コーエーテクモゲームス ガストブランドを代表するRPG『アトリエ』シリーズ。その最新作となるPS4/PS Vita用ソフト『フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~』が、2016年11月2日に発売されました。

 本記事では、『フィリスのアトリエ』のプレイインプレッションをお届け。プレイして感じた楽しさや魅力を、主人公・フィリスの旅立ち編と、諸国漫遊編と題してお送りしようと思います。

旅立ち編・その1何はなくとも……たーる!

 フィリスは、生まれ育った町エルトナから出たことがありません。外の世界に強い憧れを抱いているのですが、「危ないから」と、母親からもきびしく外出を禁じられています。
 狩人である姉のリアーネは外に出られるのに、自分はダメ……。兄弟がいる方は、そんなほろ苦い経験をしたことがあるのではないでしょうか。それでも、フィリスたち姉妹の仲が険悪になるわけではないところに、なんだかホッとします。

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 さて、そんなフィリスを操作して、エルトナの町を散策。探していたのは、これ、樽。『アトリエ』シリーズのお約束「たーる」は、本作でも健在でした。1作目『マリーのアトリエ』から続く伝統で、町などに置かれた樽を調べると、主人公がなぜか「たる」と言うのです。『アトリエ』ファンとしては、コレを聴いておかないと、何だか落ち着きませんよね。

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▲今回は実家や町中にありました。セリフパターンは2種類ほど。

旅立ち編・その2ソフィー先生、飛ばし過ぎ!!

 町の扉を爆破して入ってきた旅の錬金術士・ソフィーとプラフタに遭遇。この扉はフィリスがどうやっても開けられなかったもので、彼女の夢を阻む大きな壁でもあります。それをいとも簡単に開けてしまったソフィーと錬金術に、フィリスが魅了されるのも無理はなし。早速弟子入りを志願するフィリスでしたが、両親、とくにマッマが猛反対。勢い、飛び出してそのままプチ家出です。これぞ反抗期? フィリスは実家のすぐそばに仮設されたソフィーのアトリエで厄介になることに。

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 しっかし、前作の主人公・ソフィーがだいぶ大人になっていてビックリしました。3Dモデルの顔つきもお姉さんぽいし、フィリスの弟子入りの際に「ちゃんと両親の承諾を」と促すなんて、成長しましたねえ……。それに、町の扉を壊してから、すぐアイテムで元通りに直しちゃうあたり、錬金術の腕も相当なもの。

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旅立ち編・その3愉快な長老と、温かな涙の門出

 リアーネと長老が両親に交渉してくれた結果、条件つきで旅立ちを許されたフィリス。条件とは、“町の人々の困りごとを錬金術で解決する”という課題を達成すること。

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▲課題の締めくくりは、長老のベルントのへそくりを救うミッション。長老のどこかコミカルな口調が笑いを誘います。キャストの間宮康弘(まみややすひろ)さんはお若いのに、65歳の翁まで演られるとは芸達者ですね。

 そして見事クリアーしたフィリスは、家出してから1度も両親に顔を見せずに旅立とうとしますが……。

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 もう、ずるい。泣いてしまいましたよ、まんまと。両親とフィリスが交わした言葉はごくシンプルなんだけども、いろんなやさしさが溢れていて、あ、いま思い出しても目頭が熱く……。

諸国漫遊編・その1ツンデレライバル・イルちゃんがかわいい

 錬金術士の公認試験合格を目指して旅に出たフィリス。最初に訪れたメッヘン村で、イルメリア(愛称はイル)という少女に出会います。フィリスは彼女が錬金術士だと聞き、公認試験に必要な推薦状をお願いしますが、じつは彼女も同じく受験生で、推薦状を書ける立場ではないと知ります(推薦状を書けるのは、試験に合格した公認錬金術士のみ)。

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 この村の公認錬金術士のことを教えてくれただけでも十分なのに、自分が推薦状を書いてあげられないことを改めて詫びるイルちゃん。自尊心は強めですが、やさしい子なんだなというのが伝わってきます。

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 ぽわんとしたフィリスと、キビキビしたイル。ふたりの相性はバツグンですね。後に訪れるフルスハイムでは、竜巻で航行が困難な湖を渡るため“共同戦線”を張ることになりますが、ここでもふたりのやり取りが熱いんです。必見!

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▲『アトリエ』シリーズでは、ライバル錬金術士がたびたび出てきますが、イルちゃんも折り目正しいツンデレ好敵手です。デレるのは意外と早いです。

諸国漫遊編・その2調合が楽しくて困っちゃう!

 前作に引き続き、調合では錬金釜の中にパズルのように材料を入れていきます。本作からはそこに“ラインボーナス”が加わりました。釜に描かれたラインを材料のパネルで埋めれば、調合結果にさまざまな効果がつくんですね。どんな置きかたでも、ラインが全部埋まればボーナスが付与される、そのシンプルさがいい塩梅なんです。

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 また、調合をすればするほど“熟練度”が上がり、熟練度が一定に達すると、材料パネルが反転できるようになるのもうれしいところ。ラインを埋めるときに「このパネルの向きが逆だったら……」と思うことがしばしばあるんですよね。

 前作では、錬金釜自体に反転機能が備わっていて、その釜を入手するまではガマンの時間だったのですが、本作ではがんばり次第で序盤から反転ができちゃうわけです。ほんとありがたい。

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 調合に慣れてくると、「もっといい品を作りたい」という欲も出てきます。ラインの種類を変える“触媒”を追加したり、材料にこだわればより高性能なアイテムも作れるので、どんどん深みにハマっていきます……。

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▲超弩級調合は、規模の大きなモノを作れる新システム。とにかくアイテムを入れまくって、総合的な品質値を満たす必要があります。「取っておこうと思っていた高品質素材も、もう使ったれー!」と、ある意味、断捨離な気分に。

諸国漫遊編・その3寄り道がアナタを惑わせる……

 気がつくと、公認試験までの残り日数がガッと減っていて焦ります。探索でも時間がスルスルと過ぎちゃうので、手あたり次第に材料を拾いたい派の私は衝動を抑えるのがたいへんでした。聞いたトコロによれば、かなりのんびりプレイしていても試験の期日には間に合うようにはなっているそうです。

 先に推薦状(試験を受けるには3枚必要です)集めてから寄り道を楽しむか、世界を見て回ってから推薦状を集めるかはアナタ次第!

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 それにしても、本作は町が多いことに比例して登場人物も多いんですよね。その数は過去最多とか。前作のキャラクターも登場しているので、彼らとのイベントを見たり、ちょいちょい発生するクエストをやりたくなっちゃうんです。試験に合格すれば、その後は期限を気にせず錬金術士ライフを満喫できるので、それまではほどほどに……? 個人的には、2周目でタイムアタックするのも燃えそうだなという予感があります。

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▲前作の仲間でソフィーの幼なじみのオスカー。ヤセてカッコよくなりました。ぽっちゃり時代もかわいかったんだけど、コチラもいいですねー。
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▲レヴィは、強さと古の宝物を求める剣士。でも、家事全般が得意だったり、お母さんみたいに世話焼きなギャップがたまりません。

 さて、そんな魅力あふれる『フィリスのアトリエ』。本作はシリーズ未経験でも、ご無沙汰という人でも大丈夫です。イラストから抜け出たようなキャラクターたちとともに、ぜひ旅に出かけてみてください。