『フォールアウト4』や『モンスターハンター』シリーズなど、注目作のセッションが続々

 2016年3月14日~18日(現地時間)、アメリカ・サンフランシスコ モスコーニセンターにてGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2016が開催される。ゲームクリエイターのための世界最大規模の技術交流の場として知られるGDCも30回目! 今年もクリエイターによる最新のノウハウが惜しげもなく披露されることと思うが、ファミ通.comでも随意セッションのリポート記事を掲載していくので、お楽しみに。まずは、GDC 2016の開催に先駆けて、注目のセッションをいくつかピックアップしていこう。

GDC 2016がいよいよ開幕! 節目となる30回目の開催の見どころは?【GDC 2016】_01
▲GDCも30回目の開催。
GDC 2016がいよいよ開幕! 節目となる30回目の開催の見どころは?【GDC 2016】_02
GDC 2016がいよいよ開幕! 節目となる30回目の開催の見どころは?【GDC 2016】_05
▲ノースホール。前日の3月13日はあいにくの雨模様。
▲こちらはウエストホール。
GDC 2016がいよいよ開幕! 節目となる30回目の開催の見どころは?【GDC 2016】_03
GDC 2016がいよいよ開幕! 節目となる30回目の開催の見どころは?【GDC 2016】_04
▲ノースホールの地下1階は絶賛設営の作業中。
▲スケジュールがぎっしり。

 GDC 2016の“主役”のひとつと目されているのが、VR。数々のVRデバイスがリリースされる2016年だが、その時流に乗る形で、“New VR Summit: Virtual Reality Developers Conference (VRDC)”がGDCと併設。3月14日、15日と2日間にわたるVRサミットでは、ゲームやエンターテインメント、テクノロジー分野の専門家が、VRやARコンテンツ制作の最先端について解説する。もちろん、ソニー・コンピュータエンタテインメントによる、PlayStation VR関連のセッションも複数用意されている。

 注目作のセッションが目白押しのGDC 2016だが、会期3日目の3月16日には、『フォールアウト4』をテーマにした “Fallout 4’s Modular Level Design”が実施される。本セッションでは、アートキットを作成するテクニックや、それらのキットを使ったレベルデザインのワークフロー、そして巨大なワールドを構築する際に役立つプロダクションのアプローチなどについての分析が行われる。そのほか、『スター・ウォーズ バトルフロント』、『ウィッチャー3 ワイルドハント』、『Halo 5: Guardians』などのセッションも予定されている。

 『ギアーズ オブ ウォー』シリーズで知られるクリフ・ブレジンスキ氏が所属する新スタジオBoss Key Productionsプレゼンツによるセッション“Surrounded by 800lb Gorillas! Standing Up to the Competition”も見逃せないセッションのひとつ。3月17日実施される、“360キロのゴリラに囲まれた! 厳しい競争にどう耐えるか?”とでも訳すべきこちらのセッションでは、“新しいIPを構築する小さな開発チームは、ゲーム業界の巨人たちに太刀打ちできるのか?”をテーマに、競争の激しいシューターのジャンルで、Boss Key Productionsが、いかに競合大手と競争しつつ、同社の最新作である『LawBreakers』に活かされてきたかを語る。

 過去の名作を分析するGDC恒例の“Classic Game Postmortem”では、開催3日目の3月16日に“Classic Game Postmortem: Ms. Pac-Man”が行われる。こちらは、アーケードゲームの改良キットを数多く手掛けるSteve Golson氏が、自身が影響を受けたアーケードゲーム『ミズ・パックマン』を分析するというもの。

 開催4日目の3月17日には、同じく“Classic Game Postmortem”の“Classic Game Postmortem: Rez”が実施。2001年にリリースされるや衝撃を与えた『Rez』だが、講演では水口哲也氏が登壇し、同作を開発した経緯を語る。日本のゲームファンにとって注目のセッションのひとつと言えるだろう。

 “Classic Game Postmortem”では、開催最終日にあたる3月18日に行われる“Classic Game Postmortem: Diablo”にも注目したい。セッションでは、『Diablo』の開発において中心的な役割を果たしたDavid Brevik氏が、同作がいかにこのジャンルの草分け的存在になっていったかを振り返る。

 日本関連のセッションでは、『モンスターハンタ-』シリーズと、『Bloodborne(ブラッドボーン)』のセッションに注目したい。3月17日に行われる“Taking Monster Hunter Worldwide”では、『モンスターハンター4G』(海外タイトル『Monster Hunter 4 Ultimate』)を例に、カプコンのローカライズ担当が、北米およびヨーロッパで、同作を展開するにあたり、どのような取り組みを行ったかを紹介。3月18日の“The Gothic Horror Music of Bloodborne”では、高い評価を受けた『Bloodborne(ブラッドボーン)』のゴシックホラーサウンドにスポットを当てて、いかに独特の緊張感を作り出すことに成功したかを検証。また、フロム・ソフトウェアの日本人作曲家3名と、アメリカ人のゲスト作曲家3名が共同作業をする中で、いかにサウンドと美意識を統一したかを考察する。

 日本人のセッションとしては、3月17日にプラチナゲームズの稲葉敦志氏による“Action Games Without Borders: Making Platinum-Quality Games For The World”が行われる。セッションでは、プラチナゲームズが、いかに世界に通用するアクションゲームを開発し得たかが語られる。

 また、GDC 2016開催3日目の3月16日には、“Game Developers Choice Awards”が開催される。開発者が選ぶ賞ということで注目度も高い“Game Developers Choice Awards”だが、2015年を代表する“Game of the Year”には、『フォールアウト4』、『ウィッチャー3 ワイルドハント』、『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』、『Bloodborne(ブラッドボーン)』、『ロケットリーグ』の5作品がノミネートされている。果たしてどの作品が大賞に輝くのか……こちらも注目したい。