力技で対応環境の幅を広げる何気にデカい発表
Oculus VRの開発者向けカンファレンス“Oculus Connect 3”がアメリカのカリフォルニア州サンノゼで開催中。その基調講演で新技術“Asynchronous Spacewarp”が発表された。
同社のVRヘッドマウントディスプレイ“Oculus Rift”と“Gear VR”では、処理落ち時に画像補正を加えることで酔いの原因となる表示遅延を避ける“Asynchronous TimeWarp”という処理が従来より組み込まれていた。しかしこれはGear VRのようなポジショナルトラッキング(プレイヤーの位置を検出して映像に反映する)のない環境では有効だったものの、位置検出を行うRiftなどでは効果に限界があったという。
“Asynchronous TimeWarp”を導入すると、例えば秒間45フレームで動作する環境(従来であれば基準以下)でも、TimeWarpによる補完を行って、秒間90フレームで処理していくことで、表示遅延による影響を低減した許容範囲内の体験をすることができるという。
これによりRiftの最小動作環境が改訂され、グラフィックカードがNVIDIA GeForce GTX 970から同960に、同様にCPUがCore i5-6400からCore i3-6100に。もちろんより高フレームレートかつ低遅延に動作できる環境がベストではあるのだが、幅を広げるという意味ではなかなか大きいはず。海外PCメーカーのCyber Power PCでは、AMD系のパーツでまとめて動作環境をクリアーしつつ499ドルにまとめたマシンを発売予定だとか。動作保証プログラム“Oculus Ready”でも、従来よりも対応ノートPCが増えていく見込み。