下準備だけでもたいへん? 飛び散る火花と激しい熱!

 ゲームオンが提供するPC用MMORPG『ArcheAge』。さまざまな生産業を堪能でき、船を建造して航海し、さらにはプレイヤー自身が勢力を立ち上げて国家を作ることも可能。幅広い生活系コンテンツが魅力のタイトルだ。

 2016年12月、そんな『ArcheAge』に新種族“ドワーフ”が実装される。ファンタジー作品ではおなじみのこの種族。もはや説明するまでもないだろうが、『ArcheAge』では鍛冶を得意とする種族となるらしい。

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▲ドワーフと言えば鍛冶。日本における鍛冶と言えば、刀でしょ!
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▲頭部のツノが特徴的な“ウォーボーン”も同時に実装されるが、今回はドワーフにスポットを当てる。

 ドワーフの実装を控えた2016年秋、日本運営プロデューサー“ルシP”こと石元一輝氏が、実際に刀鍛冶を体験するという企画が実施された。唐突な話で申し訳ない。

 ゲーム内での鍛冶といえば、その場でメニューを開いてコマンドを選択したら、少し待つだけで装備が剣や鎧ができ上がるのが一般的だ。だが、生活系コンテンツにこだわる『ArcheAge』としては、やはり鍛冶の本質も知っておきたいということだろうか。

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▲いざ刀鍛冶に挑もうとする、ルシPの作業開始前の雄姿。取材に参加したメディア陣も鍛冶体験をさせてもらった。それにしてもルシPは作業着が妙に似合う。

 なお、鍛冶体験は、日本の武道具をさまざま取り扱う“ブドウショップ”さんと都内某所の鍛冶工房“小柄工房”さんが提携して開催している、刀鍛冶体験ツアーでさせていただいた。

 本稿で「鍛冶の世界を自分も体験したい!」と思われた方がいれば、ぜひブドウショップさんの公式サイトをご参照いただきたい。

◆日本武道具・ブドウショップ(有)公式サイトはこちら

 ではさっそく、工房の様子からお伝えしていこう。刀鍛冶というと、巨大な炉や大がかりな施設を連想する人もいるかもしれないが、今回お邪魔した工房は閑静な住宅街の一角にあった。

 大部屋ひとつ分ほどの空間には、所狭しとさまざまな道具が並び、そのただ中にふたつの“火炉”が。

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▲ふたつの火炉の上には、熱を工房外に換気で逃がすための大きなフードが。火炉には電動のもの(下写真左)と、奥の“ふいご”を前後する手動式のもの(下写真右)があり、おもに手動のものが使われていた。
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▲こちらがゲーム内の溶鉱炉。

 鉄をこの火炉で熱して打つのか……と思ったら、最初の作業は“炭切り”から。燃料となる炭を、作業過程で必要になる温度調整のため、大きさを分けて切っておく。

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▲炭切りは刀鍛冶の修行の中でも大事な初歩とのこと。さまざまな大きさの炭が大量に必要になるため、炭の準備は地味ながら鍛冶の要となる。

 そして、刀の原料となる“玉鋼”も見せていただいた。これが手に持ってみると、ずしりと重い。

 この玉鋼をそのまま刀に加工するわけではない。まずは“水挫し(みずへし)”という作業で、炭素量が多く刀に適さない部分を玉鋼から取りのぞく。

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▲水挫しをするため、さっそく炉に火を入れる。手動の“ふいご”で圧縮され、勢いよく送り込まれる空気で炭が燃え上がる。手動で簡単そうとあなどるなかれ。これだけで鉄が溶ける1300度超の温度に達するのだ。
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▲炉の中に入れた玉鋼が溶け始めると、このように火花が大きく上がり始める。熱しすぎて溶けないところで取り出し、水をかけつつ鎚で打つ!

 水をかけて急速に冷やしつつ打つと、炭素量が多い部分が自然と浮き出し、外側で酸化しつつ固まり始める。これをさらに鎚で打つことで、その悪い部分が細かに砕けて飛び散る。まだ赤熱している飛び散った部分が、打ったときには火花として見えるわけだ。

 筆者もこの水挫しを体験させていただいたが、鎚はかなり大きく重い。だが振り下ろすのではなく、腰と上半身ごとまっすぐ“落とす”ように玉鋼に打ちつけると、驚くほど簡単に、正確に打つことができた。

 こうしてまっすぐ落とすように打つことで、鎚が玉鋼に対して水平に入る。この角度も、悪い鉄を効率よく取り除くために重要なのだそうだ。

 ちなみに、目の前に赤く溶けた鉄があり、それを溶かした炎があるという状況だが、室内気温はそこまでは高くはならない(夏は地獄のようになるそうだが)。とはいえ、気温とは別に、つねに顔をちりちりと焼くような熱波が押し寄せてくる。かいた汗も、一瞬で乾いていく。

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▲初めて燃え上がる炉や赤熱した玉鋼を見た筆者には、ここが幻想的な空間に感じられた。だが現実の工房内は、周辺の金属製品が軽く数百度になる危険地帯。使い古していない新品の軍手だと、作業中に軽く燃え上がるというとんでもない世界だ。

 不純物を取り除き、平たく打ち伸ばして冷やした玉鋼。続いてはこれを割った断面の粒子の荒さで、炭素量を見極める“小割り”を行なう。玉鋼は含まれる炭素の量によって適した使い道が異なってくる。簡単に言えば、炭素量で硬さが違うのだ。

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▲断面の荒さで、割った玉鋼の破片それぞれの質が分かるらしい。こうして同じ性質の玉鋼の破片をひとまとめにする。

 あとは同質の玉鋼の破片をひとつにまとめてくっつければ、刀やそのほかの鉄製品に使用する玉鋼の塊が完成する。だが、玉鋼の塊そのままでは、炉から取り出したり鎚で強く打ったりするときに、いちいち器具でつかむのは面倒だし、時間がかかってせっかくの熱が冷めてしまう。

 そこで、これ以降の作業をしやすいように、玉鋼を置く“テコ台”とそこに取り付ける作業用の長い取っ手“テコ棒”を準備する。

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▲テコ台は玉鋼の破片を置く台で、あとでそのまま刀の一部になる。使う玉鋼と同質のものを、平べったく打ち伸ばす。
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▲テコ台とテコ棒の先端を炉で赤熱させる。接着剤代わりの特殊な砂をかけて棒の先端を台にくっつけて、打って固定。水挫しのときと違い、鉄の表面が溶ける温度に達しているので、炉から取り出した直後は火花がすごいことに!

 見てのとおり圧巻の作業だが、「じゃあやってみましょう」とあっさりと言われて筆者は唖然。え、このターミネーターだって溶かして倒せそうな作業を素人にやれと……!?

 “ふいご”を自ら動かし、刀鍛冶さんの指示に従い、おっかなびっくり挑戦してみたが……ひと言でいえば、怖い。なにしろ先ほどの“水挫し”と違い、今度は1メートルもない目の前で、1300度の炎が燃え盛っているのだ。熱波はこれまでの比ではない。

 つぎは炉に入れたテコ台とテコ棒を取り出さなくてはならない。火造箸というペンチの親玉のような器具を炎に突っ込んでつかむ。ものすごい熱と目もくらむような光に身がすくむ。危険だ危険だと思い込み、体が勝手に強張っていく。慌てふためいて、金槌を冷却用の水の中に取り落としたりと、ミスも多くなった。

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▲この状態の鉄を目の前にして、完全に腰が引けてしまう。のろのろとやっていると、あっという間にテコ台の表面が冷えて固まり、くっつかなくなってしまう。筆者は3回挑戦し、全部失敗に終わった……。

 いいところなしで終わってしまった筆者。刀鍛冶さんのお話によればテコ付け作業は難しく、プロの皆さんでもうまくいかないときがあるのだそうだ。また、イギリスから体験しにきたお客さんは、テコ付けがうまくいかず、ムキになって丸一日挑戦し続けたらしい。

 ちなみに、まだ刀どころか、材料をひとつに固めるための土台を作っている段階である。序盤も序盤なのに、鍛冶とはここまで凄まじいものなのか……と、プロの技術の一端を身を持って理解できた。

熱などで変わる鋼の特性が、日本刀の性能を生む!

 こうしてテコ台とテコ棒がくっついたら“積み沸かし”を行なう。テコ台の上に玉鋼の破片を何層かに積み、濡らした和紙で包んで固定。さらに芯まで熱が伝わり溶けるように泥水をかける。鋼は溶解を通り越して発火することがあるので、これを防ぐために藁をまぶした灰で表面をコーティングし、炉に入れる。

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▲芯の破片までよく沸かし、徹底的に不純物を外側へと押しやり、鎚で叩いて取り除く。打つ加減によっては破片がうまくまとまらないので、これまでよりも難しい作業となる。

 これでやっと原料の鋼ができた……と思うのはまだ早い。この鋼を、さらにこのあと平たく打ち伸ばしては折りたたんで、また平たく打ち伸ばして折りたたむ……という、“鍛錬”作業が待っている。

 これは相当な熟練者でも、何時間もかかる気が遠くなるような作業。何層にも重ね、打ち伸ばし続けることで不純物が取り除かれ、強い鋼ができあがっていく。

 ブドウショップの方に教えていただいたのだが、破片を積み重ねてまとめ、折り返し鍛錬をくり返した鋼で作った日本刀の刀身には、約3万2000層もの鋼の層が生まれるらしい。

 とてつもない多層状態になった鋼は、西洋の剣のように鋳造で単一に固めた鋼とは比べものにならない硬度を持つ。並の鉄板なら、刀で打ち込むと刃こぼれも一切なしに数センチは斬れるほどになるという。

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▲何度も何時間も、折り返しては打ち続けていく果てしない作業。何度も言うが、これはまだ原料を作っている段階なのだ。

 ここから先が、やっと刀を形成していく作業となる。鍛錬した鋼から、刀の刃など硬い外側部分に使う“皮鉄(かわがね)”と、刀の芯や峰の部分に使うやわらかい“心鉄(しんがね)”を準備し、形を整えてくっつける。

 さらに小槌で切先の形を整えてから、全体の形を整える“火造り”という作業を行う。ここには後で“焼き入れ”作業を行なったときに刀が反ることを踏まえて逆側に少し反らせておくなどの工夫も施す。仕上げにヤスリをかけることで、刀としての形がほぼ完全に整う。

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▲さすがに火造りまでの作業はプロの仕事なので、体験はスキップ。小刀へのヤスリがけから体験させていただいた。非常に硬い鋼で作ったヤスリは、それよりも炭素量が少なく硬度が低い鋼なら簡単に削ることができる。

 形が整ったら、最後の仕上げとなる“焼き入れ”へ。粘土と炭、砥石を混ぜた“焼刃土(やきばつち)”を刀身に厚く塗りつけ、刀の刃部分の土だけこそぎ取る。

 こうすることで、炎の中に刃を入れたとき、土が厚く盛られた部分の温度は比較的低くなる。鋼は高温で熱するほど硬く、低温で熱するほど柔軟になるため、こうすることで刃の部分をより硬く、峰や芯をより柔軟にする。

 西洋の剣は全体が均一の硬さになるため、斬りつけた際に衝撃を吸収しきれず、折れてしまうことも多い。柔軟な部分がこの衝撃を吸収して逃がすことで、刀の凄まじい切れ味と頑丈さが両立されているのだ。

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▲専用のヘラのような道具を使うことで、刃部分の土だけをこそぎ取ることができる。

 土を塗った刀を、電動の火炉へ。燃え盛る炭の中へ刀身を突っ込み、刀身の様子を見て刀鍛冶さんが判断した秒数を数えるごとに、刀をそこから少しずつ引き抜く。3回に分けて引き抜くことで、全体をまんべんなく熱する。

 引き抜いたら、そのまま刃を水の中へ。すさまじい勢いで水が沸騰し、刀のほうは急速に冷却される。この作業により、刀身の鋼はより硬く粘り強くなり、折り返し鍛錬によって生まれた多層の肌も美しく浮き上がってくる。

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▲炎や赤熱した刀身の様子をはっきり見るために、焼き入れ中は工房の明かりを消す。まだ研いでいないため写真だと分かりにくいが、かすかに幾層にも波打つ肌が。
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▲こちらはブドウショップさんからご提供いただいた“綾杉肌”の写真。美しい。

 実際に焼き入れをやらせていただいたものの、これで硬軟の違いが生まれると聞いても、どうも実感が沸かなかったというのが正直なところだ。

 そこで、今回は特別に、本物の日本刀で硬さの違いを実証していただけた。刀と刀で打ち合うという、時代劇のワンシーンさながらの方法だ。

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▲工房を暗くして、刀に別の刀を思い切り振り下ろす。火花となって刀身の一部が砕けて飛び散り、刃がこぼれる。衝突したときの音はまるで木刀を打ち合わせたような重いもので、時代劇のような澄んだ音はまったくしなかった。

 刃同士がぶつかると両方が刃こぼれするものの、刃で峰を斬りつけた場合、刃の方は完全に無傷で、峰の方だけが欠けるという、硬さの差がはっきりわかる結果が見られた。

 鋼(鉄)はこのように、熱や加工法でその性質がおもしろいくらい変化する。この特性を持っている金属は、技術が進んだ現代でも鉄以外には発見されておらず、代わりにできるものがない。

 ブドウショップの方いわく、つまり青銅器時代から鉄器時代に推移して以来、いま現在もまだ鉄器時代が続いていることになるとのこと。そして、鉄の特性を世界的に見てもまれなほどに徹底的に活かしたのが、日本刀の鍛冶技術なのだ。

 とはいえ、鉄の加工は、刀のように難しいものばかりではない。本企画では、細長い鋼の棒を熱して打ち、切断して作る“和釘”作りも体験させていただけた。

 テコ付けなどで炎に慣れたことを差し引いても、驚くほどにやりやすかった。熱した鉄は片手用の小鎚で軽く打つだけでも自在に変形し、平べったくなったり曲がったりしてくれる。

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▲いびつではあるが、生まれて初めて鍛冶で作った鉄製品ということで感動もひとしお。不純物ほぼゼロの鋼でできているため、ふたつの釘をヒモでぶらさげて打ち合わせると、風鈴のように美しい音が鳴る。

 鉄を自在に操る鍛冶技術は1000年以上前にはすでに確立されており、それが現代まで変わらず受け継がれているのだという。また、手動の“ふいご”の方が電動よりも温度の加減がしやすいなど、手作業の工程もほとんどそのまま。“鍛冶”は、現代の進歩した機械ですら代用の効かない、優れた技術なのだ。

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▲歴史の重みを感じつつ、金槌とくさびで小刀に銘を入れる手作業もさせていただいた。墨の下書きどおりに“ファミ通”と入れたつもりなのだが、なんともいびつに……無念。

 ゲームでは一瞬で完成する鍛冶製品も、現実ではこのように1000年以上の伝統と、途方もない作業の果てにでき上がるもの。熱くまぶしい炎とともに、深く記憶に刻み込まれた。

 実際に鍛冶を体験したルシPにより、『ArcheAge』のドワーフの鍛冶仕事もよりリアルになることに期待……するのは、この作業の大変さを知ると、さすがに酷かも? その概要については、改めて続報を待ってほしい!

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