『DOOM』プレイ映像も要チェック

 NVIDIAは、新しいPascalアーキテクチャを採用した初のゲーム用GPU、NVIDIA GeForce GTX 1080を発表した。

 なおNVIDIAは、5月19日発売予定のFPS『DOOM』をGeForce GTX 1080を使用してプレイするデモを実施。映像では、脅威の200fpsを叩き出している。

 以下、リリースより。


 NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、新しいPascal™アーキテクチャを採用した初のゲーム用GPU、NVIDIA GeForce GTX 1080を発表しました。GeForce GTX TITAN Xと比べ、バーチャルリアリティのパフォーマンスが最大で2倍となります。

 先代のMaxwellアーキテクチャも高性能でしたが、Pascalは、パフォーマンスもメモリ帯域幅も電力効率も大幅に向上しています。さらに、革新的なグラフィックス機能やテクノロジも各種搭載されており、PCを、AAAクラスのゲームやバーチャルリアリティを楽しむ究極のプラットフォームへと変えることができます。
 NVIDIAのPC事業担当上級副社長、ジェフ・フィッシャー(Jeff Fisher)は、次のように述べています。「PCは多くの人にゲーム用プラットフォームとして愛されていますが、NVIDIAの新しいPascal GPUアーキテクチャは、そのPCを新たな高みへと持ち上げることができます。そのPascalを初めて採用したゲーム用GPU、GeForce GTX 1080なら、パフォーマンスも効率も劇的に向上し、驚異的なリアリズムのゲームや真にイマーシブなVR体験が得られるのです。かつてないほどパワフルなゲーム用GPUで、NVIDIAにとっても最高傑作のひとつだと言えます。」

Pascal、5つの特長
 Pascalアーキテクチャは、VRなど、膨大なコンピューティングを必要とするテクノロジに対応できるようにと開発されたもので、5種類の革新的なテクノロジが投入されています。

●次世代GPUアーキテクチャ――Pascalは1ワットあたりのパフォーマンスが最高となるように設計されています。その結果、GTX 1080は、Maxwellアーキテクチャ採用のGPUに比べて電力効率が3倍に達しました。
●16nm FinFETプロセス――GTX 1080は、ゲーム用GPUとして初めて16nm FinFETプロセスを採用しました。このプロセスではトランジスタが小型化・高速化しますし、集積密度も高めることができます。こうして、72億個のトランジスタにより、パフォーマンスと効率を劇的に高めることに成功したのです。
●高度なメモリ――PascalベースのGPUは、8GBのMicron GDDR5Xメモリの能力を活用することに成功しました。メモリ・インターフェースは256ビットで10Gb/秒もの転送能力を誇ります。この結果、通常のGDDR5に比べ、有効メモリ帯域幅を1.7倍に高めることができました。
●すばらしい仕上がり――帯域幅と電力効率の向上により、GTX 1080 は、わずか180ワットで過去最高のクロック・スピード――1700MHz 以上――を達成しました。非同期計算も進歩し、効率とゲーム性能が高まりました。しかも、新しいGPU Boost™ 3 テクノロジでは、高度なオーバクロッキングもサポートされています。
●革新的なゲーム・テクノロジ――NVIDIA は、開発からプレイ、シェアにいたるまで、さまざまな側面でゲームというものを変革しつつあります。新しいNVIDIA VRWorks™ソフトウェアには、ゲーム環境をかつてないほどイマーシブにできる機能が用意されています。Anselテクノロジでは、いままでにないやり方で、ゲーム体験をシェアしたりゲーム世界を探検したりすることができます。

 Epic Games 社の創業者兼CEO、ティム・スウィーニー(Tim Sweeney)氏は、次のように述べています。
「GTX 1080 のパフォーマンスと機能には本当に驚いてしまいました。当社のゲーム、『Paragon』の映像はもともとオフラインでレンダリングすることを前提に作ってあるのですが、GTX 1080 では、それをリアルタイムにレンダリングできてしまうので感動しました。今後、UE4 とGTX 1080 により、2D についてもVR についても、ゲームや自動車デザイン、建築関係のビジュアライゼーションなどの分野でどういうものが生みだされていくのか、とても楽しみです。」

VRWorks:新次元のVR プレゼンス
 ユーザが仮想世界に没頭できるようにと、新しいNVIDIA VRWorks ソフトウェア開発キットでは、いまだだれも経験したことのないレベルの「VR プレゼンス」が提供されます。ユーザの視覚、聴覚、触覚と環境の物理的な挙動とを組み合わせ、仮想体験がリアルであると錯覚させるのです。

●2倍のVR グラフィックス性能――VR ディスプレイは通常の2D モニタと形状が異なりますが、新しいVRWorks Graphics では、そのようなVR ディスプレイに最適なレンダリングをネイティブでおこなえる同時マルチプロジェクション機能がサポートされました。左目用と右目用の映像も、シングル・パスで同時にレンダリングすることができます。
●包み込むようなオーディオ――VRWorks Audio では、NVIDIA OptiXレイトレーシング・エンジンを用いて音の伝達経路をリアルタイムに追跡し、仮想世界のサイズや形状、構成材質などをすべて反映させることができます。
●インタラクティブな触覚と物理演算――NVIDIA PhysX for VR では、手に持ったコントローラが仮想オブジェクトと干渉するとそれを検出し、視覚的にも触覚的にも物理的に正しい反応をゲーム・エンジンに出力させることができます。ユーザを取り囲む仮想世界の物理的挙動をモデル化することも可能で、爆発や手で水をはね飛ばす動きなど、あらゆる相互作用を現実であるかのように感じさせることができます。

 NVIDIA では、これらのテクノロジを組み込んだVR Funhouse というVR 体験を用意しています。CCP Games社のCEO、ヒルマー・ヴェイガー・ピーターソン(Hilmar Veigar Petursson)氏は、次のように述べています。
「当社の『EVE: Valkyrie』を遊ぶには、GeForce GTX 1080が最高です。一日も早くNVIDIAの新しいVRWorks機能を『Valkyrie』に組み込み、ゲームのビジュアルとパフォーマンスを新たな次元へ押し上げたいと思っています。」

Ansel:芸術的なゲームのシーンをキャプチャする
 NVIDIAは、ゲーム・キャプチャのパワフルなツール、Anselも発表しました。Anselを使うと、いままでにないやり方でゲームの芸術的なシーンをキャプチャし、シェアすることができます。
 Anselでは、ゲームプレイをキャプチャする際、カメラを構える場所やその向きをゲーム世界で好きなように設定できます。画面解像度の32倍もの解像度でスクリーンショットがとれますし、好きなところにズームすることもできます。ズームで映像がぼける心配もありません。フォト・フィルタでリアルタイムにエフェクトをかけることも可能で、望むままの完璧なショットが得られます。360度の全天球で立体映像をキャプチャし、VRヘッドセットやGoogle Cardboardで楽しむこともできます。

供給状況と価格
 NVIDIA GeForce GTX 1080は「Founders Edition」が5月27日に699ドルで発売される予定です。販売は、ASUS、Colorful、EVGA、Gainward、Galaxy、Gigabyte、Innovision 3D、MSI、NVIDIA、Palit、PNY、Zotacからとなります。地域ごとにパートナー各社から各種のカスタム・ボードも発売される予定で、その価格は599ドルからとなる見込みです。

 GeForce GTX 1080はシステムに組み込まれた形でも販売されます。販売は、国内の大手システム・インテグレータ各社からも予定しています。
 NVIDIA GeForce GTX 1070の「Founders Edition」も、6月10日に449ドルで発売される予定です。パートナー各社が発売するカスタム・ボードは379ドルからとなる見込みです。
GeForce GTX 1080および1070の詳しい情報は、www.geforce.comをご覧ください。
Anselは、『Tom Clancy's The Division』、『The Witness』、『Lawbreakers』、『The Witcher 3』、『Paragon』、『No Man's Sky』、『Obduction, Fortnite』、『Unreal Tournament』など、今後新たにリリースされるゲームや既存ゲームのパッチで供給されます。