シリーズ最新作のポイントを徹底解説!

 『Warhammer(ウォーハンマー)』とは、イギリスのGAMES WORKSHOPが製作しているミニチュアゲームで、小さな模型を使って遊ぶターン制の戦争シミュレーションだ。1983年の発売以来、その独特の造形や世界観、細かく分かれた種族で軍隊を構成して戦うルールで世界的な人気を誇っており、日本にもファンは多い。このシリーズは、ファンタジー世界を舞台にした『Warhammer: Fantasy Battle』と、銀河系の惑星を舞台にしたSFをテーマとする『Warhammer 40,000』の系統に分かれており、PC向けのゲームとして多くの作品がリリースされている。
 とくに『Warhammer 40,000』は、リアルタイムストラテジー(RTS)の『Dawn of War』シリーズがPC向けに発売されており、人気を博している。第2次世界大戦をテーマにしたRTS『Company of Heroes』シリーズで定評のあるRelic Entertainmentが今回も開発を手掛けており、そのシリーズ最新作である『Warhammer 40,000: Dawn of War III』は制作が明らかになってから高い注目を集めている。E3 2016で行われた本作のプレゼンテーションから見えたポイントを、じっくりと解説していこう。

死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_01
死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_02

Dawn of War III: First Gameplay Footage

スペースマリーンのスーパーユニットがすさまじい!

 今回のプレゼンテーションで公開されたフッテージは、シングルプレイのキャンペーンモードで、あくまで開発中であることを前提に話を進めていく。
 プレイヤーが操作する部隊は、Space Marines。パワーアーマーと強力な武器群をあやつるスペースマリーンを率いるエリートヒーローは、Gabriel Angelosだ。今回の舞台は、氷雪と溶岩で構成された惑星Acheron。さっそく戦闘が始まるのだが、ひときわ目立つ存在が登場する。
 それが二足歩行の大型ロボット(設定では14フィート=約4メートルの大きさだそう)であるImperial Knightで、搭乗するのはLady Solariaという女性。本作から新たに登場する巨大なスーパーユニットで、両手にガトリングガンを装備している遠距離特化型のユニットだ。アビリティのGatling Barrageで前方90度の範囲を銃撃、Ironstorm Missilesで最大6つのポイントにミサイルを撃ち込める(ポイント数を減らせばクールダウン時間も早くなる)という。この超強力なユニットは、敵として対峙しても当然倒せるわけだが、「そう簡単ではないし、その具体的な方法はいまは明かせない」とのことだ。

死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_03
死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_04

多彩なユニットが戦況を動かす

 戦況を左右するアビリティは、近接攻撃に特化されたGabirelも持っており、God Splitterは一気に跳躍して、ハンマーを振り下ろす攻撃をくり出すもの。Retributionは、ハンマーを振り回して周囲の敵を吹き飛ばすうえに、敵の攻撃を防ぐシールドを一時的に作り出す。まさに前線で活躍するタンクユニットにふさわしい技量を持っている。
 スペースマリーンのユニットも多彩だ。現時点で明らかになっている5種を紹介しよう。Scoutsは、敵の領域に侵入して、後述するPodのドロップポイントやOrbital Bombardmentの位置を指示できるスポッターである。Sniperは、遠距離から狙撃できる能力を持つScoutsといったところ。Assault Marinesは銃火器とチェインソーを持った近接攻撃ユニットで、ジャンプパックで一気に敵まで近づける点がポイント。重火器を装備するDevastator Squadsは、動きは遅いものの破壊力の高さは随一。Dreadnoughtsは機械化された重装兵で、その鉤爪で敵を駆逐できる能力を持つ。個性的なユニットの組み合わせで生まれる戦術性のおもしろさと、目まぐるしく展開する戦場のダイナミズムは、本作でさらに大きく進化しているようだ。

死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_05
死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_06

上空からとんでもない“死”が降り注ぐ……!

 フィールドに目を戻そう。スペースマリーンは上空からポッドを投下させながら、各ユニットを戦場に配置していく。ポッドからはユニットが登場して、敵ユニットと交戦を始める。
 今回のプレゼンにおける敵勢力はElder(他勢力にはOrkがいて、プレイヤーは3勢力から自軍を選択することになる)で、スペースマリーンの目的はその補給線を分断させること。さまざまなユニットが入り乱れての激戦は、戦闘面に特化したRTS『Dawn of War』シリーズの面目躍如といったところだ。敵の大群をガトリングガンで散らして行くImperial Knightも、圧巻のひと言。ここで、さらに圧巻の攻撃が敵をせん滅させる。それが、Orbital Bombardmentだ。
 これは、惑星軌道上の衛星から放つレーザー攻撃で敵ユニットを一気に蒸発させるという、とんでもない武器である。ファンにはおなじみのスペースマリーンが誇るスーパーアビリティだが、本作では敵を巻き込むほど強力になっていく(速度は落ちる)凶悪さで、すさまじい威力を発揮するのは見ているだけでも理解できた。

死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_07

 今回のプレゼンテーションはスペースマリーンに焦点を当てた内容だったが、もちろんエルダー、オークそれぞれにも特徴的なアビリティが用意されているので、壮大なフィールドを舞台にしたかつてない規模の戦いが体験できるはず。ド派手なエフェクトで破壊されていくユニットの姿を見るかぎり、爽快なRTSという本シリーズ独特のプレイ感覚は健在だろう。2017年の発売に向けて開発は順調に進んでいて、「あらゆるプレイスタイルをサポートできる内容になっている」とのこと。新しいオンラインモードの詳細も不明なので、ファンは期待して続報を待とう。

死が空から降り注ぐ? 巨大ロボが敵をせん滅する!? 『Warhammer 40,000: Dawn of War III』の詳細に迫る【E3 2016】_08