ポイントランカー、高段位者目白押し!

 2016年10月2日、雨の降りしきる中、東京都巣鴨駅のゲームセンター“ナムコ巣鴨店”にて、アーケード格闘ゲーム大型イベント“闘神祭2016”の『鉄拳7 FATED RETRIBUTION』(以下、『鉄拳FR』)部門の予選大会が行なわれた。今回は東京エリア最後の代表チームを決める店舗予選とエリア決勝の模様をリポートしよう。

 “闘神祭2016”はタイトーが主催する、アーケードの格闘ゲーム複数タイトルの全国大会。全国のゲームセンターで予選を勝ち抜いた代表選手たちが、2016年10月15日〜16日に東京で実施される全国決勝大会に出場し、全国制覇を争うイベントだ。『鉄拳FR』部門は、鉄拳界では伝統となっている3on3チーム勝ち抜き戦のレギュレーションが採用されている。なお、『鉄拳FR』は予選開催期間中に大幅なバージョンアップとキャラクターの追加が行われたため、参加者の公平を期するために、バージョンアップ前に本選出場を決めたチームはキャラクターの変更が認められている。

 ナムコ巣鴨店は、言わずと知れた鉄拳の聖地。同日は店舗予選とエリア決勝が実施された。聖地というだけあり予選には多数のチームが集結したほか、大会前後には野試合も非常に盛り上がっていた。

店舗予選

 最後の枠を賭けた予選とあって、当日は集いも集った17チーム、総勢51名による大激戦となった。鉄拳ネットの高段位ランキングに載ってるプレイヤー、やり込みのプレイヤーポイントランキング常連など、どこを見ても猛者ばかりという非常にレベルの高いトーナメントとなっていた。

 『闘劇』、『GODS GARDEN』、『MASTER CUP』など数々の大会で優勝を勝ち取ったぺこス選手(キング)率いる【ゆとりモンスター】など、強豪チームが次々と敗退する中、予選を見事勝ち抜いたのは、昨年行われた“鉄拳オフィシャル大会ジャパンラウンド”の無差別シングルで1位を獲得したS.H.O.W選手率いる【日本の覇者もう100万円使ったよチーム】S.H.O.W選手(アリサ)&赤髪のぱるる選手(ラース)&kami選手(飛鳥)。
 初戦をkami選手の活躍で辛くも突破すると、その後はS.H.O.W選手の活躍もあり、怒涛の勢いで決勝まで進出。相対したのは各キャラの全国トップクラスを揃えた【醤道】りょう選手(デビル)影丸選手(ジョシー)西新宿選手(フェン)。死闘が予想されたが、ここでも先鋒のS.H.O.W選手が爆発。常に択を仕掛ける攻撃的なスタイルで3人抜きを果たし、文句なしの店舗予選優勝となった。

『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_03
大会開始前からナムコ巣鴨店の鉄拳コーナーは大盛況。オンライン対戦がメインの今作だが、熱い店内対戦も数多く行われていた。
『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_02
鉄拳プレイヤーなら名前を聞いたことのある強豪ばかり。地獄のサバイバルトーナメントとなった。
『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_05
店舗予選を勝ち抜いた【日本の覇者もう100万円使ったよチーム】。(写真左から)kami選手、S.H.O.W選手、そして赤髪のぱるる選手(ラース)

エリア決勝

 続くエリア決勝。ナムコ巣鴨店代表の【日本の覇者100万円使いました】に加えて、同エリアで代表権を獲得していた6チームの計7チームのによって、全国決勝大会への出場権が争われた(3チーム不参加)。出場チームは以下の通り。

・【つぶみとまさるん】Gon選手(リリ)&つぶみ選手(ブライアン)&ねこすけ選手(フェン)
タイトーステーション渋谷代表

・【てきとーでいいでしょ!!】ごちろー選手(ファラン)&くも選手(アリサ)&いかちゃん選手(ポール)
アドアーズ仙川代表

・【ばーちゃふぁいたー】どんぶり選手(スティーブ)&コーラ選手(レオ)&なめネコ選手(一美)
ギガステーション戸田代表 

・【風のはじまる場所】十八会信選手(キング)&もじゃ選手(カタリーナ)&ねこたま選手(ロウ)
東京レジャーランド小岩店代表

・【BLADE ARCUS】ZackyWild選手(豪鬼)&みーちゃん選手(ジャック7)※ふたりチーム
タイトーイン綾瀬代表

・【日蓮大聖人】S雷神(クラウディオ)&ZEST選手(飛鳥)&新宿の女子選手(豪鬼)
タイトーステーション所沢代表

・【日本の覇者100万円使いました】S.H.O.W選手(アリサ)&kami選手(飛鳥)&ぱるる選手(ラース)

※アドアーズ亀戸店代表、BIGBOX高田馬場店代表、タイトーステーション多摩店代表は不参加

 エリア決勝は7チームによるトーナメント形式。参加者の使用キャラクターも見事にばらけており、本作のゲームバランスと戦略の多様性を物語っている。3on3とあって、チーム間の駆け引きや仲間へのアドバイスなど、総合力が問われる戦いとなった。
 死闘を潜り抜け、決勝へ駒を進めたのは、店舗予選の勢いそのままに勝ち抜いたナムコ巣鴨店代表【日本の覇者100万円使いました】と、堅実派飛鳥使いの古豪ZEST選手率いる新宿勢で構成された【日蓮大聖人】。
 エリア決勝初戦でこれまで爆発していたS.H.O.W選手が、くもん式選手とのアリサ対決に敗れていたのに対し、ZEST選手を温存したままバランスよく勝ち抜いてきた【日蓮大聖人】。勢いは【日蓮大聖人】にあるかと思われたが……蓋を開けてみれば、店舗予選の再現、先鋒S.H.O.W選手が圧倒的なオフェンス能力でまたしても3人抜きを果たし、見事最後の切符を手に入れたのだった。

『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_07
惜しくもエリア予選の準決勝で敗れた、十代後半の若手三人の【つぶみとまさるん】。今後の活躍に期待したい。
『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_01
決勝戦では再びS.H.O.W選手(写真)が爆発! アリサのブートからの攻めで常に主導権を取り続け、相手に対応する暇を与えなかった。
『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_06
準優勝には新宿勢で構成された【日蓮大聖人】。いにしえより鉄拳修羅の地として有名な新宿は健在だった。
『鉄拳7  FATED RETRIBUTION』予選もクライマックス! 激戦区の東京エリア決勝リポート【闘神祭2016】_05
再びナムコ巣鴨店代表の【日本の覇者100万円使いました】。悲願の本選出場だ。

優勝チームコメント

――優勝おめでとうございます。今の気持ちは?

ぱるる選手 うれしいです。日本の覇者、S.H.O.Wさんのおかげです。
S.H.O.W選手 五井チャリオットのおかげです。ホームゲーセンに感謝。
kami選手 俺が豪鬼倒したおかげですよね?

――いちばん苦戦した相手はどこでしたか?
一同 初戦ですね。豪鬼に追い詰められました。

――ズバリ、勝因はなんでしょう?

ぱるる選手 闘神祭の開幕から戦い続けてきて、何度も敗退しました。諦めないで出続けた根性とチームの絆かもしれません。
S.H.O.W選手  正直言って、本当に強い人たちはもう予選勝ち抜いちゃってると思うんです。エリア決勝で古水さんのチームとかにも負けて、それでもみんなで頑張ってきました。

――結束力が強いチームとのお話ですが、どういったコンセプトで組まれたチームなのでしょうか?
kami選手 いつもオンラインで死闘を繰り広げた相手と組みました。全員ホームゲーセンが違うんですよじつは。
S.H.O.W選手 いつも対戦している仲なので、逆に強さを信頼するみたいなところはあります。

――本選出場まで長い戦いだったと思いますが、戦略はありましたか?
kami選手 先鋒はS.H.O.W。これは固定でした。残りを俺らが倒すという感じで。
ぱるる選手 S.H.O.Wが勝てなかった相手に対しては、柔軟に二人のどちらかが出るということです。このシフトは予選から不動のものだったので、今回の結果につながったと思います。 

――今日のチーム内MVPを挙げるとすれば?
赤髪のぱるる選手 そりゃもうS.H.O.W先生っすね。
kami選手 豪鬼倒した俺じゃない?

――では、最後に本戦への意気込みをお願いします!
ぱるる選手 俺に勝てんの?
S.H.O.W選手 アリサ愛を見せたいです。もう20000戦近くしてます。
kami選手 飛鳥が大会で活躍するところって久しく見てない気がするので、自分が活躍して飛鳥を皆に見せたいです。

【記事修正】記事初出時に誤りがあったため、訂正しました。読者ならびに関係者様にご迷惑をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。