TGS 2016のe-Sportsステージが熱く燃えた!
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2016(以下、TGS 2016)。9月17日のe-Sportsステージにて、ネクソンはPC用オンラインFPS『サドンアタック』公式大会のオフライン決勝“SAJCL 2016 Final Stage”を開催した。
オンライン予選を突破して決勝に駒を進めたのは“5secret”と“Detre.R”。オフライン初進出の5secretに対して、Detre.Rは上位入賞常連の強豪クラン。昨年のTGSで実施された“SAJCL 2015”決勝大会では見事に優勝を成し遂げている。事前に実施された優勝予想ではDetre.Rを推す声が圧倒的に多かったようだ。
とはいえ、Detre.Rはここしばらくの大会ではあまり満足な結果を残せていない。新鋭と古豪、どちらに軍配が上がるか、注目が集まった。
5secret優勢で進む決勝戦
◆第1マップ:第5補給倉庫
SAJCL 2016 Final Stageは第5補給倉庫での戦闘で幕を開けた。もともと5secretが得意としているマップということもあり、初のオフラインとは思えない落ち着いた動きを見せる。前半はDetre.R優勢で折り返したものの、攻守交替した後半は5secretが連続でラウンドを取得。新鋭の5secretがいきなり第1マップで勝利を収め、会場中がざわめいた。
◆第2マップ:クロスポート
第2マップのクロスポートでも5secretのプレイは落ち着いていた。ファーストキルはDetre.Rが取ることが多いものの、5secretはルーキーらしからぬ安定感を発揮し、そこから崩れないのだ。FPSのような団体戦の対戦ゲームでは、人数差がつくと一気に形勢が傾きやすい。そのため、基本的にはファーストキルを取ったほうが有利に試合を運べるはずなのだが……。
前半を終えて、取得ラウンド数は3対2と5secretがリード(6ラウンド先取で勝利)。先にリーチをかけたのは5secretだったが、Detre.Rが古豪の意地を見せ、5対5の引き分けに持ち込んだ。1ラウンド勝負の延長戦もDetre.Rがものにし、勝敗の行方は運命の第3マップに持ち越された。
◆第3マップ:ドラゴンロード
ドラゴンロードは中華街がモチーフのマップ。高低差が大きく、奇襲による息もつかせぬ展開が特徴だ。これまでにも数々のドラマが生まれてきた。
最終マップではDetre.Rも落ち着きを取り戻した。序盤は5secret優勢で進んだが、Detre.Rも粘りを見せて食い下がる。
後半2ラウンド目を終えて、戦況は5secret優勢の5対2。だが、あと一歩で優勝というところで、Detre.Rのスナイパー・shuhei選手が待ったをかける。状況が5secret側に傾くたびに、最後のゲートキーパーとして立ちはだかったのだ。ピンチをトリプルキルで打破するなど、一騎当千の活躍を見せた。
剛腕で流れを引き寄せたDetre.Rの勢いは、そのまま5secretを飲み込む。手に汗握る延長戦を制し、1年ぶりのTGSの舞台でDetre.Rが王位に返り咲いた。
“SAJCL 2016 Final Stage”は古豪の復権で幕を下ろした。もちろん、5secretもすばらしかった。大舞台でも臆さずにDetre.Rを追い込み、何度も窮地に陥れたプレイは見事としか言いようがない。
だが、それ以上に印象的だったのがDetre.Rの底力だった。5secret優勢の場面は多かったものの、いつの間にか逆転を果たしている。ネット的な表現をするなら「いつからDetre.Rが負けると錯覚していた?」と言わんばかりである。これが“経験の差”というものだろうか。
優勝したDetre.Rはその後に行われた日韓エキシビションマッチの日本代表として出場した。韓国代表のXenics-Stormはプロチーム。過去に2度エキシビションマッチ出場のために来日しており、戦績は1勝1敗だ。日本としては何としても勝ち越したいところではあるが、そんなに甘くはない。第1マップは6対3、第2マップは6対1でXenics-Stormが勝利し、世界の壁の高さを見せつける結果となった。
熱戦の記憶も冷めやらぬ中、次回大会は10月頃に参加者募集を開始すると発表された。『サドンアタック』は歴史の長いタイトルだが、いまでも新鋭の強豪クランが生まれている。つぎの大会でも長く活動している実力派が安定感を見せつけるのか、それともジャイアントキリングが起きるのか。観客の胸を熱くさせる激戦に期待したい。