シリアスでハードボイルドなストーリーが展開
2016年8月17日~21日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2016が開催。2Kより2016年10月27日発売予定のプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト『マフィア III』のプレゼン内容をお届けする。
本作の舞台となるのは1968年のニューオリンズをモチーフとした架空の都市“ニューボルドー”。主人公のリンカーン・クレイは、幼いころに両親を失っており、家と居場所を求めていた彼にとって黒人ギャング団が彼の“家族”に近いものだった。ベトナム帰還兵と従軍後、故郷のニューボルドーへ帰還したリンカーンは、悪事に明け暮れた過去と決別すべく新たな道を歩もうとしていたが、彼のファミリーであった黒人ギャング団がイタリアンマフィアの裏切りに遭い、壊滅。なんとか生き残ったクレイだったが、親、兄弟ともいえる存在を失ってしまい、裏切ったマルカーノファミリーへ復讐を誓うのだ。そのためには、敵を倒し街を支配するために、新たなファミリーを築き、頼もしい配下を増やして戦場仕込みの容赦ない攻撃で報復を遂げていくことになる……というのが、本作のストーリーラインとなる。
ニューボルドーは、ユニークな特徴を持つ10の地区から成り立っており、それぞれに巣食う犯罪組織が異なるが、元締めとしてみかじめ料を取っているのはイタリアンマフィアのマルカーノ・ファミリーだ。各地区は、イタリアンマフィアが、密造酒を製造している歴史があり景観が美しい“バイユー”。ディキシーマフィアによって、ヘロインと売春がはびこる、ニューボルドーの西部にある“ダービーホロー”。大邸宅と整備された芝生があり、イタリアンマフィアが差別主義者のサザン・ユニオンと組んで地方大学の構内でPCP(ドラッグ)を製造している“フリスコ”。サル・マルカーノの兄弟であるアンクル・ルーが常時パーティーを開いて、VIPに高級娼婦をあてがっている、ニューボルドー中心部の古い歴史を持つ“フレンチ地区”……というように、さまざまな特色を持った地区が登場する。
さて、今回のプレゼンは、建築業者絡みの汚職やマネーロンダリングを行っているトニー・デラジオを殺害し、彼が管理していたダウンタウン地区(中心部のフレンチ地区に隣接した地区)を手に入れるという内容だ。
作中に導入されているカットシーンは、“フィルム・ノワール”らしさを色濃く感じる作り。本作ではストーリーとカットシーンに力を入れており、映画のようなカットシーンとストーリーテリングを楽しめる。
※カットシーンの映像はこちら(Youtube)
カットシーンは、トニー・デラジオが、みかじめ料と思われる支払いを怠った支配下のマフィアを問答無用で殺害し、殺したマフィアの部下、”ドミニク”に金をすべて回収してアジトとなるペントハウスに持ってくるよう命令する内容。この情報を聞きつけた主人公リンカーンがドミニクを襲い、お金を上納しに行くふりをして、トニー・デラジオがいるペントハウスへ侵入するのが、プレゼンで公開されたミッションだ。
ペントハウス侵入前に、サービスを使用してARMS DEALERと呼ばれるクルマを呼び、装備一式を整えることになる。この本作の特徴のひとつである“サービス”と呼ばれるシステムは、リンカーンが築いたファミリーに所属する3人の“アンダーボス”(腹心の部下)が提供してくれるもの。“アンダーボス”は、この街で勢力を獲得したいハイチギャングのリーダーであるカサンドラ。個人的な理由でマルカーノを倒したい、バーク。そして、イタリアンマフィアから追い出されたヴィト・スカレッタ(『Mafia II』の主役)だ。
今回のプレゼンでは大々的に取り上げられなかったが、3人はそれぞれ固有の“サービス”を持っており、どの部下に獲得した地域を報酬として与えるかによって、リンカーンが受けられるサービスやストーリーまで変化するようになっている。
さて、装備を整えたリンカーンは、お金を積んだクルマでトニー・デラジオがいるペントハウスの地下駐車場から侵入することに。駐車場にはトニー・デラジオの部下が警備しているが、背後からステルスプレイで近づき、ナイフで静かに殺害。ほかの仲間に気づかれないうちに、サプレッサー付きの銃で残りの敵を排除するというステルスプレイを披露してくれた。
地下駐車場を制圧し、難なく最上階のペントハウスへ。ここから一気に激しい銃撃戦が展開。カバーアクション主体の銃撃と、接近戦からショットガンで頭をブチ抜く残虐なフィニッシュムーブ、顔面をナイフで何度も突き立てるかなりバイオレンスなシーンも確認できた。リンカーンのベトナム戦争仕込みの戦闘力の高さと、強い復讐心が感じらる。
激しい屋内戦を終えてボスの元にたどり着くリンカーン。最後は最上階の窓からトニー・デラジオを外へ投げ、殺害。まるで見せしめだが、この一連の事件によってニューボルドー市民がマフィアに対する印象を変えていく映像が最後に流され、プレゼンは終了した。リンカーンがくり広げるは復讐劇の影響は、ニューボルドーの裏社会だけでは収まらないということらしい。
1968年を忠実に再現した世界観。シリアスで引き込まれるストーリーが展開する『マフィア III』。オープンワールドながらストーリーを重視した本作は今年の期待作と言える。
なお後ほど、本作のリードライターを務めるウィリアム・ハームス氏へのインタビューを掲載する予定なので、こちらもぜひチェックしてほしい。