筋肉ムキムキ、ジャンジャンバリバリ撃ちまくり。

 E3は最新ゲームの最新情報が明かされる場所。だが中にはデモ内容が前年から基本的に変わらないものなんかもある。となれば後回しにして他のフレッシュなゲームのことを書いたりするわけだが、だからってお蔵入りにするのは勿体無い。
 というわけでFlying Wild Hogの『Shadow Warrior 2』と、Streum On Studioの『Space Hulk: Deathwing』を紹介しよう。いずれもジャンルはFPSで、対応プラットフォームはPS4/Xbox One/PC。海外では前者が2016年中、後者は第4四半期にリリース予定。

アクションRPG度が増した『Shadow Warrior 2』

 まず『Shadow Warrior 2』は、2013年に発売されたFlying Wild Hog版『Shadow Warrior』の続編(さらに元ネタとして1997年にPC向けに発売された怪作FPS『Shadow Warrior』がある)。前作から5年後、頭髪の後退が進んでツルツルになったニンジャのロー・ワンを引き続き主人公に、怪物との血みどろの戦いを描く。

 ゲーム内容としては、各種銃器だけでなく、カタナをはじめとする近接武器や、特定のコマンド入力で出せる忍術を駆使して戦うのは前作通りだが、自動生成マップや、強力な敵を倒してパワフルな武器を手に入れるトレジャーハンティング的な要素が追加され、FPSをベースに置きつつもアクションRPG的な要素が強化されているのが特徴だ。

ニンジャとマッチョ、どっちが好き? Co-opシューター2本をまとめて紹介【E3 2016】_02

 最大4人Co-op(協力)プレイに対応しており、パブリッシャーであるDevolver DigitalのE3デモスペース(E3会場の近所の駐車場を貸し切り、ビールとメシを無料で提供)では、開発者を交えて3人でプレイすることができた。

 まずはロビー的な場所に入り、どうやらニンジャの偉い人らしいマスター・スミスなる人物に話しかけたらミッションスタート。目的地目指して3人で敵を蹴散らしながら進んでいく。武器には基本ダメージ以外に追加効果や属性が存在し(ちなみに『Destiny』みたいにダメージ値もいちいち表示される)、中ボス的なデカブツを倒すと宝箱からナイスなレア武器をゲット。

 プレイ感覚としてはFPSというよりも、どこかハンティングアクション的というか、ダークソウル系というか、そっちのテイスト。しかし武器は豊富だし、ニンジャ技をうまく使えば空中ダッシュとか二段ジャンプみたいなこともできるので、ピリピリした感じはあんまりなく、基本的にオフェンス重視の脳筋スタイルで遊べた(自動生成マップなので、二周目をやってみたら本当にマップ構造が違った)。

ニンジャとマッチョ、どっちが好き? Co-opシューター2本をまとめて紹介【E3 2016】_01

 強武器を手に入れた所でどうなんだという根本的な問題はあるかもしれないが、とにかく血まみれで、プレイヤーの攻撃によって敵が切断されたり、ボディパーツがふっ飛ばされたりしまくるゴア重視の描写が気に入る趣味のいい友達がいる人なら、世間話でもしながらサクッとひと狩り、もとい、サクッとニンジャハンティングするといいのではないだろうか。なお、本作は日本語ローカライズが検討されている。

どっしり構えてなぎ倒す重量感に燃える『Space Hulk: Deathwing』

 そして『Space Hulk: Deathwing』は、ミニチュアゲーム「ウォーハンマー 40,000」シリーズからスピンオフしたボードゲーム「Space Hulk」を題材にしたFPS。分厚いパワーアーマーを着込み、遺伝子改造で戦闘能力を高めた超人兵士スペースマリーンの一員として、さまざまなミッションに挑む。

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 Streum On Studioはあまり商業作品を残しておらず、過去に『ハーフライフ』のMODである『Syndicate Black Ops』や、そのエンジンであるSource Engineを利用したサイバーパンクFPS『E.Y.E: Divine Cybermancy』を出したぐらい。
 Unreal Engine 4を採用し、コンソール(家庭用ゲーム機)リリースも行う本作はスタジオにとってちょっとしたジャンプアップになるが、本作にとって一番重要だろう「スペースマリーンぶり」については、すでに間違いない仕上がりになっていると思う。

 スペースマリーンになれるシューターと言えば、かつて日本でも発売されたTPS『ウォーハンマー40,000:スペースマリーン』があったが、あの鉄塊のごときみっしりとしたパワーアーマーで銃をブッ放し、近接武器で敵をなぎ倒していく重量感は本作でも健在。猛烈な勢いで敵の群れが襲ってくる中、絶望的状況を逆に力でねじ伏せるようなパワープレイができるのが魅力だ。

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 こちらも最大4人のCo-opプレイに対応しているほか、ソロプレイではAIキャラクターがサポートとして付き、彼らに回復や先行/後退、ドアのロックなどの指示を出して、生存可能性を高めることができる。いくらスペースマリーンが最強と言っても、敵の数が多く、装甲別の部位ダメージなども蓄積していくので、被害を最小限に留める判断が必要だ。

 なお、各キャラクターはクラス(職業)ベースで能力の特化が可能で、装備のカスタマイズ要素なども存在。懸念点を挙げるとすれば、スペースマリーンの廃棄された宇宙船団が浮かぶ“Olethros”を探索していくという設定上ある程度限定されるのは仕方ないのだが、今のところ去年見たマップも今年見たマップも映像に出てくるそれもほぼ一緒で、ロケーションのバリエーションがそんなになさそうなことだろうか。いい具合に予想を裏切ってくれるのを期待したい。

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