国内外のゲーム・映像会社よりエースアーティスト9名が集結!
2016年8月24日~26日の3日間、パシフィコ横浜で開催されている、日本最大級のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2016”。本記事では、2日目となる8月25日に行われたセッション“スカルプトマイスター2016”のリポートを写真中心にお届けする。
本セッションは、国内外のゲーム・映像会社のエースアーティスト9名が“ヒーロー”もしくは“ヴィラン(悪役)”のどちらかをテーマにしたキャラクターを2時間以内に完成させるスカルプトにライブで挑戦するという内容。過去2回行われてきたスカルプトマイスターだが、今回初めて、ベースモデルが使用可能となった。レギュレーションが変更になった理由については、「前回までは、スフィアの状態から基本機能だけで作るスピードスカルプトでした。それはそれでおもしろいのですが、どうしても時間の関係で中途半端な仕上がりとなってしまうこと、そして、使う機能が限られてしまい、似たようなテクニックばかりになってしまっていました。そこで今回は“フィニッシュワークを見ていただく”というコンセプトに変更しました」と経緯を説明。
今回、同セッションに参加するのは以下の9名。
■重山孝雄氏(サイゲームス)
CG歴17年。ゲーム開発はキャラクターアーティストとして13年。現在は、サイゲームスの3Dアーティストチームに所属し、先日発表された完全新作ハイエンドコンシューマー向けタイトル“Project Awakening”の制作に携わる。
■野田哲朗氏(スクウェア・エニックス)
スクウェア・エニックス所属の3Dアーティスト。現在は『ファイナルファンタジーXV』の制作に携わり、おもにモンスターや召喚獣などを担当。
■高木康行氏(カプコン)
カプコンデザイン室に所属し、おもにパッケージアートなどを手掛ける。最近はゲーム開発にも携わっている。
■笠間豊氏(ポリゴン・ピクチュアズ)
スクウェア・エニックスで9年間テクスチャーアーティストとして『ファイナルファンタジー』シリーズなどの制作に携わる。その後、ポリゴン・ピクチュアズに入社し、現在は、オリジナルアニメ『Lost in Oz』のリードモデラートして活躍。
■森田悠揮氏(フリーランス)
フリーランスアーティストとして、テレビやCMなどのクリーチャー、動物系のキャラクターのモデリングからシェーディングまでを手掛ける。
■宮国賢剛氏(バンダイナムコスタジオ)
バンダイナムコスタジオに所属し、『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターモデラーとして活躍。現在は、テクニカルアーティストを務める。(※本セッションで宮国氏は、高橋謙介氏と共同制作)
■高橋謙介氏(バンダイナムコスタジオ)
バンダイナムコスタジオのキャラクターモデラーとして、さまざまなプロジェクトのキャラクター制作に携わる。(※本セッションで高橋氏は、宮国賢剛氏と共同制作)
■山家遼氏(ModelingCafe)
ModelingCafeバンクーバー支社代表。仕事では、ロボットを制作することが多いという。
■松下祥風氏(プラチナゲームズ)
フリーランスとして特殊メイクや特殊造形を制作。現在はプラチナゲームズのキャラクターモデリングアーティストとして活動中。
本セッションでは、大森成氏、黒籔裕也氏、谷本裕馬氏が登壇し、解説など担当した。また、制作中には、各アーティストが自身のストロングポイントと、その制作フローやテクニックを紹介する時間も用意されていた。
■大森成氏(Valve Corporation)
ゲーム、映像制作会社を経て2001年にカプコンに入社。同社デザイン室でマーケティングアートを制作しながら、ゲーム開発にも参加。その後、アートディレクション業務を経て、2011年にカプコンゲームスタジオバンクーバーの立ち上げに参加し、スタジオアートディレクターを務める。現在はカプコンを退社し、Valve Corporationにアーティストとして所属。
■黒籔裕也氏(カプコン)
カプコンのリードアーティストとしてキャラクター制作などを担当。2012年には、カプコン初の3Dスキャンスタジオを創設し、スタジオディレクターも務める。本セッションの企画者でもある。
■谷本裕馬氏(サイゲームス)
サイゲームスで3DCGアーティストチームのマネージャーを担当し、同社の3DCG作品全般に携わる。本セッションでは総合司会を担当。
制作中の様子
2時間という短い時間の中、作品が見事完成!
なお、同セッションの模様は、ニコニコ生放送のタイムシフト視聴が可能なほか、後日動画をアップロード予定ということなので、興味を持った方はぜひチェックしてみよう。