大人気アニメ映画『君の名は。』も優秀賞を受賞 

 2016年11月16日、ビジネス・スポーツなど各業界において本年もっとも顕著な業績を残したチームを表彰する式典”ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2016”が開催された。

 ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、国内や世界を舞台に高い実績・評価を獲得した商品やサービスを作り上げたチームの“チームワーク”に焦点をあて、ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会が選出・表彰するというもの。今回、受賞チームの表彰と合わせて、各チームによるパネル(テーマ:チームとは)が紹介されたので、その内容も合わせてお届けする。

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▲ベストチーム・オブ・ザ・イヤー総合プロデューサー・審査員 おちまさと氏(左)
ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会 委員長/明治大学教授 斎藤孝氏(右)
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 式典開催にあたってまず、ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会 委員長の斎藤孝氏が登壇。選出のポイントとして、(1)チームが生み出した実績と成果、(2)組織力・チーム力、(3)社会的に大きな影響を与え、ユーザーに大きな満足度を与えたもの、以上の3点が重要であると述べる。この3点に焦点を当て、チームこそが、これからの未来を創るという思いを込め選出しているとのこと。「今回エントリーされたものは、未来を感じさせるものが多かったように思える。いろいろな視点の満足度があるが、選ぶのが大変楽しかった」と語った。
 
 続いて、“ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2016”優秀賞が発表。以下に、表彰されたタイトルを紹介しよう。

優秀賞は、車椅子やアニメとさまざまなジャンルから選出

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▲優秀賞:体操男子団体チーム
チーム力で優勝を勝ち取った体操男子団体チーム。若手・ベテランのバランスがとれており、オールラウンダーとスペシャリストの組み合わさったチームは、日本中に感動を与えた。その影響力とさらなる活躍に期待を込めて、今回受賞が決定されている。
※今回スケジュールの都合により出席できなかったため、ビデオレターが公開された。
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▲優秀賞:COGYプロジェクトチーム
介護福祉機という分野に新しい価値観を提供した革新性、今後の高齢化社会への影響力を勘案し、受賞となった。
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▲優秀賞:113番元素(ニホニウム)発見チーム
元素周期表に始めて日本が発見した元素が加わり、アジア初の命名権を獲得したこと、科学技術力の高さを世界に示した功績に敬意を表し、受賞決定となった。

 さらに、大ヒット中のアニメ―ション映画『君の名は。』も優秀賞を受賞。受賞について、エグゼクティブプロデューサーの古澤佳寛氏は、脚本・制作・声優・宣伝すべてのチームワークの賜物であると述べ、主題歌を手掛けたRADWIMPS、キャラクターデザインの田中将賀氏、作画監督の安藤雅司氏、主演の神木隆之介についても、「このタイミングなけれは、参加してもらえなかったでしょう」と語る。
 また、本作を4回観賞したと言う、ベストチーム・オブ・ザ・イヤー総合プロデューサーのおちまさと氏から「何度見ても飽きない面白さがあるが、これは意図していたのか?」との質問も。これ対して古澤氏は、「新海誠曰く、過剰なものにしたいと述べており、過剰なものを沢山詰め込んで、好きなものをそれぞれ見つけてもらえたらいい。1回では理解できないが、何度か見たら見つけれるだろう」と述べた。

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▲優秀賞:『君の名は。』チーム

最優秀賞は今年もっとも日本を沸かせた『ポケモンGO』チーム

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 今年リリースされた『ポケモンGO』は、発売と同時に社会的現象となり、ARの技術や世界観に多くの人が惹きつけられている。その話題性、社会への影響力をふまえ、日本初のゲームである『ポケモン』が国越えたチームのコラボレーションにより、イノベーティブなARゲームとしてリリースされたこと、世界的な成果を生んだことを評価し、最優秀賞受賞が決定された。

 最優秀賞受賞について、ナイアンティック代表取締役社長 村井説人氏は「世界中の方が熱狂していただき、うれしい。サービス開始後、多くの方が外にでることが多くなり、家族、友達と外で遊ぶ機会が多くなったという言葉が開発陣の励みになりました」と、受賞のよろこびを語る。家の外にゲームを持ち出し、健康的なゲームを作り出そうという目標のもと開発された『ポケモンGO』は、会社・国境・言語の壁を超え、開発に努めてきたとし、「このような場でチームワークを評価していただいたことは、とても誇らしいことである」と、感謝の想いを述べた。

 続いて司会者から、「チームの結束を強めるために習慣にしたことはあるのか?」との質問に対し、「キーワードはオーバーコミュニケーションである」と、『ポケモンGO』開発リーダーを務める米Nianticの野村達雄氏は言う。開発拠点はアメリカのため、時差と言語の壁があるが、毎週テレビ会議でミーティングに加え、開発スタップ用のメーリングリストを作り、少しでも解らないことがあったらメーリングリストでやりとりするようにして情報を共有するようにしたそうだ。

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▲ナイアンティック 代表取締役社長 村井説人氏
▲米Niantic 野村達雄氏

 さらに、おちまさと氏より「オーストラリアから順次各国でローンチされていったが、この順番の意図はあるのか?」という質問が飛ぶ。本作は基本的に英語で開発されていることふまえ、“英語圏であること”、“ある程度プレイヤー数が制限されサーバーの稼働率を把握しやすい”ということを考えると、オーストラリアが一番適した国であったので最初のローンチとなったと解説した。
 また、本作は通常のゲームソフトはデバッカーによるチェックなどを必ず経てから発売され、一般の方に触れてもらうことになるが、本作はテストプレイヤーを一般公募し、不完全な状況で遊んでもらいフィードバックをもらっているが、これはナイアンティックのスタイルであると述べ、「ポケモンにとってこういった取り組みは初めてだったが、やれて良かった」と語る。テストプレイヤーは数千人からスタートし、最終的に数万人に参加したもらったとのこと。テストプレイヤーからは献身的なレポートを沢山いただいたそうで、「そのひとたちもチームのひとりである」と、感謝の言葉を述べていた。

 最後に、ゲームフリーク取締役 開発本部長の増田順一氏より「野村(ポケモンGOの開発リーダーを務める米Nianticの野村達雄氏)が『ポケモン』を深く理解してくれていたことが、チームが一体化できた理由ではないかなと思っています。これからもいい方向に向けて運営していく形にしていきたいと思います」と述べ、表彰式を締めくくった。

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▲チームとは…同じビジョンを共有し、ひとりひとりができることに全力を注ぐこと
▲ゲームフリーク 取締役/開発本部長 増田順一氏
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