九州の聖地“namco博多バスターミナル店”で全国レベルの猛者が激突
2016年9月25日、九州、福岡県のゲームセンター“namco博多バスターミナル店”にて、アーケード格闘ゲームの大型イベント“闘神祭2016”の、『鉄拳7 FATED RETRIBUTION』(以下、『鉄拳7FR』)部門の予選大会が実施された。九州圏の強豪プレイヤーによる熱戦がくり広げられた現地の模様をリポートする。
“闘神祭2016”はタイトーが主催するアーケード格闘ゲーム複数タイトルの全国大会。2016年7月~9月にかけて全国のゲームセンターで予選大会が開催され、全国各エリアの代表選手を選出。代表選手たちは2016年10月16日に東京で実施される全国決勝大会に出場し、全国制覇を争う。『鉄拳7FR』部門は3on3チーム戦のレギュレーションを採用。選手は3人1組でチームを組み、チームどうしの勝ち抜き戦で勝敗を競う。
今回取材したnamco博多バスターミナル店では、店舗代表チームを決める店舗予選と、九州エリア代表の決勝大会進出チームを決めるエリア決勝が実施された。店舗予選には4チーム12名の選手が参加。出場メンバーの中で要注目なのが、鉄拳女子最強プレイヤーの呼び声も高いたぬかな選手。公式鉄拳女子部の2代目部長でゲーセン女子で有名なおくむらなつこ選手&コスプレ部長キキワン選手も参戦。全国でも屈指の女子鉄拳プレイヤーの参加率が高い予選となり、実況は既に中四国エリア予選で本戦出場を決めているノビ選手が駆けつけてくれた。
店舗予選
店舗予選は4チームでのトーナメントが行われた。1試合目【M@STERCUPプラチナスターズ】vs【びんびん村】の先鋒で登場した、二代目中足絶唱ペペだい選手(ポール)は『ウルトラストリートファイターIV』で有名なプレイヤーだ。他ゲームからの参戦にも関わらず、ふたり抜きをみせる大活躍で会場を盛り上げた。大将に登場した鉄拳女子最強プレイヤーの呼び声の高いたぬかな選手(シャオユウ)が、持ち前の鉄拳力を如何なく発揮し、二代目中足絶唱ペペだい選手に勝利。続くミント☆彡選手(アリサ)、みやびんびん(クラウディオ)にも勝利した。2試合目【さいきょうのしょしんしゃ】vs【最後の5ドル】では、鉄拳女子部のキキワン選手、おくむらなつこ選手が大会に参加する楽しさを伝えてくれた。
店舗予選決勝は、【最後の5ドル】vs【M@STERCUPプラチナスターズ】。ここで活躍したのが須郷選手(レオ)で、先日バージョンアップのタイムリリースで使用可能となったばかりのヴンおじ選手(マスターレイヴン)も会場を沸かせるコンボ精度で倒し、samizo選手(クラウディオ)、ミノル選手(ギガース)を3人抜きでチームを勝利に導いた。店舗予選優勝は【M@STERCUPプラチナスターズ】須郷選手(レオ)たぬかな選手(シャオユウ)まさかり仁選手(仁)のチームとなった。
闘神祭2016 鉄拳7FR 九州エリア店舗予選トーナメント
店舗予選終了後は、namaco博多バスターミナル店を含むエリア内の別店舗で予選を突破していたチームが加わり、全3チームで全国決勝大会出場権をめぐるエリア決勝が実施。出場チームは以下のメンバーだ。
・G-stage時津店代表チーム
【森部財閥】森部選手(ロウ)ノロマ選手(三島平八) まふゆ選手(フェン・ウェイ)
・サンゲームス熊本インタープラザ店代表チーム
【ねすちゃん】はなたれ選手(ロウ) 2代目ノロマ選手(ニーナ・ウィリアムズ)
・namaco博多バスターミナル店代表チーム
【M@STERCUPプラチナスターズ】たぬかな選手(リン・シャオユウ) 須郷選手(レオ) まさかり仁選手(風間仁)
エリア決勝は以上3チームによる総当たりのリーグ戦で争われた。第1試合は、【森部財閥】対【ねすちゃん】。熊本県代表【ねすちゃん】チームは、ねすちゃん(デビル仁)が参加できなくなってしまい、はなたれ選手と2代目のろま選手のふたりチームで参戦。長崎県代表【森部財閥】は、コミュニティー主催の大会で多くの好成績を収めるプレイヤーが多い。中でもノロマ選手は、代名詞ともいえる持ちキャラのジャック7を三島平八に変更して参戦。本大会は特別にタイムリリースやバージョンアップがある為、1度だけキャラ変更が許されている。先鋒戦はなたれ選手が森部選手を同キャラ対決で倒すも、中堅まふゆ選手がファイナルラウンドに劣勢を、『鉄拳7 FR』からの新要素“レイジドライブ”(体力がレイジ状態に1ラウンドに1度使用可能で各キャラ固有技)で切り返し、壁への斜め当たりを上手く空中コンボ。起き攻めに、はなたれ選手の得意とする高速スラッシュキック(666RK)を読んだのか、嶽寸靠(4WP)で切り返し、起き攻めで残り体力も削り勝利。
ふたり目にして大将2代目ノロマ選手が、鉄拳7からの新システム“パワークラッシュ”(ガードポイント付固有技で攻撃を受けると被ダメージ有)であるニーナの双掌破(6WP)が本作より硬直が減ったため、使い勝手の良さを背景に効果的に立ち回りに組み込み、最後にニーナの双掌破モーションレイジドライブを決めストレートで勝利。
1試合目から大将戦。前夜祭で開催された定例大会namco博多BT祭#3のシングルトーナメント参加者32名では、ノロマ選手が平八で優勝。みずからの代名詞ともいえる日本最強ジャック7使いより、自信のある平八にキャラを変更し試合に挑む。しかし、2代目ノロマ選手が前の試合と立ち回りを変え、風神拳を警戒する下段中心の攻めへ。要所に下段の揺さぶりから浮かせ技を置き、細かい攻めも交えノロマ選手を撃破。【ねすちゃん】チームが1勝目。
2試合目【森部財閥】対【M@STERCUPプラチナスターズ】は、予選で活躍の無い先鋒まさかり仁選手がノロマ選手、森部選手を倒す。しかし、大将まふゆ選手が逆境状態をはねのけるマンパワーの逆3タテで【森部財閥】が1勝目。
3試合目【ねすちゃん】対【M@STERCUPプラチナスターズ】は、先鋒戦で2代目ノロマ選手がまさかり仁選手を倒すも、続くは同じ高校だったという中堅の須郷選手。粘り強い立ち回りと、壁際のめくり置き攻めを重ね、同級生対決を制したのは須郷選手。大将はなたれ選手の精度の高いコマテクによる高速の山ステに対して、須郷選手は頂肘金鶏独立~(4LP、RK~)派生、跪膝(3RP+LK)、劈鐘(2RP)を中心に素晴らしい当て感を発揮し、値千金の勝利を掴む。福岡県代表【M@STERCUPプラチナスターズ】1勝目。
各チームがそれぞれ1勝1敗となり、闘神祭実行委員会と協議の結果、固定代表者戦のサドンデスを行うことに。
エリア決勝 サドンデス
審判に対して【森部財閥】ノロマ選手(三島平八)、【ねすちゃん】はなたれ選手(ロウ)、【M@STERCUPプラチナスターズ】須郷選手(レオ)を申告。各チームも納得の上、2試合連勝先取したチームが1位。その後、残りのチームで2位決定戦のレギュレーションが採用された。
1試合目、ノロマ選手対はなたれ選手。終始ペースを掴んだのは、はなたれ選手。スライディングとホーミングの打ち所が効果的で、早い展開を制して1勝目で最初のリーチ。
2試合目、はなたれ選手対須郷選手。この試合でも須郷選手がバルコニーブレイク(壁を壊すステージギミック)や、随所に驚異的なコンボ精度を発揮し勝利してリーチ。
3試合目、須郷選手対ノロマ選手。試合の命運を分けたのは反応力。ノロマ選手がスカ硬直に対して風神拳を決めていき、リーチをはねのける勝負強さみせ勝利しリーチ。
4試合目、2週目ノロマ選手対はなたれ選手。開幕から読み合いを変えていったノロマ選手の攻めに対して、即座にはなたれ選手が対応力の高さをみせ勝利しリーチ。
5試合目、2週目はなたれ選手対須郷選手。この試合でも驚鶴腿(仆歩中にLK)を上手く噛み合わせ先にリーチをかける須郷選手であったが、ここでもはなたれ選手が並外れた対応力の高さを発揮。5発のスライディングを通し2連勝し、【ねすちゃん】が優勝をつかんだ。
2位決定戦は、須郷選手対ノロマ選手。ここではノロマ選手が試合巧者振りを発揮し、須郷選手の攻めに対応し勝利。【森部財閥】が勝利し2位となる。
闘神祭2016 鉄拳7FR 九州エリア決勝トーナメント
優勝チームコメント
写真左から、はなたれ選手(ロウ) 2代目ノロマ選手(ニーナ・ウィリアムズ)
――優勝おめでとうございます。店舗予選・エリア決勝と印象に残った試合がありましたらお願いします。
2代目ノロマ選手 【M@STERCUPプラチナスターズ】の須郷選手との試合が印象的で、高校時代一緒の学校で鉄拳をしていました。今は彼が仕事で福岡にいるので対戦はしていませんが、今回の大会でしっかりした鉄拳をするのできつかったですね。
はなたれ選手 とにかく俺も途中負けましたけど、須郷選手が強かったですね。頂肘の置き方がとにかくうまくて苦戦しましたね。熊本時代に比べて強くなりました。次は大会でも負けないようにします。
――ふたりで戦うことについて。
2代目ノロマ選手 3人目にねすちゃん(デビル仁、闘劇2010覇者)がチームにいたのですが、エリア決勝には来なかったのでふたりで参加することにしました。
――本戦出場でライバル視しているチームはありますか?
はなたれ選手 ライバルは、同じ九州代表でたいせいのチーム「九州ゲーっちゃけどー?」ですね。ここのチームだけには絶対に負けたくないのでふたりで倒します。
――最後に闘神祭2016本戦に向けて、ひと言コメントをお願いします!
2代目ノロマ選手 俺たちならふたりでも戦えることを証明します。
はなたれ選手 闘神祭でもで熊本県がもう一度優勝します。ふたりで獲ります。
■10・16(日)闘神祭2016 Champions Carnival 鉄拳7FR本戦及び、当日予選
『鉄拳7FR』は、当日予選も開催される。出場できるのは1枠(3名)。朝の受付は8時~8時30分まで。組合せの後、予選開始は9時~11時5分。エントリー可能枠数16枠(48名)で、エントリー可能枠数に対して希望者が多数の場合は抽選にてエントリー者およびチームを決定し、予選大会が行われる予定だ。本戦については、実況をハメコ。さん、解説をゲンヤさんが担当し、ゲストも登場予定とのこと。詳細は、闘神祭公式サイトをチェックしよう。
■文・取材・撮影:ライター まさかり仁