盛り上がりっぷりにサンフランシスコっ子もビックリ

 世界中でブームとなっているスマートフォンアプリ『Pokemon GO』(以下、『ポケモンGO』)。ひと足先にサービスが開始されたアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで、非公式のイベント“Pokemon Go Crawl”が行われたので、本誌記者も参加してみた。

『ポケモンGO』サンフランシスコで行われた大規模非公式イベントの様子をリポート。歩きまくってピカチュウを入手!_01

 イベントの概要は、要はみんなで集まって、バーに飛び込んで一杯飲んだりしつつ練り歩こうというもの(バーをハシゴすることをBar Crawlと言う。どんなものなのかは映画「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」を観るのがオススメ)。

 本来、一般の人が立ち上げた小さなイベントのはずだったのだが、『ポケモンGO』が盛り上がるに連れて、開発元Nianticの地元であり、新しもの好きのサンフランシスコっ子の間で話題を呼び、Facebookに作られたイベントページを“興味あり”とフォローした人の数は2万9000人、参加予定とボタンを押した人の数は9000人をオーバー。
 まぁ全員が実際に来ることはないとはいえ、個人が趣味でやるイベントの範疇は優に超えるわけで、ちゃんと開催されるか疑問だったが、とりあえずふたつある集合地点のうちのひとつ、ドロレスパークに行ってみると……いた!

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▲立ち上げたのはSara Witschさんという一般の人。話題が話題を呼んで人数が大変なことに。

 公園内の中心部でポケストップ(アイテムを貰ったり、周囲にポケモンを呼び寄せるアイテム“Lure Module”を使うことができる)となっているミゲル・イダルゴ像の周りに人だかりができ、全員がスマホを弄ってブラブラ時間を潰していた。さすがに1000人単位ではなかったが、最終的にはこの集合場所だけでも4~500人はいたんじゃないだろうか? ちなみにニュース番組のクルーなんかも取材にやってきており、街頭インタビューでポケモン歴などを答える人も。

 もちろんミゲル・イダルゴ像のポケストップにはLure Moduleが刺さっており、みんなポケモン取りまくり。サンフランシスコではズバットが嫌になるほど出てくるので、ズバットじゃないポケモンが出ると沸く。誰かが「ピッピ出たぞ!」と叫べば一斉に全員がスマホに向かったり、鳩の群れが飛んできたら「ポッポ取ろうぜ!」とジョークが飛んだり(ちなみに英語ではPidgeyで、やはりPidgeon/鳩を連想させる語感になっている)、ピカチュウのコスプレをした人を発見して「ピカチュウ出たぞ!」と叫ぶ奴がいたり(一瞬、全員が慌ててスマホを見るが、冗談だとわかって愛のブーイング)。

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▲イベントの様子を取材しにきたニュース番組のクルーも。

 集まっていた大半は、20代前後で、特に学生が多いように見えた。これはバーでお酒を飲むオプションが含まれるイベントであることや(必ずしもどこのバーに入るという決まりはない)、ドロレスパーク周辺の住人が若い(ただしシェアハウスで住んでる人が大半)ということもあるが、サンフランシスコの『ポケモンGO』プレイヤーの年齢構成をある程度示していると思う。

 その辺の事情は僚誌の電ファミニコゲーマーに寄稿したのでそちらを参照してもらいたいが、アメリカでは小学生に専用のスマートフォンを持たせたり、ひとり歩きさせるようなことがあまりなく、サンフランシスコではさらに地価と家賃の急騰で家族持ちは郊外に脱出する傾向がある。というわけで、自分でデータ通信を自由に使えるスマホを持ち、時間の融通も利き、さらには子供の時にポケモンのゲームやアニメやカードゲームにハマった経験のある20代前後がジャストなのだ。

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 午後6時に集まり6時半に行動開始という予定だったが、集団が動き出したのは7時ごろ。ポケモントレーナーの大名行列が一斉に動き出す! もちろん道中でポケモンを取ったり、ポケストップでアイテムを貰ったりするのが目的なので、みんなスマホを片手に持って時折チェックしているという、なかなかシュールな光景だ。もちろん中にはコスプレイヤーや着ぐるみ勢もいる。

 これには、ヒッピー文化が残り、巨大なゲイタウンやパレードがあったりして、比較的風変わりなことに慣れているサンフランシスコ市民でも、道行く人は何が起こったのかと思わず唖然。「これは何?」「全員ポケモンGOプレイヤーだよ」「まじかよ、クレイジーだな!」という会話が頻繁に交わされていた。

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 そこからは割と自由行動。予定通りバーに突撃する人がいるかと思えば、ポケモンのタマゴを孵化させるために歩き続ける人、イベントに協賛していたPCゲーマー向け周辺機器メーカーのRazer直営店“Razer Store”で参加者へのプレゼントをゲットする人など、みんな思い思いに過ごしていた。

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▲先頭集団が早速バー一軒目に突入。
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▲飲んでる連中を置いてけぼりにして、メイン集団はどんどん進む。
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▲港側の集合地点からやってきたグループと遭遇! 「ポケモン!」「GO!」「ポケモン!」「GO!」のコール・アンド・レスポンス。

 かく言う記者も、道中でタマゴが3つ孵化し、見事ピカチュウを初入手。裏ワザを使わずに自力で手に入れられたのは嬉しい。5キロ歩いた甲斐があったよ!

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