ブース出展タイトルの詳細と裏事情に迫る!
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで(15日・16日はビジネスデイ)、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2016(以下、TGS 2016)。今回は、企業(パブリッシャー)エリアとインディーゲームコーナーにそれぞれブース出展したピグミースタジオ“工場長”小清水史氏に、新規VRコンテンツ『地球創世記~アナタはすでに神』と『ボコスカウォーズII』の最新情報について伺った。
ちなみに、同社が開発を担当した西健一氏監修のスマホアプリ『ルナたん』(販売・NTTぷらら)に関しては、すでに公開されているファミ通Appの記事を参照されたし。
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ピグミースタジオ流・VRコンテンツのカタチ
――ピグミースタジオのVR研究作品第1弾としてインディーゲームコーナーのブースで公開された『地球創世記』(リリース未定)ですが、かなり前から仕込まれていたのでしょうか?
小清水 実は2週間で作ったゲームなんです(笑)。ゲーム自体の企画は前からあったんですけど、どういう風に実現化するかは決まっていませんでした。今回、とりあえず押さえておいたインディーゲームコーナーで何を展示するかとなった時に、挑戦的な新作である必要性を感じたので、VRでやっちゃえとなりました。
――VR研究自体は以前より社内で行われていたとのことですが。
小清水 この企画をVRで……という明確な目標がないまま、一部のスタッフで実験と解析だけは続けていました。コンテンツをひとつ作ってみようとなったのは今回が初めてです。いざやりだしたらけっこうムキになって、TGS期間中に何度も難易度を調整しました。おそらく最終日(18日)が、一番いい状態でプレイできたと思います(笑)。
――『地球創世記』のそもそものコンセプトは?
小清水 “生きものが誕生する瞬間”を表現したかったんです。地球上の生物誕生の起源にはいろいろな説があって、そこって、あやしくて神秘的な部分じゃないですか。その舞台が、ただマグマが流れているだけでの世界ではなく、神々が存在する世界だったらおもしろいな……というところが出発点になっています。
――ピグミースタジオさんが手掛ける作品には、神、あるいは神の視点をモチーフにしたものが多いように感じるのですが、そのあたりは意図されてのことでしょうか?
小清水 というよりは、作家性が際だっている作品をチョイスしてきた結果、そういった作品が目立つのかもしれないですね。そういう意味では『地球創世記』も、社内のおもしろい人間のセンスに沿った作りにしています。
――今回VR作品を開発してみて、従来とは異なるもう一つの路線になりそうな手ごたえはったのでしょうか?
小清水 現時点での感想としては「やってみないとわからない」です。今回、もっとこうしてみたいという課題もできたので、研究自体は続けて、何かに活かしたいですね。
『ボコスカウォーズII』は親ガメ・子ガメカセット方式を採用!?
――その一方で、『ボコスカウォーズII』の発売日が、ついに公表されましたが。
小清水 実はすでに、リリース後の展開も考えています。
――それは、ゲームの中身に関することですか?
小清水 そうです。ファミコン時代に、親ガメ・子ガメカセットってあったじゃないですか(※サン電子の『なんてったって!!ベースボール』のゲームカセットに採用されたシステム。ファミコン本体にセットする“親カセット”の専用スロットに“子カセット”を接続することで、新たな選手データで遊べるようになる……というもの)。『ボコスカウォーズII』は、親ガメカセットなんです。
――……それって、どういうことですか?
小清水 今年11月にリリースされるのが、『ボコスカウォーズII』の基本セットと思ってください。それに対応する子ガメカセットとして、3部作のスキンを用意しています。
――X1版を再現したグラフィックモードは、ほんの序の口だったということですか!
小清水 そのうちのひとつのテーマは「西遊記」です。『ボコスカウォーズ』って、左方向スクロール……西に向かうゲームじゃないですか。ということは、西遊記だろうと(笑)。
――腑に落ちるような、落ちないような(笑)。スキン展開に関して、ラショウさん(※前作『ボコスカウォーズ』の作者で、『ボコスカウォーズII』では原案・監修・アートディレクションを担当)はどのくらい関わっているのでしょうか?
小清水 どのくらいも何も、本人が描いています。
――なんと!
小清水 最初は岩の中から始まるのか、最後はお釈迦様が待っているかはわかりませんが、ラショウさん解釈の“西遊記ワールド”が、現在も着々と完成に近づいています。あとふたつのスキンの内容は今後発表ということで、クリアーしても二度三度と新鮮に楽しめる『ボコスカウォーズII』をよろしくお願いします!