大好評のゲーム音楽シリーズが帰ってくる

 毎週日曜9時に放送され、長年親しまれている、テレビ朝日の音楽番組『題名のない音楽会』。2015年11月22日(日)の“ゲーム音楽史の音楽会”に続き、2016年4月3日(日)放送のテーマは“吹奏楽によるファイナルファンタジーの音楽会”として、プロの吹奏楽楽団“シエナ・ウインド・オーケストラ”による、『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズの楽曲が演奏される。また、トークのゲストとして、『FF』音楽の父・植松伸夫氏が登壇し、各曲への思い入れなどを話している。

2016年4月3日の『題名のない音楽会』は『FF』特集! 収録後の作曲家・植松伸夫氏に番組と、間もなく始まる吹奏楽コンサートツアーを聞く_02
▲『題名のない音楽会』公式サイトより。CMの映像でちょっと視聴もできます(2016年3月31日現在)。

 本記事では、番組の収録を終えた植松伸夫氏に、番組の感想、そして間もなく始まる、『FF』シリーズの吹奏楽アレンジのコンサートツアー“BRA★BRA FINAL FANTASY 2016”の内容についてうかがった。

2016年4月3日の『題名のない音楽会』は『FF』特集! 収録後の作曲家・植松伸夫氏に番組と、間もなく始まる吹奏楽コンサートツアーを聞く_01
▲収録後の植松伸夫氏。

――『題名のない音楽会』でゲーム音楽を取り上げるのは、昨年に続いてになりますが、大盛り上がりでしたね。終わってみて、ご感想はいかがでしたか?
植松 楽しかったですよ。盛り上がっ……てもらえたと思います(笑)。

――前回、“ゲーム音楽史”をテーマに取り上げたのが2015年11月で、半年以内にもう一度ゲーム音楽が取り上げられるとは思いませんでした。
植松 僕もビックリしました。前回の“ゲーム音楽史”は、『題名のない音楽会』の去年の視聴率でいちばんよかったらしいんですよ。観ていただいた皆さんのおかげですね。

――そんなに視聴率がよかったとは! そして、前回は『モンスターハンター』や『ゼルダの伝説』といったゲームの曲もありましたが、今回は『FF』1本になりましたね。
植松 ありがたいですねー。単体のゲームにスポットライトを当てていただけるとは。

――演奏曲の中には、ボディパーカッションをする『モーグリのテーマ』もありましたが、『題名のない音楽会』では珍しいパフォーマンスですよね。
植松 ああ、そうかもしれません。でも、壇上から見ていたんですが、年配のお客さんも皆さんやってくださっていたので、うれしかったです。

――新曲としては、先日発売された『BRA★BRA FINAL FANTASY 2』のCDに入っている『魔導士ケフカ』が演奏されましたね。
植松 今回、前回のCDになかったアレンジを入れようと、スクウェア・エニックスさんのスタッフと話をして。それでいろいろ考えた結果、デキシーランドジャズも吹奏楽と言えば吹奏楽だなと。ただ、吹奏楽にしておもしろい曲を考えたんですけど、なかなか見つからないんですよね。そんな中、『ケフカ』とデキシーランドは、ずいぶんかけ離れた雰囲気ながらも、うまくいくとおもしろいんじゃないかなと思って選んだんです。

――実際に聴いてみると、もともとこういうアレンジも想定して作ったかのように自然なアレンジに感じました。
植松 いやー、うまくいってよかった。ラッキーでした(笑)。

――いやいや、ラッキーじゃなく、狙った通りですよね?(笑)。CD第1弾の『BRA★BRA FINAL FANTASY 』ですと、『ザナルカンドにて』がサックス四重奏でしたが、今回の『魔導士ケフカ』ですと、トランペットにトロンボーン、クラリネット、サックスと異なる四重奏でしたね。
植松 それは意図して変えましたね。同じサックス四重奏でもよかったんですけど、吹奏楽にはいろいろな楽器がありますから、ほかの楽器を使いたいなと。やりかたによっては、トロンボーンとトランペットだけでも何かできると思いますし、いろいろ組み合わせはあると思うんですが、今回はこの組み合わせでデキシーランドをやりました。

――『BRA★BRA FINAL FANTASY 2』のCDが発売され、“BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2016”のコンサートツアーが、2016年4月から始まりますね。
植松 CDは、前回にも増していろいろなバリエーションがありますし、楽しんでいただけると思います。ただ、ほかにもやりたい曲はたくさんあって。「“BRA★BRA3”をやろう」という話になれば、すぐに候補が挙がると思いますね。『エアリスのテーマ』とか『愛のテーマ』もまだやっていませんし、バトル曲で吹奏楽にしたいものもありますし。CDには収録されていませんが、コンサートで新しいものをやるかもしれません。

――コンサートは、どんな曲を披露する予定ですか?
植松 基本的には、『BRA★BRA』の1作目と2作目のCDに入っている曲になります。ただ、いまお話したように、ツアーが進んでいくうちに演奏曲を増やしていこうかなと思っています。

――『BRA★BRA』のコンサートと言えば、最後に楽器を持ったお客さんを壇上に上げて、みんなで演奏するのが恒例ですが……。
植松 今回もやります! あれは定番にしたいですね。前回、上がって来これなかった方にもぜひ上がってほしいなと。

――吹奏楽以外の楽器でもいいんですよね?
植松 大丈夫です。前回は、時田貴司(『FFIV』などで知られる、スクウェア・エニックスのクリエイター)がギターを持ってきていましたし。あと、今回はリコーダーでみんなで吹く楽曲もあるんですよ。そこだけは、リコーダーを持ってきてくれた人に限定する予定です。

――またおもしろい試みですね! それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
植松 まずは4月3日の『題名のない音楽会』をみんなでご覧ください。そして、『BRA★BRA』のコンサートでお待ちしていますので、CDで予習をして、ぜひ来てください! また、恥ずかしがらずに、壇上に上がってください!

――ありがとうございました!