“シーズン1.3”で『DDON』はどう変わる!?

 2016年3月10日、基本無料のオンラインオープンワールドアクション『ドラゴンズドグマ オンライン』(以下、『DDON』)が、“シーズン1.3”へとアップデートされる。第9のジョブ“アルケミスト”の追加や、高難度コンテンツ“エクストリームミッション”の実装など、さまざまな新要素が加わる本作。

 週刊ファミ通2016年3月17日号(2016年3月3日発売)では、本作のプロデューサー・松川美苗氏とディレクター・木下研人氏へのインタビューを掲載した。その完全版としてお届けしていこう。

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▲本作のキーマンといえばこのおふたり、松川美苗氏(右)と、木下研人氏(左)。

新ジョブ“アルケミスト”に関する疑問

――まずは、アルケミストに転職するための条件を教えてください。

木下 亡都メルゴダのエリアランクを6にすると、アルケミストのジョブマスターに会えるようになります。ですので、シーズン1.2のうちに亡都メルゴダのエリアランクを5にしておくと、アップデート後すぐにエリアランク6にすることができます。また、アルケミストを開放するためのクエストは、討伐対象モンスター数を1体にしていますので、比較的すぐにジョブチェンジできると思います。

松川 シーズン1.3では、シーカー、エレメントアーチャー、そしてウォリアーのジョブ開放クエストも内容を変更しています。対象モンスターの討伐数を1体に減らし、より簡単に始められるようにしています。

――タンク(盾役)として、アルケミストとシールドセージの違いを教えてください。

木下 シールドセージは守るタンク、いわゆる静的なタンクで、アルケミストは攻めるタンク、つまり動的なタンクとして棲み分けをしています。一般的なゲームにおけるタンクは“受けて守る”というイメージが強いので、本作ではアクション性を含めて、新しいロールを開拓したかったんです。ですから、まったく新しい“動的なタンク”としてアルケミストが生まれました。

松川 エレメントアーチャーとウォリアーは、シーズン1を構想している段階ですでに固まっていたのですが、アルケミストはまだ何も決まっていませんでした。オンラインに対応した『ドラゴンズドグマ』のアクションや、パーティーの概念といったさまざまなものを考慮し、考え抜いた結果、生まれたのがアルケミストというジョブなんです。

――これまでになかったタイプのジョブになりそうですね。

松川 モーションなども含めて入念に調整しているので、さまざまな遊び心が詰まったジョブになっていると思います。

――シールドセージと比べると、“敵視”を集める能力はどれほどのものなのでしょうか。

木下 単純に敵視を集める能力は、シールドセージのほうが高いですね。アルケミストは、“錬成物質”を敵に付与することで、敵視を集められます。そして大量の錬成物質を付与した状態で、エリクシル(錬成物質を爆破させる)を使いダメージを与えていく、という感じです。タンクだけではなく、アタッカーとしても活躍できるのがアルケミストの強みです。

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▲付着させた錬成物質を爆破させる“エリクシル”。

――アルケミストの、パーティー内での立ち回りの例を教えてください。

木下 まずは敵に攻撃を仕掛け、錬成物質を付与させながら、敵視を集めるのが基本の動きになります。アルケム・フーガという緊急回避と攻撃の効果を併せ持つノーマルスキルを使えば、回避で間合いを取りつつ、さらに錬成物質を付着させていくことも可能です。ほかにも、自分自身を黄金化させて敵の攻撃を受け流すゴルダ・アウルムを使い、集まってきた敵の攻撃をその場で一定時間、耐えしのぐという戦いかたもできます。

松川 ゴルダ・アウルムは、敵の攻撃をほとんど無効化できますが、発動中はアルケミスト自身も動けなくなるデメリットがあります。発動したら、ほかの仲間がスキを突いてモンスターにダメージを与える必要がありますね。

――アルケミストの攻撃は、物理属性と魔法属性のどちらになるのでしょうか?

木下 アルケミストの基本攻撃は物理、そして打属性になります。錬成物質を爆発させるエリクシルも物理攻撃ですね。ちなみに、爆発は炎属性ではありませんので、“攻炎”などの属性強化のアビリティは効果を発揮しません。

――では、アタッカーとしての能力はどれくらいでしょうか。

木下 攻撃能力は、さすがにファイターやウォリアーよりも劣りますが、敵視を集めたり、軽快にフィールドを動き回ったりといった特徴的なスキルを使いつつ、攻撃もできるジョブです。

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▲自身の体を黄金化し、攻撃してきた敵に状態異常を与える“ゴルダ・アウルム”。

――“エリクシル”によって、モンスターに状態異常を付与できますよね?

木下 はい。アルケミスト専用の触媒アイテムを消費することで、毒や睡眠、封印などの状態異常を敵にかけられます。遅延の状態異常だけは、触媒アイテムなしでも最初から使えるようになっています。

松川 エリクシルをうまく使い分けることで、さまざまな戦闘で活躍できると思います。なお、エリクシルは基本となる遅延のほかに、ふたつまで別の効果も装備できます。ハンターの状態異常矢のような感じです。

――なるほど。アルケミストは敵を弱体化させる技が豊富なんですね。

木下 はい。シールドセージは味方を強化する“エンチャント”が特徴的ですが、アルケミストは敵を弱体化させることに特化している部分があります。そういったところでも、シールドセージとアルケミストの差別化を図っています。

アルケミスト注目のスキルは?

――アルケミストの中で、とくに“注目してほしいスキル”はありますか。

木下 パーティーで遊ぶときには、パイル・バインダというスキルがおもしろいと思います。このスキルは、一閃突きのように距離を詰めて、敵に錬成物質の杭を打ち込みます。その杭を攻撃すると、アルケミスト以外のジョブでも錬成物質を蓄積できるんです。パーティープレイをするときは、アタッカーが攻撃しそうな部位にこの杭を仕込んでおけば、素早くエリクシルを発動できるというわけです。

松川 あとは、トランポリンのような“飛躍盤”を設置するレクス・カタパルタも、役立つと思います。この飛躍盤に乗れば、ズールやグランエントなど、通常のジャンプでは届かないモンスターの頭部などにも素早くしがみつけます。このスキルの登場で、アクション面の“縦方向の遊び”が一気に広がり、いままで以上に戦闘が楽しくなると思います。

木下 またレクス・カタパルタは、最初に設置した飛躍盤の軌道上に、もうひとつ別の飛躍盤を設置することが可能です。ふたつ目の飛躍盤は、キャラクターが向いている方向に対して斜め向きに設置できます。

松川 動きが重めのジョブが、飛んだり跳ねたりできる、単純な気持ちよさがありますよね。

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▲ジャンプ台となる“飛躍盤”を設置する“レクス・カタパルタ”。

――アルケミストのアビリティで、ほかのジョブでも役立ちそうなものはありますか?

木下 “快動”はカスタムスキル使用時のスタミナ消費量が軽減されるという効果があるので、さまざまなジョブで役立ちそうです。“奪視”は攻撃時に敵の注目をより集めやすくなる効果があり、シールドセージにも有用なアビリティだと思います。

――“快動”は非常に気になりますね。ちなみに、アルケミストとシールドセージでは、防御能力はどちらのほうが高いですか?

木下 ジョブが持つ基本防御力は、シールドセージのほうが高いです。アルケミストは、基本的な防御力そのものは低めなので、安定して戦うためには、敵の動きを見極めながら、しっかり回避していく必要があります。

――なるほど。ところで防具はシールドセージと共有なのでしょうか?

木下 はい。シールドセージと同じです。ですので、これまで作っていただいた防具をそのまま装備させることが可能です。

――アルケミストは機動力の高いジョブだと思いますが、シールドセージの重い防具でその機動力は維持できるのでしょうか。

木下 防具はシーズン1.2までと同様の重量になっています。また、アルケミストの武器もファイターの片手剣と同じ重量になっているので、機動力の高さを堪能しつつも、スタミナの残量管理は気をつけたいところですね。