強い光源のもとでもディテールがくっきり!
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。先日発表されたプレイステーション4 Pro(以下、PS4 Pro)の目玉でもある4KとHDRについてのプレゼンテーションが行われた。
幕張メッセのイベントホールに隣接した国際会議場に、4Kテレビが4台。そのうちの1台は4KのHDR映像がループ再生され、残りの3台はスタッフのデモプレイによってPS4 Pro実機ベースの4K、HDR映像を確認することができた。
今回デモプレイが行われたのは、『バイオハザード7 レジデント イービル』、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』、『inFAMOUS First Light』、『Horizon Zero Dawn』の4タイトル。いずれも4K、HDRに対応だ。
そもそも、4KとHDRとは何か、おさらいしておこう。
4Kとは、3840×2160ピクセルの解像度のこと。横の解像度がおよそ4000(4K)であることから、4Kと呼ばれている。ちなみに、フルHDの解像度は1920×1080ピクセル。従来よりも画素数が多いため、大画面で見ても細部まで高精細な画質を実現する(逆に言えば、大画面でないと違いがわかりづらい)。
HDRとは、ハイダイナミックレンジの略。より広範囲な色幅の再現を可能にする、という説明になるのだが、もう少しかみ砕こう。通常、映像は明るいところと暗いところを同時に表現するのは非常に難しい。たとえば屋外で写真を撮るとき、逆光(太陽光が画角に入っている状態)だと人の顔が真っ暗になってしまったり、人の顔に露出を合わせると空が真っ白になったりする。この激しい明暗差に対してそれぞれ適正な露出にし、人間の見た目の印象に近づける手法がHDRだ。このHDRは、最近の中級以上のカメラでは標準的な機能で、iPhoneにも搭載されている(写真とテレビモニターでは、映像の生成プロセスはまた異なる)。
前置きが長くなってしまったが、各タイトルでの特徴をまとめてみよう。
『バイオハザード7 レジデント イービル』
・PS4 Proによって4K画質においても60fpsの安定度が向上
・ライティング、床への光源の映り込みなどディテールが向上
・被写界深度の表現がよりわかりやすく(デモではまだ調整中だった)
『Horizon Zero Dawn』
・色が飽和してぼやけてしまう太陽もくっきり
・もやがかかった場所のディテールが向上
・4KとHDRによってより見通しが利くようになるので、世界の臨場感も向上
『inFAMOUS First Light』
・輝度差が激しい画面でもしっかりと描写(明るいほうに引っぱられない)
・クルマのヘッドライトの地面への映り込みがよりクッキリに
・ヘッドライト自体のディテールも向上
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
・太陽光や雲の色など、空のディテールが向上
・1枚ヴェールを取り払ったかのような、全体のコントラストと解像感が向上
言葉だけでそのすごさを言い表すのは非常に難しく、かつ従来のフルHD映像もかなり美麗だったため、違いはおもにディテールの部分になる。しかし、ちゃんと見比べるとその差は歴然! ただし、気をつけたいのは、4KとHDR対応はパブリッシャー次第ということ。従来のソフトを勝手にPS4 Proがいい感じで表示してくれるのではなく、アセットの作り込みはもとより、最終的な絵作りの部分まで作り手の腕に委ねられている。とくにHDRの部分は、ノウハウの蓄積によってクオリティーにも差が出てくると思われる。
おまけ
今回見ることができた4K、HDR映像は4タイトルだったが、じつは『The Last of Us Remasterd』もパッチにて4KとHDRに対応するとのこと(パッチ時期は未定だが、無料らしい!)。こちらも非常に気になる情報だ。