対人戦が苦手な農耕民よ、立ち上がれ!

 ゲームオンの『ArcheAge』は、遊びかたの多彩さがウリのPC用MMORPGだ。一般的に“生活系”や“サンドボックス型”などと呼ばれるジャンルのゲームで、戦闘やハウジング、農業、海賊行為など、好きなようにプレイできる。

 コンテンツは生活系だけではない。当然のように対人戦も用意されているので、対戦ゲームが好きな人も安心だ。2016年10月5日には参加ハードルが低い対人戦“バトルロイヤル”が実装される。

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 これは“ArcheAge3.0”と銘打ったアップデート群の第1弾“響宴の大乱戦”のメインコンテンツ。9月21日にはメディア向け体験会が開催されたので、意気揚々と参加してきた。

 僕は対人戦が得意なわけではないのだけど、これがなかなか楽しかった。この気持ちを伝えたいのでリポート記事を書こうと思う。農耕民よ、剣を持って立ち上がるときが来たぞ!

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▲参加メンバーが足りなかったので、日本運営プロデューサーを務める石元一輝氏やGM陣にも手伝ってもらった。
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参加ハードルの低い対人戦“バトルロイヤル”

 『ArcheAge』に限らず、“何となく気後れして対人戦に参加できない人”って、どんなMMORPGにもいるだろう。多くの理由は、

(1)負けるとデメリットがあるから(精神的にも)
(2)対人戦の準備をするのが手間だから
(3)聖人だから
(4)足を引っ張るとチームの人に悪い

 だいたいこんな感じに集約されるのではないか。

 (1)はわかる。仮にデメリットがなかったとしても、誰だって負けるのは気分的によくない。

 (2)もわかる。日常的に対人戦をプレイしない人からすると、「よし、やるぞ」と一歩踏み出すのは心理的な手間になる。装備を揃えたり、実際に戦闘が行われる場所まで行くのがたいへんなので、「まぁ、いいか」と思ってしまうのもうなづける。

 (3)も仕方ない。聖人は争いを好まないからだ。『ArcheAge』を楽しみつつ、世の人々を救済してほしい。

 そして、(4)。チームを組んで戦うシステムにおいては、“迷惑をかけたくない”という気持ちがブレーキになる。日本人特有の奥ゆかしさである。

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▲バトルロイヤルの舞台は、“饗宴の園”をベースにした専用マップ。

 上記の4点を(ほぼ)解決してくれるのが、『ArcheAge』のバトルロイヤルだ。奥ゆかしい人も、うひゃうひゃ言いながら剣を振り回せる。僕は体験会で笑いっぱなしで、録音していた音声データを聞き直したらひとりだけ騒がしかった。

 バトルロイヤルは自分以外がすべて敵となる対人戦システム。基本ルールは以下のとおり。

参加人数……8人(固定)
制限時間……12分
入場レベル……50~55
入場可能時間……18:00~23:59(ゲーム内時間)
勝利条件……より多くの得点を獲得した上位4人
褒賞……順位に応じて名誉ポイントが支給される
備考……グライダー使用可能、戦闘ペット・騎乗ペット・車両の召喚可能

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▲画面右下の便利機能アイコンからアリーナを開き、バトルロイヤルを選択。“参加登録”ボタンをクリックするとオートマッチングの待機状態になり、8人揃うと“アリーナ招待”ウィンドウが開く。左写真のいちばん下のアイコンは開発中のものだったのでボカしました。

 負けても大きなデメリットはなく(使った消耗品が減るくらい)、完全な個人戦なので誰に迷惑をかけることもない。フィールド上のどこからでも参加でき、1戦あたりの時間は12分と短い。

 本気でやるなら対人戦用の装備を揃えたいところだが、そんなことを気にせずさくっと参戦できる気楽さがある。長期に渡るバカンス、もしくは植木等さんにおけるサラリーマンくらいの気楽さだ。

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▲血しぶきが舞ってますが、気楽に戦闘しています。

 バトルロイヤルでは、とにかく敵を倒せばいい。敵プレイヤーを倒すと2ポイント、敵プレイヤーが召喚したペットや車両を撃破すると1ポイント加算され、獲得ポイントの上位4名が勝者となる。

 味方との連携は一切なし。ランダムでマッチングされ、専用マップ内ではチャットが禁止されるため、示し合わせての共闘はほぼ不可能なのだ。戦闘中に目と目で通じ合うこともあるかもしれないが、それはもう付き合っちゃえばいいよ。

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▲与えたダメージは関係なく、ラストヒットを与えたプレイヤーにポイントが加算される。瀕死の敵をスキルで拘束するなどして、的確に攻撃したい。

 一応は共闘が必要なシーンもある。マップ隅の小部屋的なエリアには中立モンスター“校尉”が出現。この校尉がひとりでは倒せないほど強いのだ。だが、倒すと5ポイント獲得できるおいしい敵だ。

 そして、同時にルアーでもある。「いっしょに戦おうぜ」という空気を出して敵プレイヤーをおびき寄せ、自分も戦っているふりをして校尉と敵プレイヤーを消耗させる。タイミングを見計らって合計7ポイントをかっさらうのも戦術だ。

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▲この後、自分がやられそうになった。悪いことは考えるもんじゃない。
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▲戦闘不能になると、入場した場所から一定時間後にリスポーンする。マップ中央の円形舞台から伸びている3本の道は青道、緑道、赤道と呼ばれており、それぞれにワープできるポータルもある。

 バトルロイヤル用マップには身を隠すところがほとんどないため、調子に乗って突出すると集中攻撃を受けやすい。対人戦では攻撃力特化タイプの適性・スキル構成が人気だが、バトルロイヤルでは四方八方から攻撃される可能性が高いため、耐久面も考慮したい。と、なると、強い職業はマインドイーター(格闘・使命・鉄壁)あたりだろうか。

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▲体験会で僕が使ったキャラの職業は清めし者(魔法・使命・愛)だった。

 適性やスキルは自由に変更していいとのことだったが、“使命”が使えれば何とかなるかなと思い、清めし者でいくことにした。僕のメインキャラは“戯策士(幻術・使命・ロマン)”なので、使命のスキルは使い慣れている。なお、戯策士は名前がかっこいいという理由で選んだ。

<<対人戦で使いやすいと思う使命のスキル>>

◇スネークアタック
飛びかかってダメージを与えつつ気絶させる

◇バックフリップ
後方に飛びのいて距離を離す

◇ハイド
自分の姿を消す

◇俊足
移動速度と敏捷がアップ

◇シャドウステップ
相手の後ろに回り込む。「後ろだ」と言うと気分がいい

◇ダークネスブレード
名前がかっこいい

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▲スタッフさん「かなり強いアイテムや装備を売っているNPCを特別に用意したので、好きなものを買ってください」。プレート系の防具で防御力をガチガチに高くした。

 僕は緻密な計算や仲間どうしのサポートが重要な対人戦は得意ではない。ゲームでも仕事でもチームワークが苦手である。その点、あまり深く考えなくてもオーケーなバトルロイヤルは楽しかった。

 最初のうちはクレバーに立ち回ろうと周囲を警戒するのだが、交戦中の人が目に入ると、つい参加したくなる。しばらくすると別の人も加わって乱戦に。「おらおらおらーーーーーー!」とか言いながらスキルを使いまくるのは気分がいい。

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▲十分なスペースがあればチャリオットも召喚できるし、グライダーで上空から爆撃&銃撃も可能。それが有効かどうかは別として。
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▲集中攻撃されたらグライダーで緊急脱出するのも有効。
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▲そんなに広くないマップなのに、上空にはグライダー、地上にはチャリオット。もうめちゃくちゃだ。
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▲「ここで砲撃できますよ」と他メディアの人を大砲に釘付けにし、横からガンガン攻撃する僕。ある種の情報戦である。
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▲ペットといっしょに戦うのも手だが、ペットがやられると相手にポイントが加算される点には要注意。
▲舞台状のエリアの下には沼地が広がっている。沼地に足を踏み入れていると能力が低下するのだが、みんなあまり気にしてなかった。
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▲日本運営プロデューサーの石元氏は、足止め系のスキルでひたすら嫌がらせをしてきた。

 この体験会では全3戦が実施された。1~2戦目は練習+スクリーンショット撮影で、3戦目は本気でバトル。取材を忘れて遊んだら、最終的にはキル数で同率1位になれた。やったぜ。

 腕に自信がなくても、漁夫の利を狙えば上位入賞を十分に狙える。僕にラストヒットを奪われた人よ、悪く思うな。勝負の世界は非常なのだ。

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▲かなり活躍できた。

 平和な農耕生活を好むプレイヤーにとっては、対人戦は精神的なハードルが高いかも知れあい。だが、ステップを一段だけ乗り越えると愉快な世界が広がっている。上位に入れば特殊なアイテムの購入に役立つ名誉ポイントがもらえるので、食わず嫌いせずに参加してみてほしい。

 なお、このメディア対抗戦では「(日本運営プロデューサーの)石元さんを倒したら+10ポイントということにしましょう」という特別ルールを提案したのだが、採用されなかった。ちぇっ。

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