第一次世界大戦という“新しさ”
E3会場近くで行われているエレクトロニック・アーツの独自イベント“EA Play”で、FPS『バトルフィールド 1』のマルチプレイ対戦をプレイしてきたので、その模様をお伝えしよう。
プレイできたのは、シリーズ定番の大規模戦コンクエストモードの64人対戦(32対32)だ。デモ機のプラットフォームはPCで、マップはフランスのサン=カンタンを題材とするマップ“St. Quentine Scar”。広大なフィールド内に散らばった6箇所の拠点を占拠していき、スコアが200に達した勢力が勝利という設定だった。
破壊・天候表現の進化で、戦場の“表情”が毎回変わる
サン=カンタンは、『バトルフィールド 1』の舞台である第一次世界大戦時、旧市街がほぼ廃墟になったというほどの激戦地。というわけで本作でも、戦車が泥を跳ね上げながら駆け巡り、複葉機が空の戦いを繰り広げ、しまいには本作のキービジュアルなどでも使われている巨大飛行船も登場する、鉄の焼ける匂いが漂ってきそうな大激突を楽しめた。
また『バトルフィールド』らしい部分としては、戦車の突破や爆発によってどんどん壁や建物が壊れていく破壊表現や、戦闘中に雨が降り出したり霧と煙が立ち込めたりする天候表現によって、同じマップでも状況によって戦場の“表情”がガラッと変わっていくのが印象的。泥と血にまみれたパワフルな肉弾戦をテーマに持ってきた本作だが、戦場そのものもまた生き物のように姿を変えていくのだ。
気が付くと終盤戦に霧と煙が立ち込めて視界が悪化し、戦場が一瞬静かになったところで、ライフルの鋭い音が静寂を切り裂いたり、敵戦車の近付く音が静かに響いてきたりすると、もう絶妙にかっこいい(その後すぐに死ぬんだけど)。
拠点制圧に向かってくる、対人兵器としての戦車
本作の発表時にマルチプレイプロデューサーのアンドレアス・モレル氏にインタビューを行った際、現代の視点からすると当時の戦車の恐ろしさは伝わりづらいのではないかと聞いたところ、「バトルフィールド4でタンクが怖かったように、ちゃんとバトルフィールド 1でも恐ろしい、心の準備がなければ近寄るべきものではないものになっているよ」との回答が返ってきたのだが、実際遊んでみて納得。戦車強い、怖い。
バトルフィールドの戦車と言えば、ごっつい主砲で着弾地点を吹き飛ばし、近付く命知らずは副砲や機関銃で蹴散らす主力戦車のイメージだが、本作に登場する戦車は時代柄もあって、形状や搭載兵器の扱いが結構違う。
例えばイギリス軍のマークIV/V戦車のように、側面や後方に複数の機関銃を備えた車両などでは、中央の主砲で遠くからドッカンドッカン撃つというよりも、スクワッド(小隊)メンバーで乗り込んで、障害物を乗り越えて拠点に向かう装甲車なり運搬車としての役回りの方が近い。そして、それで十分強力なのだ。
戦車を倒すのは突撃兵が持つ対戦車ロケットなどを使えばいいのだが、全方位に射手が揃っていたりすると、確実に撃ちこむために接近するのもひと苦労。対戦車グレネードもあるが、高低差などを利用しない限り、投げて届く距離に近付くには決死の覚悟が必要だ。当時の人々が感じていただろう、鋼鉄の怪物としての恐ろしさがあると思う。
ビークルで出撃した際の専用クラスも
プレイヤーが選択可能なクラス(職能)は、対戦車ロケット砲や対車両グレネードを持つ“突撃兵/Assault”、回復役の“看護兵/Medic”、ライトマシンガンを持ちトラップの設置なども可能な“援護兵/Support”、ボルトアクションライフルを持つスナイパー的役割の“偵察兵/Scout”の4種類が基本。
偵察兵はオプションとして持っている徹甲弾(ドイツの場合はSmK弾)を使うことで戦車も攻撃できたりするが、少なくとも初期装備を見た限りでは、役割分担ははっきりしている感じ。そのほか、戦車や飛行機を復活場所に選んだ時は“戦車兵/Tanker”および“パイロット/Pilot”という専用クラスになり、ビークル(乗り物)の修復などを行える。
“ベヒーモス”は圧倒的だが……。
そして待望の飛行船にも、搭乗できた。複数の銃座を備えており、空中要塞とばかりに弾を降らせることができる……のはいいのだが、はっきり言ってデカブツすぎて、対空砲などで狙いやすいことこの上なく、記者程度が撃墜に貢献できてしまったぐらい。まぁこれは野良プレイヤーばかりで遊んだせいで、普通は地上部隊に対空砲を早めに封じてもらったりするのがセオリーなのかもしれないが……。
ちなみに発表などで“ベヒーモス”と呼ばれていたが、このツェッペリン型飛行船の名前がそういうわけではなく、マップによって異なる巨大兵器が“ベヒーモス”という呼称で扱われている模様。トレイラーなどにチラッと映っている装甲列車などもベヒーモスとして出てくるようなので、さらなるバリエーションに期待したい。
結論:ピンと来たらβテストに参加すべし!
とまぁ、数回のプレイで超大作を掘りきれるわけもないのだが、大胆に第一次世界大戦をテーマに選んだうえで、骨が軋むような肉体的な戦いを現代の技術をフルに活かして描こうとしているのははっきりと理解できた。そしてそれはパワフルで新鮮だ! というわけで、今後予定されているβテストの暁には、ぜひチェックしてみて欲しいと思う。