すさまじいほどの熱気と歓声に包まれた代々木第二体育館

 2016年4月10日、PC用オンライン対戦ゲーム『League of Legends』(以下、『LoL』)国内プロリーグ“League of Legends Japan League 2016 Spring split”(春季シーズン)の覇者を決める決勝戦が行われた。会場は東京・国立代々木競技場第二体育館。

『League of Legends』代々木第二体育館が『LoL』ファンの歓声でアツく燃えた! 国内プロリーグ“LJL 2016”春季シーズン決勝戦リポート_01
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▲用意されたチケットは追加販売ぶんも含めて完売。12:00の開場直後は、第二体育館の前に長蛇の列ができていた。

 関係者によると、来場者数はおよそ1700人。会場内は、入場時に配られた“サンダースティック”を持つ『LoL』ファンで埋め尽くされた。このスティックは振ると光り、2本1セットのスティックどうしを叩き合わせて使う応援グッズ。『LoL』世界大会ではおなじみだ。

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▲大会の進行役を務めたのは室川慎也氏(中)。DFMのスペシャルサポーターとしてみそしるさん(左)、Rampageのスペシャルサポーターとして大久保聡美さん(右)も会場に駆け付けた。
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▲試合開始前には大きなウェーブで選手のテンションを上げる! こちらも『LoL』の世界大会ではおなじみの光景だが、まさか日本の大会で見られるとは!

 春季シーズン決勝戦に駒を進めたのは、DetonatioN Focus Me(以下、DFM)とRampageの2チーム。DFMは全10マッチのリーグ戦を無敗で勝ち進んだ強豪だ。対するRampageはリーグ戦こそ3位だったものの、準決勝にあたるプレイオフで2位のUnsold Stuff Gamingを下して決勝進出を決めている。

 試合を待ちわびる観客の期待とサンダースティックを叩く音をその背に受けながら、両チームの選手が入場。地響きが起こったのかと勘違いするほどの大きな歓声が、代々木第二体育館を包んだ。

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▲試合が始まる前には、ライアットゲームズ本社のスタッフから、日本のプレイヤーに向けてのメッセージも公開された。
▲実況・解説を行うのは、キャスターのeyes氏(写真左)とRevol氏(写真右)。

2016年度もライバルチームどうしが決勝で争う形に

 決勝戦はBO5(全5戦中、3本先取したチームが勝利)の試合形式で実施。勝利チームには国際大会“IWCI(International Wild Card Invitational)”の出場権も与えられるという点でも、大きな注目を集めた。

 さて、試合内容のリポートの前に、決勝戦で激突する両チームの情報をおさらいしよう。どちらもLJL発足当初からリーグ戦に参加する古株の強豪チームだ。2015年度のグランドファイナルも同じ組み合わせで行われ、そのときはRampageが2連勝したものの、そこからDFMが3連勝する大逆転劇を見せた。

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◆DetonatioN Fucus Me
 2015年度のLJLの春季シーズン、さらにシーズンを締めくくるグランドファイナルを制した前年度の王者。国際大会にも出場し、結果としては敗退したが、世界の強豪チームを相手に互角以上に渡り合い、その名を轟かせた。
 LJL 2016開幕前に、世界でもトップクラスの激戦区である韓国プロリーグ“LCK(LoL Champions Korea)”に所属していたプロプレイヤーがDFMに加入。春季シーズン開幕からの全10マッチで全勝で終え、圧倒的な力を見せつけて春季シーズン首位突破を果たした。盤石の態勢でRampageを迎え撃つ。

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◆Rampage
 2015年度のLJL冬季シーズンでDFMを下した経験も持つ古豪チーム。グランドファイナルではDFMに惜敗するも、力強いパフォーマンスでファンを魅了した。
 春季シーズンでは、序盤戦はDFMに次ぐ成績を残していたが、主力として活躍していた韓国人プレイヤーのTussle選手とD4ra選手が諸事情で韓国に帰国。メンバーチェンジを余儀なくされたRampageは、元プロプレイヤーとして多方面で活躍していたAotaka選手をプロシーンに呼び戻し、チームの再構築を図った。そこからはやや負けが続き、順位を2位から3位へと落としたが、準決勝では逆境を跳ね返すような力を見せて3連勝で突破。準決勝の勢いのまま、決勝でも奮闘を見せるか!?

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【第1試合】
 ジャングルに出現する敵モンスターを順調に倒し、DFMが序盤からアドバンテージを獲得。その差は時間の経過とともに徐々に広がり、中盤に差し掛かるころにはチーム全体のゴールド量に差が付き始めた。DFMはタワーを破壊した際のゴールドだけでなく、ドラゴンやバロン討伐時のバフ効果を効率的に獲得し、終始Rampageを圧倒。そのままの勢いで1試合目をDFMが制した。

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【第2試合】
 1試合目の展開とは打って変わって、試合開始からしばらく均衡状態が続いた。沈黙を打ち破ったのはRampage。DFMのエースであるCeros選手を狙い、見事にファーストブラッド(試合の最初のキルのこと。ボーナスゴールドを得られる)を獲得した。しかし、集団戦が発生するやいなや、DFMは高い連携力で離れかけた流れを手繰り寄せる。一度つかんだペースを逃さず、そのまま押し切る形でDFMが2連勝した。

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【第3試合】
 後がないRampageの反撃に期待が寄せられた3戦目。だが、この試合でもペースを握ったのはDFMだった。序盤から順調にキルを重ね、20分経過時にはチーム全体のゴールド差はおよそ9000ゴールド。一方的な展開になった。危なげなく差を広げ続けたDFMが圧倒的な試合内容で3試合目も勝利し、春季シーズンを制する形となった。

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 結果は、DFMの3連勝という形で、LJL 2016 Spring Splitの優勝が決定。3試合とも「まさに王者」とも思える圧巻の勝利であった。彼らのつぎなる戦いの舞台は、メキシコで4月16日から23日にかけて開催される国際大会IWCI。世界の強豪相手にどのような戦いを見せてくれるのだろうか。本日の戦いぶりを見る限りでは、いい結果を残してくれそうだと感じられた。試合の様子は配信も行われるようなので、気になる人は要チェックだ。

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▲優勝トロフィーを手にしたDFMのメンバー。

 2014年の発足以降、徐々に進化を遂げてきたLJL。オフラインで行われる決勝大会の会場も規模がどんどん拡大されている。秋葉原のe-sports SQUAREから始まり、ベルサール秋葉原、秋葉原UDX、今回はスポーツ大会の会場としておなじみの代々木第二体育館に進出を果たした。いずれの会場でもチケットが即ソールドアウトとなるほど、注目度が高まっている。

 しかし、これはまだ日本の『LoL』シーンにとってはあくまでも通過点。今後、よりゲームや大会が盛り上がるためには、日本の実力を世界に示す必要があるだろう。そのためにも、DFMにはぜひ国際大会IWCIで好成績を残してほしいと望むばかりだ。

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▲チャンピオン(プレイヤーが使うキャラクターのこと)に扮したコスプレイヤーたちも大集合。
▲登壇者全員で記念撮影。
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