関東地区最後の予選は白熱!

 2016年8月14日、東京・池袋のゲームセンター“池袋GiGO”にて、アーケード格闘ゲームの大型イベント“闘神祭2016”の、『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』(以下、『電撃FC』)部門の予選大会が実施された。猛者たちが集まり、熱戦をくり広げた現地の模様をリポートする。

 “闘神祭2016”は、タイトーが主催するアーケード格闘ゲーム複数タイトルの全国大会。2016年7月~9月にかけて全国のゲームセンターで予選大会が開催され、全国各エリアの代表選手を選出する。代表の座を勝ち取った選手たちは、2016年10月15日に東京で開催される全国決勝大会に出場し、優勝を争う。『電撃FC』部門は2on2チーム戦のレギュレーションを採用。選手はふたり1組でチームを組み、先鋒同士、大将同士で試合をした後、1勝1敗の場合は勝者同士の勝負で決着をつける“早稲田式”と呼ばれる形式のルールで勝敗を競う。

 今回取材した池袋GiGOでは、店舗代表チームを決める店舗予選と、池袋を含むエリアを代表する決勝大会進出チームを決めるエリア決勝が開催された。この日は関東地方で開催される最後の予選ということもあり、プレイヤーの強さを表すGRADE値が100万付近の強豪プレイヤーが多数集結。ゲームセンターの喧騒にも負けない声援が飛び交い、プレイヤーは手に汗握る接戦をくり広げた。

 店舗予選は、よしの選手(智花)&KOA選手(アスナ)のチーム【ゆかいのり】対たれす選手(蓮太郎)&性選手(シャナ)のチーム【しゃくねつ】の決勝戦。先鋒戦を制したKOA選手と、大将戦を制した性選手での決定戦までもつれ込む。最後はシャナの必殺技“紅蓮の太刀”での暴れ潰しという大胆な選択肢を見せ、勢いに乗った性選手が勝利。【しゃくねつ】チームが店舗代表の座を獲得した。

『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』池袋予選大会リポート【闘神祭2016】_02
『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』池袋予選大会リポート【闘神祭2016】_02

5チームがリーグ戦で火花を散らしたエリア決勝

 店舗予選終了後、池袋GiGOを含むエリア内の別店舗で予選を突破していたチームが加わり、全国大会出場権をめぐるエリア決勝が開催された。出場メンバーは以下のチーム。

【NOT PET】メル選手(アスナ)、たか選手(美琴)
・タイトーステーション町田店

【湊未来討伐隊】炭酸選手(桐乃)、ヨシ選手(静雄)
・セガ神楽坂

【さてはアンチだなオメー】あかれん選手(アコ)、隆選手(黒子)
・ゲームプラザセントラル八王子店

【八方美人】びぃ選手(黒雪姫)、づね選手(シャナ)
・立川ゲームオスロー第5店

【しゃくねつ】たれす選手(蓮太郎)、性選手(シャナ)
・セガ池袋GiGO

 エリア決勝は以上5チームによるリーグ戦で争われた。決定戦までもつれ込む熱い試合が多くくり広げられ、最後は3勝中の【八方美人】チームと2勝中の【NOT PET】チームでの対戦に。この試合で【NOT PET】チームが勝利すればお互いに3勝1敗となり、再度同じチームどうしでの決勝戦が行われる。ストレートに優勝を決めたい【八方美人】チームと、意地でも食らいつきたい【NOT PET】チームという形で試合が始まった。

 先鋒戦はづね選手対メル選手。達也のサポートを組み込んだ、相手の総体力の半分近くを奪う大ダメージ連続技を決めて流れをつかんだづね選手が1ラウンドを先取するが、お返しとばかりにつぎのラウンドをメル選手がパーフェクトで勝利。最終戦では両者一進一退の攻防がくり広げられるが、最後はジャンプ攻撃をヒットさせてからの連続技を叩き込んだづね選手が勝利した。続いてびぃ選手対たか選手による大将戦は、お互いに遠距離戦が得意なキャラクターの組み合わせ。立ち回りでは、たか選手がサポートキャラのルシアンと美琴の電撃による波状攻撃でびぃ選手の黒雪姫にプレッシャーを与えていく展開となった。1ラウンド目は立ち回りで有利な展開をキープしたたか選手が勝利。2ラウンド目は伊里野のサポート攻撃と、ワープ攻撃を組み合わせた連携など、立て続けに攻めを通したびぃ選手が奪い返す。最終戦はこちらも拮抗した勝負になるが、プレイヤーキャラをダブルイグニッションしたびぃ選手の黒雪姫が、ルシアンのサポート攻撃をかいくぐり、ジャンプAによる投げ抜け潰しを通して大ダメージを与え、勝利をもぎ取った。これによって、闘神祭2016『電撃FC』部門、池袋GiGO代表枠は【八方美人】チームが獲得した。

『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』池袋予選大会リポート【闘神祭2016】_03
池袋GiGO代表は【八方美人】に。

●優勝チームコメント

――優勝おめでとうございます。いまのお気持ちはいかがでしょうか?

びぃ選手 今回が関東最後の予選だったので、優勝できて本当に良かったです。

づね選手 最近は子育てが忙しくてなかなかゲームに割ける時間が少なくなっていたんですけど、大会の直前で動きがよくなってきて、今日はその成果が発揮できたのでうれしいです。

――おふたりはどんなきっかけでチームを組まれたのでしょう?

づね選手 僕が子育てをしていると、自由な時間が作れるのが22時くらいだったんです。なかなかその時間だとゲームセンターで対戦相手を見つけにくいんですけど、びぃさんはそれに付き合ってくれたんですよ。終電を逃しながらも平日の23時なんかに。そうやっていっしょにゲームをやることが多かったので、じゃあ組んで出ようか、と。

――予選を振り返っての感想や、決勝大会へ向けての意気込みをお願いします。

づね選手 今日の試合全部を通して、今までで自分にとっていちばんいいパフォーマンスが出せたなという感触がありました。

びぃ選手 今日は本当に相方が強くて、助けてもらえる場面が多かったので、それが良かったですね。

――それでは、読者の方へのメッセージをお願いします。

づね選手 格闘ゲーマーの高齢化が進んで、結婚なり出産なりっていうイベントを経る方が多いと思うんですけど、そういう生活環境でも時間を作って予選を通過できるくらいがんばれるんだ、ということを証明できたので、ほかのパパゲーマー、ママゲーマーにもがんばってほしいと思います!

びぃ選手 全国大会本戦でもがんばるので、皆さん応援してくれたらいいなと思っています。