全体の8割が2014年以降のリリース

 Valveが運営する、PCゲーム配信プラットフォーム“Steam”。Sergey Galyonkin氏による“Steam Spy”は、そのSteamの公開データから各ゲームの所有者数や実プレイヤー数などを割り出して提供する第三者データベースだ。

 本日、そのSteam Spy調べのデータとして、Steamの全ゲームの配信年による内訳が公開された。なんと全体の約38%にあたる4207本が2016年リリースのゲームで、2015年以降リリースのゲームに対象を広げると全体の64%、2014年以降だとなんと全体の80%にも及ぶという。

 なおSteam Spyのデータベースそのものでは全ゲーム数を1万2155本と表示しているが、発表している数字からすると、今回の調査では1万1000本近くを対象にしているものと思われる(Galyonkin氏によると、DLCなどゲーム本編以外のものや、ユーザー数が記録されていないゲームは除外して計算しているとのこと)。
 あくまで公開データからの外部の第三者による計算なのと、再リリースなどで実際の発売日とずれることもあるSteam上の配信日を検索に使っているために微妙な誤差はあると思うが、多くの人が感じているだろうインディーブームの加熱具合とSteamの市場としての急成長を示す、おおよその実勢は示しているんじゃないだろうか。

 これは、ゲーマーとして選択肢の増加自体はいいことであるものの、ゲーム開発者や、好きなゲームが盛り上がって欲しいファンとしてみれば、ゲームが以前よりも埋もれやすくなっている危険性を示す。Steamが近年、ユーザー投票によってSteamでの配信権を認めるGreenlightプログラムで門戸を広げる一方、“Steamキュレーター”や“ディスカバリーキュー”といった、まだ知らない新たなゲームに出会うための施策を次々と投入しているのも、本数過多で市場が硬直してしまい、各々にとって最適なゲームに出会えなくなるのを避けるためだろう。配信タイトルの多様性と収益のバランスがなんとか維持されるよう祈りたい。