ドローンまわりの新機能に期待
海外でPS4/Xbox One/PC向けに2016年11月15日に発売されることが発表された、ユービーアイソフトのオープンワールドアクション『Watch Dogs2』。本誌ではすでに速報をお伝えしたが、同社の公式ブログがさまざまな新要素を紹介する記事と動画を掲載しているので、その内容をベースに補足を加えつつお伝えしよう。
■新たな主人公マーカスは若きDedSecのメンバー
まず本作の主人公は、苦い過去を抱えた中年のエイデン・ピアースから、サンフランシスコ近郊の街オークランド出身の若きハッカー、マーカス・ホロウェイに交代。
彼はある日、街をコントロールする巨大システム“ctOS 2.0”(前作のエンディングでもちょろっと出てきた)の機能である犯罪予測アルゴリズムに誤検知されてしまったことをきっかけに、DedSecに加わることになる。そう、前作にも出てきた、反ctOSを掲げるアナーキーなハッカーグループだ。
■パルクールとドライビングが進化
マーカスは身体能力に長けており、街中を高速に移動するパルクール(フリーランニング)能力も前作より進化。より流れるように障害物を利用しながら建物や敷地に侵入・離脱できる。
さらにマーカスはエイデンよりクルマの運転もうまく……というか、前作のフィードバックとしてドライビング要素の評価が低かったので、改善に注力したという。舞台の中心となるサンフランシスコは坂が多く立体的な街なので、これは朗報。なお運転しながらクルマの中からハッキングだけでなく、ドローンの展開、銃撃なども行える。
■ドローンと強化されたハッキングで更なる選択肢が生まれる
クアッドコプター(4つのローターで飛ぶ小型ラジコンヘリ)をはじめとする陸上・空中のさまざまなドローンも新要素で、偵察したり、ハッキングはもちろん、離れた場所にあるパネルに解錠キーを打ち込むといったことも可能。さらにドローンレースもある模様で、これはちょっと楽しそう。
各種ドローンや武器のアップグレードは、マーカスの3Dプリンターを使って行う。ドローンが再生産可能であるため、ドローンに爆弾を付けて特攻させるといった使い方もできる。また武器としては、銃火器以外に、非殺傷系のテーザー銃や、アウトドア用のケーブル(パラコード)の先にビリヤード球を付けてふりまわすThunder Ballなる打撃武器も登場予定。
ハッキング能力自体もパワーアップしており、駐車されたクルマをハックして警備を轢いたり、あるいは爆弾をつけて遠隔で突っ込ませるといったビークルの活用や、邪魔な人間を危険人物としてタグ付けして警察に逮捕させるといったプレイも可能。
■DedSecの支持者を増やせ! マルチプレイも進化
プレイヤーがDedSecのメンバーとして活躍し、コンピューターの処理能力などのリソースを提供してくれる支持者を集めることで、研究が進められるようになり、より強力なハッキング技術の開発や3Dプリンターでの新たな装備製造が可能になる。
また、前作に引き続きシングルプレイのキャンペーンとシームレスに融合したユニークなマルチプレイ要素の組み込みを目指しており、ストーリーをプレイしている最中にランダムに他のプレイヤーに遭遇する(前作にもあったが、お互いに相手の姿は主人公ではなく一般人のように見えるのがキモ)。衝突することもあるが、DedSecの相棒としてCo-op(協力)プレイをスタートさせることも可能で、これは本作の主人公の「DedSecのコミュニティメンバー」という設定ともマッチしている(もちろんフレンドリストから友達を呼ぶこともできる)。
■広大なサンフランシスコ・ベイエリアが舞台
本作の舞台となるのは、サンフランシスコを中心にした“サンフランシスコ・ベイエリア”一帯。湾を挟んで東にあるオークランド(イーストベイ)、湾を挟んで北にあるマリン郡(ノースベイ)、南の郊外にあるシリコンバレー(サウスベイ)など、サンフランシスコを含めて全部で6つのエリアが登場する。
サンフランシスコ在住の記者として補足しておきたいのだが、サンフランシスコは大都市のイメージがある一方で、サンフランシスコ市そのものは小さな半島の先っちょの街でしかない。実際は周囲のエリアを足した、経済圏としてのサンフランシスコ・ベイエリアを指していることが多いのだ。
ちなみに本作は近未来設定だが、現在のベイエリア内でも、シリコンバレーで働く高給取りのエンジニアがサンフランシスコに住みたがることでサンフランシスコ市内の地価や家賃が高騰して格差対立が激化していたり(Googleなどが提供する社員用の長距離通勤バスに石が投げつけられたりする)、コンピューターやインターネットに関する一般市民の自由のために活動するEFF(電子フロンティア財団)の本部があったり、本作と繋がってきそうなテーマはいろいろ転がっている。このベイエリアという土地がどのように活かされるのかも注目だ。