2016年9月20日に国内で発売が予定されている『Destiny(デスティニー)』の新拡張パック"鉄の章(RISE OF IRON)"。既報の通り、ファミ通.comではメディア体験会で試遊したストーリーモードとストライクミッションの模樣をお届けしたが、本作のアートディレクターであるシーク・ワン氏と、PvPリードフォーライフチーフのデレック・キャロル氏に話を伺うことができたので、そのインタビューの模樣もお伝えする。

※関連記事
『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”アートディレクター、PvPリードフォーライフチーフーへインタビュー_03
▲デレック・キャロル氏(左)とシーク・ワン氏(右)(文中はデレック、シーク)。リリース前の忙しいタイミングではあったが、快くインタビューに応じてくれた。

――よろしくお願いします。さっそくですが、ガーディアンのみんなが好きだと思うギャラルホルンについてお伺いします。率直に言ってこの武器をPvPに適応するのは苦労されたのかなと。

デレック うーんどうだろう。ギャラルホルンは愛されるすばらしい武器ではあるけど、飛び抜けた性能というわけでもないんだよね。ゲームを遊んでみれば分かると思うけど、ほかにも殺傷能力の高い武器はあるからなんとも言えない。それに、PvPマッチだとヘビーウェポンの弾薬も限られているからバランス面も悪くないと思っているよ。

――"鉄の章"に向けての調整はしたのでしょうか?

デレック サンドボックス・チームは"鉄の章"に向けた調整をかなり長い時間をかけて行ったんだ。そのリストが膨大すぎるのでどう変更されたのか把握しきれてないけど、すべてを磨き上げたつもりだよ。

――アート面で、いままでのものと差別化で苦労されたことはありますか?

シーク アートを通じてストーリーを語ることが一番のチャレンジだったかな。これまでのDestinyではストーリーをうまく語ることができていなかった。今回はアートでもゲームプレイでもストーリーがプレイヤーに語られ、それが世界に反映されるようにしたかった。色々な場面で"鉄の章"ならではの武器が見えるようにしたんだけど、これも整合性を取るために苦労したかな。ストーリー、デザイン、ゲームプレイ担当のやっていることを理解し、こちらのやっていることも理解してもらって作業をすすめる。これは本当に苦労したよ。

――今回から新たにプライベートマッチが可能になりますが、なぜ2年もかかったのでしょうか?

デレック 『Destiny』を作っているときに、最初から対戦を実装しようと考えていたんだ。その中で、何をやりたいかを考えていたときに、優れたプレイヤーじゃなくてもチームの力となれるものを作りたかった。そういうバランス調整とかを進めていくと膨大な時間を費やす必要があって、リソースがなかったんだ。プライベートマッチには、専用のUIを作るためにもプログラマーやアーティストの助けが必要だったりするからね。

――PvPモードだと戦闘後にもらえる報酬がありますが、プライベートマッチでも獲得できるのでしょうか?

デレック プライベートマッチでもルートとリワードはもらえる。プレイヤーにはリワードを出したいし、システムは動いているよ。

――たびたび言われると思いますが、プレイヤーの人数を増やすことは考えたのでしょうか?

デレック 検討したことはあるよ。2014年にプロトタイプを作ってテストしたんだけど、人数が多いからといって必ずしもいいってわけじゃないんだ。1チームに6人以上いるとバランスを制御するのが難しくなるしね。

――新たにスプレマシーモードが追加されますが、ほかに候補に挙がっていたモード、あるいは追加を検討していたルールはあったのでしょうか?

デレック いつも新しいモードをテストしているんだけど、スプレマシーがいちばん盛り上がったんだ。もちろん、ほかにも考えているモードはあるけど、今後に期待してほしい。

――新モードが追加ということですが、古いマップでも遊べるようになるのでしょうか?

デレック 新旧すべてのマップでスプレマシーを遊ぶことができるよ。

――新しく追加される予定のマップについて教えていただけますか?

デレック ざっとした感じだと
Icarus:ソニー独占。マーキュリーが舞台となっており、ヒューマン・ソーラー・インストレーション(ソーラー・パワー)の内部。中規模サイズのマップ。外側に長いサイトラインがあり、中央にクローズドクォーターズの危険なショートカットがある。
Floating Gardens:ミステリアスなVexの構造でマーキュリーの上に浮いている。丸いレイアウトで外側にも流れがあり、2つの円が重なっている(射撃の的のような感じ)。スピードがあり、とくにマッチからのフリーフォーオールに向いている。
Last Exit:ヴィーナスにある放棄された地下鉄の駅でオープンな中庭があり、外には破壊された建物や瓦礫が散乱する。廊下部分は折れ曲がっていて地下鉄のトンネルにつながっており、クローズドクォーターズ・コンバット向け。
Skyline:コローブスブレイ社の本社があり、いちばん大きなマップ。四角くて内部と外部が半々。外側は大きい空間。ホログラフィック・マース・ディスプレイ(像)がロビー中心部にある。
といった感じかな。詳しくは実際に遊んで確かめてほしい。

――『Destiny』といえば、地球以外の火星や金星といった惑星も舞台となりますよね。どのようにその世界観を着想して創造していったのでしょうか?

シーク すべてはコンセプトから始まるんだ。まずコンポジションを検討して、どんな色や形状の地形がうまくマッチするかを考える。そこからその素材が登場する種族に合うかどうかを見る。だけど、土星はこうとか、月はこうとかの一定の規格があるわけではないかな。

――シヴァのテクノロジーを得たフォールンのデザインはかなり尖っているように見えますね。こういったキャラクターのデザインはどうやって生み出されてきたのでしょうか?

シーク 美的感覚は横山宏氏(日本のイラストレーター、モデラー。マシーネン・クリーガーをデザインした)のものだ。彼の影響が強く出ていて、既存のフォールンとの差別化も図れたと思う。

''――日本のイラストレーターの名前が出てきましたが、ほかにも影響を受けたイラストレーターや作品などはあるのでしょうか?

シーク カバルは映画『フィフス・エレメント』の終盤に出てきたキャラクターの影響を受けたかな。ベックスは『エヴァンゲリオン』とか『ファンタスティック・プラネット』(70年台のヨーロッパのカートゥーン作品)から大きな影響を受けているね。あとはサイエンス・フィクションの小説とかからも刺激を受けていたりするよ。絵画ならジョン・ハリスとジョン・バーキーといった画家の影響もあったりするから、一度チェックしてもらえれば「なるほど」って思うかもね。

――最後に、「『Destiny』のここが好きだ!」と思うポイントを教えてください。

デレック おもにPVPをプレイしているから、コントロールとスプレマシーのふたつのモードが好きだね。

シーク キャラクターアートとしてプレイヤーの3つのクラスを作れたことを誇りに思っているし、気に入っているかな。

――僕はウォーロックがいちばん好きだったりします。

シーク YEAHHHHHHHHHHHH! 自分もウォーロックが大好きだよ!!

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”アートディレクター、PvPリードフォーライフチーフーへインタビュー_01
『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”アートディレクター、PvPリードフォーライフチーフーへインタビュー_02