&キーワードを紹介

 映画版の『バイオハザード』は、ゲームの基本設定を活かしながらも、主人公のアリスを中心としたオリジナルストーリーが描かれている。そのため、独自の設定やキャラクターなども多数登場し、これまでの物語を盛り上げていた。そこで、ここからは映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』をより楽しく見るためにも役立つ、ゲームには登場していない重要なキーワードやオリジナルキャラクターなどを紹介していこう。
※キャラクター名の後ろの()内は演じた役者名

The HIVE(ハイブ)
 アンブレラ社が秘密裏に生物兵器の研究・開発を行う研究所で、ラクーンシティの地下深くに建造された施設。その形状が蜂の巣(Hive)に似ていることから、ハイブと呼ばれるようになった。『映画1』の時点では約500名のスタッフが働いていたが、ウイルス流出により、大半が死亡、そしてアンデッド化している。映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、このハイブが物語の重要な場所としてふたたび登場し、その内部に隠されている秘密が明かされることになる。
 ちなみに、アンブレラ社はラクーンシティ以外にも、世界各国の主要都市の地下に秘密の研究所を有しており、そのひとつは東京、渋谷のスクランブル交差点下に隠されていることが、『映画4』で描かれていた。

アリス計画
 ウイルスと適合し、自我を保ったまま超人的な能力を保持するアリスの能力を研究するために、アンブレラ社が実行している計画。アンブレラ社所有の衛星によりアリスの所在置は常に把握されており、その活動自体もコントロール可能であったが、覚醒したアリスの能力はアンブレラ社の支配を上回る結果に(『映画3』)。『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、アリス計画の真の目的と、その結末を知ることになるはずだ。

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▲過去には、T-ウイルスに耐性を持つアリスを研究するため、クローン・アリスを製造しての実験も行われていた。『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、オリジナルアリスとアリス計画の全貌がついに明かされる!?

レッドクイーン(エヴァ・アンダーソン:『バイオハザード:ザ・ファイナル』)
 アンブレラ社が開発した人工知能型インターフェース。開発者の娘をベースにした立体ホログラム映像が表示されており、対話形式でコミュニケーションを取ることが可能となっている。ハイブでのウイルス漏洩事件の際は、さらなる流出被害を防ぐため、研究所を封鎖。結果的にアリスらを研究所内に閉じ込める結果に。最新作では、48時間後の人類滅亡を予言し、アリスにふたたびラクーンシティのハイブに戻ってくるよう指示を与えている。基本的には、人類を守るようにプログラムされているはずの彼女が、いったいなぜこのような行動を取るのだろうか。その真意はいったい……?
 ちなみに、『バイオハザード:ザ・ファイナル』のレッドクイーンは、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督夫婦の実娘であるエヴァ・アンダーソンが演じている。アリスとレッドクイーンという、重要な役柄での初の親子共演にも要注目!

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▲人工知能のため、優しさや哀れみといった感情は持ち合わせておらず、常に論理的な思考に基づいた判断を下していたのだが、その行動の裏にある真の目的とはいったい……?

サミュエル・アイザックス博士(イアン・グレン)
 アンブレラ社の実験開発担当研究員として『映画2』、『映画3』に登場。目的のためなら人命も厭わない冷酷な性格で、大量に製作したクローン・アリスを使ってさまざまな実験をくり返しており、時には部下を犠牲にする非情さも持ち合わせている。『映画3』では、アンブレラ社幹部の命に背き、勝手に研究を進めた結果、アンデッドに襲われウイルス感染。抗ウイルス剤を投与するものの突然変異を起こしてしまい、最強の生物兵器・タイラントと化し、アリスに襲いかかってくる。最終的にレーザートラップによって倒されたはずだが、『バイオハザード:ザ・ファイナル』で三度目の登場を果たすことに。アリス計画の首謀者のひとりでもあるアイザックス博士が、どのような形で復活を遂げ、物語に関わってくるのだろうか……。

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▲写真右がサミュエル・アイザックス博士。左は、開発者の意のままにコントロールできるように開発を行っているスーパーアンデッド。

レーザートラップ
 ハイブ内にある、侵入者対策用に設置された罠のひとつ。通路内に張り巡らせたレーザー光を移動させることで、侵入者の身体を切り刻んで排除するといった過激なものとなっている。『映画1』では多くのS.T.A.R.S.隊員たちがこのレーザートラップの犠牲になったほか、『映画3』ではタイラントと化したアイザックス博士にトドメを刺す場面でも登場している。『バイオハザード:ザ・ファイナル』では、アリスに襲いくるレーザートラップの姿を見ることができる。この難攻不落のトラップから逃れる術はあるのか。
 このトラップは映画版オリジナルのものとして登場したものだが、『ゲーム4』で流用され、同様の仕掛けがレオンの行く手を阻んでいた。

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▲アリスの立っている通路の両側の壁からレーザーが照射され、侵入者を追い詰めるように迫りくる。この狭い通路の中でレーザートラップに襲われたら、常人ならひとたまりもないところだが、アリスはどのようにしてこの危機を切り抜けるのだろうか……。