αテストが段階的に進行中。新モードは7月末実装予定
Boss Key ProductionsのFPS『LawBreakers』では、現在クローズドαテストを段階的に行い、今年中のローンチを目指している。E3最終日に、パブリッシャーのネクソンが確保していたミーティングルームで本作の新モード“ターフウォー”を遊んだので、その模様をご紹介しよう。
まず改めて『LawBreakers』について説明しておくと、開発するBoss Key Productionsは、エピック・ゲームズでFPS『アンリアルトーナメント』シリーズやTPS『ギアーズ・オブ・ウォー』シリーズを手掛けたブレジンスキー氏が設立したと、ゲリラゲームズで『キルゾーン』シリーズの開発を指揮したアージャン・ブリュセー氏が中心となって設立された新興スタジオ。
第1作となる『LawBreakers』ではパブリッシャーとしてネクソンと契約し、当初はF2P(基本プレイ無料)で提供予定としていたが、現在はその方針を撤回し、Steamで独占的にアーリーアクセス(有料の早期アクセスプログラム)および正式版の有料販売が行われる予定だ。
ゲームとしては2098年の未来を舞台にした5対5のオンライン対戦型のFPSで、各キャラクター別に特殊技が用意されていることと、マップ内の交戦ポイントに低重力空間が存在するのが特徴。基本的に高機動な設計でありつつ、低重力によってフワーっと浮かんで飛びながら戦う空中戦をどう制していくかがカギとなる。
また、全体的な設計思想として、チームデスマッチやキャプチャー・ザ・フラッグといった古典的なルールを避け、スポーツのようなチームでの終盤の逆転劇が起こるような設計を志向しているのもポイント。
例えばαで実装されている“オーバーチャージ”は、球技ならボールにあたる“バッテリー”を確保し、自軍のベースで充電して、100%にして20秒保持すればラウンド勝利(2本先取)。しかし基本的にボロ負けしていようが、99%で奪って自軍のベースで充電すれば逆転勝利になるという仕組み(前半は手を抜いていいと考えるか、最後まで緊張感が持続すると考えるかはプレイヤー次第)。
ターフウォーは3つのエリアを奪うラウンド制のキャプチャーモード
“ターフウォー”はラウンド制のキャプチャーモードで、ラウンドごとにマップ内に3ヶ所あるキャプチャーエリアを占拠し、ポイントを稼いでいって13ポイントに到達したチームの勝ち。
ラウンド間には30秒間のインターバルがあり、その間は占拠されていてもポイントにならないので、負けているチームが戦闘を継続しながらボイスチャットで人数配分などを練り直して立て直すことができる。
ちなみにキャプチャーエリアは、つねに自軍本拠地に近い方がA、中間地点がB、遠い方がCとなっているので(つまり自軍のAポイントは敵軍のCポイント)、「俺C行くわ」「Aに3人来たぞ!」といった会話をした時に、ベテランだろうが新人だろうが位置関係が直感的に理解できるのがいい感じ。
また、1チーム5人という人数に対して3ヶ所というのも丁度良く、2-2-1なのか、2-3-0なのか、それとも0-3-2みたいな裏をかくか、人数配分の考えがいがある。
「敵来ないから俺Bの応援行くわ」「オーケー、このままA取るわ」みたいなシフトもアリだし、1対2(場合によっては1対3)ぐらいなら、立ち回りの妙とQスキル(各キャラ最強の必殺技)がハマれば逆転可能なので、派手なシフトが決まると大盛り上がり(メディアとスタッフに混じってプレイしていたブリュセー氏は「Too Easy!!(簡単すぎんぜ!!)」と絶叫していた)。
他のキャラクター別に必殺技を持つFPSとの違い
キャラクター別に異なる必殺技を持つFPSということで、『オーバーウォッチ』や『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』辺りと比較されがちな本作だが、プレイ感はかなり違う。どれがいいかはともかく、その点についても解説したい。
まず『オーバーウォッチ』は、MOBA系のゲームの影響を受けたキャラクターの豊富なバリエーションを前提に、相性関係や技のシナジーなどがある。『LawBreakers』の場合は、個々のスキルはチームとしてのシナジーよりも、まず個人で戦うための武器であり、チームとしての連動性はあくまでルール側でそういう形に持っていくという作り。
どちらかと言えば『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』に近いのだが、あくまで地上戦の“リアル系FPS”である『コール オブ デューティ』に近未来設定や技を足した同作と、それこそ“スポーツ系FPS”の『アンリアルトーナメント』や、『Quake』などの延長上にある『LawBreakers』では、プレイ人数や機動性の点で違う。
そういった違いの上で、先に書いたような低重力エリアや、スポーツ的なルールの設計思想があるので、『LawBreakers』なりのゲームプレイというのはちゃんと確立されていると思う。できればαテスターを拡大していく段階で、(せっかくパブリッシャーがネクソンなんだし)日本での展開やアジアサーバーの設置なども強化してもらい、いろんな人に触ってみてほしいところだ。