360度+空間のVR体験をするための準備をスタート
2016年4月5日より全国への出荷が開始されたVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)を体感できる最新デバイスのHTC Vive。本機器は、Valveが開発したVRプラットフォーム“Steam VR”に対応したVRヘッドマウントディスプレイと、その周辺機器により構成されたシステムとなっており、部屋サイズの空間を歩き回れる“ルームスケール”のVR体験ができることが最大の特徴となっている。
そんなHTC Viveの製品版が編集部に到着したのは、既報の通り。今回は、HTC Viveを遊ぶために必要な事前準備となる機器の接続・設置といったセッティングに挑戦してみた。
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■“HTC Vive”の製品版のセットアップ手順を実際に試しながら紹介
商品に同梱されていたスタートガイドによると、設置の手順は以下の3項目に分かれている。
・プレイエリアの確保
・VIVEアプリケーションのダウンロード
・VRのセットアップ
このスタートガイドは、あくまでも簡単な説明を記したものとなっているが、ひとまずこの手順に沿ってセッティングに挑戦。ルームスケールを体感するためには、まずは家具や什器といった障害が極力ない、ある程度の広さのスペースを確保しなければならない。というわけで、今回は編集部の会議室をプレイルームとして使用することに決定。机や椅子を片付け、おおよそ3メートル四方のスペースの確保に成功した。
こちらの部屋に、HTC Viveのプレイには絶対に必要になるPCを持ち込んだ。今回使用するPCは、ドスパラのガレリアを用意。ガレリアといえば、PCゲーマーにはおなじみのドスパラが提供するゲーミングPCシリーズだが、今回用意したのは、ゲーミングノートPC(QSF980HGS)となる。
ノートPCとはいえ、昨今のゲーミングノートPCはデスクトップPCと比べても大きく見劣りすることもなく、CPUはIntel Core i7-6700HQ、メモリーはDDR4 PC4-17000の8GB×2、グラフィックボードはNvidia GeForce GTX960Mといった、大半のPCゲームであれば普通に遊ぶには問題ない構成となっている。
※HTC Viveの推奨スペック
GPU:NVIDIA GeForce GTX 970 / AMD Radeon R9 290 equivalent or greater
CPU:Intel i5-4590 / AMD FX 8350 equivalent or greater
RAM:4GB+
Video Output:HDMI 1.4 or DisplayPort 1.2 or newer
USB Port:1x USB 2.0 or greater port
Operating System:Windows 7 SP1 or newer
・ゲーミングPC ガレリア QSF980HGS紹介ページ
http://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=143&ft=&mc=5611&sn=0(→こちら)
遊ぶスペースの確保と、PCの用意のほかに、HTC Viveのセットを動作させるために、ACアダプター用の電源を確保する必要もある。ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)部の電源は、PCとの接続の中継器となるリンクボックスより供給されるのだが、まずはこのリンクボックス用に電源をひとつ。それからルームスケールを再現するための必需品となるBASE STATION用にふたつの電源の確保しなければならない(ルームスケールを使わず、座った位置での使用の場合は、BASE STATIONがひとつとなる)。さらに、コントローラーの充電用としてふたつのACアダプターが付属しているが、こちらは付属のUSBケーブルを用いることでPCからの充電にも対応している。つまり、PC本体の電源を除くと、最低で3個(もしくは2個)の電源が必要になるというわけだ。
■ひと通りの準備が済んだら、まずはPCのセットアップより作業開始
スタートガイドに書かれているアドレスより、“ViveSetup”アプリ(約60MB)をダウンロードし、インストール。HTC Viveの製品版には、簡易的なスタートガイド以外に、とくにセッティングや操作に関する説明が記載されているものは用意されていないが、“ViveSetup”を起動すると、設定に必要な手順がわかりやすく表示され、ひとつひとつ確認しながら作業を行うだけで、セットアップを行うことができた。
■PCの準備が完了したら、いよいよハードウェアを設置&接続
ソフトウェアのインストールが完了したら、いよいよ機材のセッティングに取りかかることに。まずはルームスケールの要となるBASE STATIONの設置から開始。
BASE STATIONは、遊ぶスペースの対角線の位置にふたつを設置する必要があるのだが、高さが約2メートルの地点で、やや下向きに取り付けることが推奨されている。セットのなかには、壁に取り付けるための器具も付属しているが、今回は会議室を間借りしての設置のため、すぐに撤去できるよう高所に置くことにした。設置時の注意点は、プレイエリア内に、BASE STATIONの死角を作らないこと。ふたつのBASE STATIONがきちんと向き合いながら、エリアの全域をカバーできる位置を作り出し、電源をつないだらいったんは設置完了。
続いて、HTC Viveの要ともいえるHMD部のセットアップに着手。まずはHMDとリンクボックスに、HDMIケーブルとUSBケーブル、リンクボックス用電源アダプターを箱から取り出して用意しておく。あとはPCとリンクボックス、リンクボックスとHMDの順に各種ケーブルを接続するだけと、こちらは至って簡単にセットアップが完了するはずだ。
これでソフトのインストールおよびケーブル類の接続作業はひと通り修了。残るはルームスケールの設定と、HMD&コントローラーのキャリブレーション(位置情報)の同期作業のみ。ここでコントローラーの用意をするのだが、コントローラー自体は充電(とファームウェアのアップデート)以外では、とくにケーブルを接続する必要はなかった。
トラックパッドの下にあるシステムボタンを長押しして電源を投入すると、インジケーターが緑色に点灯して電源が入り、いよいよ“Steam VR”が起動する(再度システムボタンを長押しすると、コントローラーの電源をオフにできる)。
Steam VRが起動したら、まず最初にルームスケールの設定を行うのだが、空間内を自由に動き回る“ルームスケールを設定”の設定のほかに、一定の位置でVR体験を行う“立位のみの設定”のふたつから選択することになる。今回は2メートル×1.5メートルのスペースを確保できたので、“ルームスケールを設定”を選択。
以上で、HTC Viveをプレイするための準備はすべて完了。このあと、簡単なチュートリアルを体験することで、基本的な操作方法を学ぶことができる。
ここまでのセッティングの流れは、以下の動画を見ると簡単に全体の流れがつかめるだろう。