周辺サービスも強化する一方、認定試験もスタート
ゲームエンジンUnityを提供するUnity Technologiesが、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコでプレスカンファレンスを開催。現在現地で開催中のゲーム開発者向けの国際カンファレンスGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)に合わせて、最新情報を公開した。
大きなトピックとしては、Unityのバージョン5.3.4を安定版としてリリースする一方で、5.4をパブリックベータ版として公開。5.4ではグラフィックの質・パフォーマンスともに改善が施されているほか、VR用途のサポート強化なども行われている。
また、Unity IAP (アプリ内課金システム) のエディターへの統合が進み、iOSのApp StoreやAndroidのGoogle Playなど複数のアプリプラットフォームへの課金アイテムの一元的な管理が可能に。デモではUnityの開発者向けページからアイテム名や概要文などを記載して各プラットフォーム版に適用するクラウド機能なども披露された。
分析サービスのUnity Analyticsでは、新機能のDevice Intelligenceが発表に。自分のゲームだけでなく、世界のモバイル機器で利用されているGPUなどの調査が利用可能で、例えば問題があるGPUを搭載する機種を対象外にするとか、特定機種のみで起こるバグについて対応するかしないか判断する際に、普及度を参考するといったことが可能になる。
一方、グループでの開発作業を補助するUnity Collaborateでも、数クリックで開発中スナップショットの共有をするデモを披露。またhtml5向けにクラウドビルドを行い、テスターに送るQRコードまで生成される様子が見られた。こういった周辺サービスはUnityの開発者向けサイトに統合され、Webベースで一括して対応可能になっていく模様だ。
そのほか、ゲーム開発に使える素材や機能などを販売するアセットストアの新たなアフィリエイトプログラムや、認定試験などもスタート。世界中で広く使われているゲームエンジンだけに、エンジンそのものにとどまらないサポートの強化が印象的だ。
また実験的プロジェクトに関わるUnity Labsが紹介されたのち、VRヘッドマウントディスプレイを被ってシーンに入った状態から開発機能を利用できるVRエディター機能のデモが行われた。
注目はでは、初公開となるミニマップ風のインターフェース。3Dモデルなどのアセット(素材)をこの上に配置すると、シーン上のその位置にもモデルが置かれるという動作をするので、まずはこっちでおおまかに配置していき、あとは間近で見ながら微調整していくということができそう(これまでもアセットを直接VRシーン内に引っ張りだすことはできたが、手元に出す形だった)。