『アイドルデスゲームTV』発売記念インタビューの完全版をお届け!

『アイドルデスゲームTV』発売記念インタビュー! 斬新な“デスゲーム”その制作秘話をたっぷりお届け_03

アイドルデスゲームTV』は、国民的人気を誇るアイドルグループ“プロジェクト47”のセンターの座を懸け、アイドルたちが極限のイベントに挑むアドベンチャーゲーム。審査に負けると死の罰ゲームが待ち受ける状況下で、彼女たちは栄光をつかみ取るために数々の審査に臨む……といった内容の作品だ。本稿では、週刊ファミ通2016年11月3日号に掲載されたインタビューの再編集+未公開部分も含めた、インタビューの全容をお届けしていく。飛び出す開発秘話にご注目を!

重い話が好きなふたりが手を組み本作が爆誕!

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▲本作プロデューサーの臼田裕次郎氏

――まず簡単に、おふたりとも自己紹介をお願いします。

臼田裕次郎氏(以下、臼田) 本作のプロデューサーをやっております、臼田です。これまでに『バレットガールズ』シリーズや『オメガラビリンス』のプロデューサーを務めさせていただきました。

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▲監督・脚本の遠藤正二朗氏

遠藤正二朗氏(以下、遠藤) 監督、脚本を務めさせていただきました、ウィッチクラフトの遠藤と申します。これまでに『Aランクサンダー 誕生編』、『マリカ ~真実の世界~』、『THE 裁判員 ~一つの真実、6つの答え~』などを手がけてきました。“女の子たちが過酷な運命に翻弄される”という脚本が得意というか、よく作らせていただいています。

――ちょっとエッチなゲームのプロデューサーの臼田さんと、過酷な脚本が得意な遠藤さん、なかなかすごいタッグですね。

臼田 待ってください、僕は特別スケベというわけではないんですよ!? 最近社内や取引先でも、僕が変な人みたいな扱いになっているので、そのイメージはぜひとも払拭したいですね(笑)。

――(笑)。ではさっそくですが、本作を開発するまでの経緯やきっかけについて教えてください。

臼田 以前から、アイドルもののコンテンツを作りたいなと思っていたんです。でも、ふつうのやりかたでは、すでにあるほかのアイドル作品には勝てないので、アイドルたちがセンターを懸けて戦うゲームにしようと。しかも、一風変わった“デスゲーム”なら、女の子のウラ側も見えておもしろいんじゃないかなと考えたんです。その後、こういう話を作るのが得意な遠藤さんに僕から企画を持っていったら、快諾してもらえたので企画が動き出しました。

遠藤 私はもともと重い話が好きでして(笑)。話を聞いたとき、ゲームの中で重さと明るさの落差が出せれば、おもしろいものになるという確信があったんです。そこから臼田さんと企画を詰めていきましたね。

臼田 ちなみに最初はもうひとつの企画もあったんですよ。

――え!? そうなのですか?

遠藤 はい、今回の『アイドルデスゲームTV』のもととなった企画と、もうひとつはサスペンスというかホラーテイストのものがありました。それで、どっちをやりましょうかということで、話し合いをしていくうちに、いまのものになったんです。

臼田 僕自身、デスゲームものの話が好きなのと、遠藤さんも先ほど自身で仰られていた通り、重い話が好きということで、本作はなるべくしてなったのかもしれませんね(笑)。

“デスライブ”が生まれた理由とは? 合宿の行方

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▲本作の特徴となっている、センター争いに敗れたアイドルたちが挑む“デスライブ”。各アイドルの持ち歌が流れる中、壮絶な最期を迎える。

――そんなふたりが手を組んだからこそ、デスライブというえげつない罰ゲームが生まれた、と?

臼田 デスライブは、最初はふつうのムービーシーンで、歌もなく、そのまま死ぬ…… という作りだったんですよ。ですが、遠藤さんの「死ぬときはライブにしよう」という提案で、仕様を変更しました。

遠藤 アイドルの最期の散り際なんだから、華やかにしないと! という話をしましたね。そうして、アイドルごとに個別の楽曲も収録した、いまの形になりました。始球式や一日署長みたいな、いかにもアイドルがやりそうなことと死にかたを結びつけるという部分は、企画当初からブレていません。

――デスライブでは、惜しくも没になったアイデアもありますか?

臼田 もちろんあります。ウォータースライダーの滑り台が大工道具の“かんな”になっていて、滑っていくうちに体がなくなっちゃうのとか。好きだったのは、密閉空間にジュースがどんどん注がれて、飲み続けないとジュースで窒息するというアイデアです。いつの間にかなくなっていましたが(笑)。

遠藤 あれは絵が地味だったのと、窒息死は見ているほうも苦しくなりますから、やめたほうがいいよねって。

臼田 ほかのボツネタでは、大きなルービックキューブの中にアイドルが入ってぐるぐると回されて、みんな骨がボキボキになって血が流れていくっていうのもあったんです。最初はそんな感じでしたよね。

遠藤 そうですね。“デスライブ”を発想するときには、たとえば4コママンガにしたときに、1コマ目を見て4コマ目を想像できない殺しかたにしようと決めていました。没ネタだと、スキーで火だるまになるものもあったんですよ。スキーで死ぬとなると、ふつうは雪崩に巻き込まれるとかだと思うんですけど、それだとありきたりなので、「ガソリンの給油車に突っ込ませるのはどうだ?」とか、いろいろ意見を出しました。それで、「それだと死にかたのインパクトとしてはイマイチ薄いな」って結論に達して没になったりと……。だいたいこんな感じで、いい歳したおっさんたちが物騒な話を会議室で延々してましたね。“DREAM★デス合宿”を(笑)。