茹でソーセージ派の人はお帰りください

 Increpare Gamesの『Stephen's Sausage Roll』を紹介する。本作のプラットフォームはPCで、Steamなどで配信中。なおSteamでの価格は2980円。

 本作はソーセージを焼いていくパズルゲーム。フォークを持った自機を操作してソーセージを動かしたり転がしたりして鉄板の上に乗せ、ジューッと焼いていく。
 ルールはいたってシンプルだ。各ソーセージは上下・両面の合計4面があり、ステージ内のすべてのソーセージを全面まんべんなく焼ければクリアー。ソーセージをマップ外の水に落としてしまったり、すでに焼いた部分をもう一度鉄板に乗せてしまうと焦がしてしまってアウトとなる。

哲学的問い:なぜ我々はソーセージを焼くのか?

 ほとんどノーマークの状態からリリースされ、インディーマニアを沸かせている本作。その秘密は、シンプルなルールとゆるゆるなサウンド&グラフィック(絶妙にエッジが歪んだローポリスタイル)とは裏腹の、ハードコアで高難度なスタイルにある。

 なんせ本作は、タイトルにあるスティーブンとは誰なのかも、なぜソーセージを焼くのかも説明しないし、チュートリアルすらも存在しない(一応、開発者の名前がStephen Lavelleなのがタイトルの元ネタではある)。ゲームをスタートするとRPG風のオープンフィールドに放り出され、「マップ上の半透明のマークに自機を重ねるとスタート」ということに気がつくまで、ソーセージを焼かせてくれもしないのだ。

歪んだシュールなローポリ世界でソーセージを焼こう。激ムズ難度のインディーパズルゲーム『Stephen's Sausage Roll』_04
▲スタート直後。ほとんど説明なしで放り出される。半透明に表示されている部分に自機を重ねると面がスタートする。ある意味オープンワールドである。

 そしてソーセージの焼き方(=パズルの解き方)についても説明してくれない。プレイヤーはソーセージを落としたり、焦がしたりする内に、すでに述べたような基本ルールを学んでいくことになる。どの面から解くかは特に決まっていないのだが、とにかく第1問目から解法を探さなければいけないのだ。

歪んだシュールなローポリ世界でソーセージを焼こう。激ムズ難度のインディーパズルゲーム『Stephen's Sausage Roll』_03
▲処女航海(Maiden Voyage)ならぬMaiden's Walkということで最序盤的なステージなのだが、いきなりノーヒントでアドバイスもなし。自分で解法を見つけないといけない。

 万事がそんな具合なので、とても万人にオススメできるタイトルではないのだが、不条理な部分はなく、(腸詰めだけに)詰め将棋的に頭を働かせればいいだけだし、ソーセージが上手に焼けた時は絶妙に気持ちいい(なおクリアー状況は解いた面数ではなく、焼いたソーセージの本数で表記される)。コンセプトを聞いて我こそはと思うソーセージ焼き職人、もといパズルゲームファンの人は、ソーセージ盛りを3000円分食ったつもりでチャレンジしてみてはいかがだろうか。

歪んだシュールなローポリ世界でソーセージを焼こう。激ムズ難度のインディーパズルゲーム『Stephen's Sausage Roll』_01
▲重要なソーセージテクを紹介。このようにソーセージに接した状態でフォークを回転させると……。
歪んだシュールなローポリ世界でソーセージを焼こう。激ムズ難度のインディーパズルゲーム『Stephen's Sausage Roll』_02
▲こうやってソーセージをひとマス送り込める。